森永卓郎氏コメントに触発されて 2022/07/12

ー森永卓郎氏コメントに触発されて 2022/07/12
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引用 始
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森永卓郎氏 

選挙結果を受け「ほんとに心配な状況になってきた…昭和初期と非常によく似ている」

スポーツニッポン新聞社 -2022/07/11 16:08

経済評論家の森永卓郎氏(64)が11日、ニッポン放送「垣花正あなたとハッピー!」(月~木曜前8・00)に出演。10日に投開票された第26回参院選の結果について言及した。

安倍晋三元首相が8日、奈良市内で応援演説中に銃撃され、死亡する事件があり、異常事態の中で行われた選挙。自民党は単独で改選過半数となる63議席を獲得し、公明党と合わせ与党で76議席を獲得した。安倍氏が党内議論をリードしてきた憲法改正の是非も争点となったが、「改憲勢力」は国会発議に必要な3分の2以上の議席を維持した。
森永氏は「ほんとに心配な状況になってきたなと思っている」という。「昭和初期と非常によく似ているんですね。1929年10月24日にニューヨークダウが下がり始めるんですよ。3年近くにわたって10分の1まで下がるんですけど、下がり始めた年に日本は金融引き締めと財政引き締めっていうのを同時にやったわけですよ。その結果、昭和恐慌っていうのが起きた」と説明。その上で「今回自民党が大勝したことによって、岸田総理の政治基盤っていうのは、ものすごく強くなるので、岸田さんは多分やりたいことをやる。それが財政の引き締めと金融の引き締めなんですよ」とし「割と高い確率で、私はこの3年間の間に消費税増税に踏み切るんじゃないかなっていう気もしています」と話した。
さらに「実は岸田総理にブレーキをかけていたのは安倍元総理なんですよ。“財政、金融締めちゃだめよ”ってずっと言い続けてたんです。直近まで」とし、「でもその安倍元総理を失ってしまったことによって、私は岸田総理はやりたいようにやっちゃうと思うんですよね。ちょっとまずいなっていう、昭和初期の歴史を政治家の皆さんもう一度振り返って欲しい」と自身の考えを語った。
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引用 終
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森永卓郎氏の指摘で、太字にした部分が重要であろう。国民は自民党を選択したが決して岸田氏とその背景勢力の意向を選択した訳ではない。現在の自民党の在り様の問題で、「国民が明確に選択できる政党がない状況」を示しており、日本の政治の大きなリスクであろう。

彼の指摘の時代状況には似て非なるものがある。現在の人間社会の「危機」は、従前のグローバリズムの終焉を示しているであろう。安全保障が全面&前面に出て来たことで、世界経済が影響を受け分離の方向へ進行しているであろう。世界恐慌でブロック化が進行した森永氏の言う比較の時代背景と同型であるとの指摘は十分に頷ける。但し、同型であって違う面もあることも事実である。そこに的確に目を向けるべきであろう。最たるものは、隣国勢と日本との関係が大きく違うことである。

安倍晋三氏は現在の事態を見通していたかどうかは定かではないが、明らかに隣国勢の動きに自らの知恵を働かせて対処してきていた。そのことで「日本」が現在の時勢に先んじることができてきたと言える。残された自民党は参議院選挙で「勝利」したことで大半の自民党員は万歳をしていた訳であり、残念ながら安倍晋三氏を的確に理解し従っていたとは言い切れないであろう。彼を失った自民党と日本は、森永卓郎氏の指摘にもあるように「混迷」を深めてゆくであろうと私も考える。世界の反応を見ても、日本だけでなく彼の重要性が理解されていたであろう。

もう一つ指摘しておきたいことは、大東亜戦争に敗北し「敗戦革命」を退け経済復興を果たし先進国の立ち位置に再帰したが、政治家に人を得なかったが故に再び日本の立ち位置を明確にすることが出来ずに、高度成長後に「ズルズル」と過ごして来た。現場は頑張ってきたが、グローバリズムや隣国勢(コミュニズムが変異した時代錯誤の動き)に逆浸透を受けて、指導層(政・官・経)に「似非日本人」の跋扈を許し、「失われた30年」を過ごして来たことである。

明治維新以来、日本は自立自存を目指して努力してきたが、歴史の重要な節目で指導層が大きな「錯誤」を犯して道を誤ってきた。国民は、自ら政治に参加して同じ過ちを繰り返さないようにすることが重要であることを再認識する。今回の参議院選挙では、国民による新たな「芽吹き」が少し見られたであろう。これを継続し、次の総選挙へ向けて国民は心新たにして、再度「安倍晋三氏」の示した真の日本の方向性を理解して邁進すべきであろう。

こうした観点に立てば、「今なぜ安倍晋三氏が凶弾に倒れた」のかを、日本国民は確り認識すべきである。


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