ホモサピエンス再考:中共(支那)編

『平家物語』の冒頭にある一節「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり、沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらわす」(*1)は、中共(支那)の現在の様相を「暗示」しているのではないだろうか。

*1:「祇園精舎の鐘の音、諸行無常の響きあり」は、世の中に不変はないと言っているように聞こえるということである。「沙羅双樹の花の色は、盛者必衰の理をあらわす」は、盛んな者は必ず衰えることを表している。

中共(支那)はO系統(主体はO2である)が大きな割合を占めている。O1aは台湾先住民に多い。O1b1は支那南部や東南アジアに多く、O1b2は日本や朝鮮半島や満州など東アジア北東部に多い。O2は支那大陸や朝鮮半島で多い。日本でも15%~20%程見られる。

支那大陸に移動してきたNO系統(*2)からO1系統とO2系統が出現する。これを認識して、チベットと日本はD系統が主体であることを考えると、支那大陸のD系統はO系統に「圧迫」されて「消滅」したという理解は成り立つ。また、嘗てモンゴル帝国を築いたモンゴル民族がC系統であることより、東アジアには古い系統がある程度の勢力を持って残存していることが理解できる。

*2:祖先としてK系統がある。そこから派生するのは、N(ウラル系民族他)、O(支那)、Q(南北米大陸の土着民族)、R(欧州)である。Kより先のG(コーカサス)、H(インドで特にドラヴィダ人に多い)、I(バルカン半島・北欧)、J(中東、紅海・地中海沿岸、特にアラビア半島に多い)がある。今の各地の情勢を反映していると理解するのに支援になるのではないか。人種差別という観点ではなく、そこに現れる「気質」というようなより素朴な観点からである。

歴史を見る時に「現状」に影響され、見る時代を動的に捉えることが出来ない影響が出ることを認識しておく必要がある。遺伝子系統だけでなく「言語」の系統も理解すると、より歴史の実体に迫れるのではないかと考える。チベット語はシナ・チベット語族で基本的なところまで影響を受けている。この観点から、日本語が独立なことを考えれば日本と支那大陸の関係がより明確になる。

シナ語は基本文法がインド・ヨーロッパ語族に近いことも同じ系統から分かれてきたことより理解される。常識的に考えれば新しいものが古いものより引き継いでゆくことになることは自然であろう。Ⅾ系統はO系統よりも格段に古いことことを念頭に、「漢字」も当時その土地に共存していた状況で生まれ、後にそれぞれに紆余曲折があり更に熟成して「漢字圏」(*2)となってきたと考えるのが妥当ではないか。言語(漢字の使い方等)の改良のその後の動向を理解すれば、D系統主体に起源があると考えても違和感はない。加えて、起源に繋がる「亀甲占い」の風習が残っているのは日本であることも、そうしたことを示唆するのではないか。当時は、D系統は日本列島にのみに生存していたわけではないという視点も必要であろう。

*2:同じ漢字でも意味やニュアンスが日本と支那ではかなり異なる。日本は明治維新以降で英語様式を取り入れ「漢字の利用法」において大きく進化と深化を行っている。更にそうしたものに其々の風土の在り様も合わさって日本と支那の精神文化に大きな違いがあることも事実である。支那が日本に伝えたという「上から目線」の妙な風潮には意図的なものを感じる。最近の中共による「簡体字」は漢字の良さを生かしておらず、漢字を「表音文字化の様相」があり愚民化政策の誹りを否めない。また、数千年に渡り「漢字」以外はなく発音記号に相当するものもないのは不便ではないのか。秦朝の意図が今まで続いているのは何とも言えないものがある。

支那大陸で「志那的なるもの」が明確になってゆくのは、秦朝あたりからではないだろうか。所謂、始皇帝が始めた中華帝国(皇帝と官僚機構の基本的な制度)や漢字の書記の統一というものが確立される時期である。規模の大きい支那大陸で「宗族と械闘」という独特な在り様が古より有り中華帝国の様相と相まって、そこに「封建制度」が発達しなかったのも特徴であろう。従って「健全な民族主義」が支那大陸には無い。社会が、官僚の腐敗(伝統文化になっている)等により乱れると各地に「暴力組織(軍閥等)」が生まれて対立抗争し、次の王朝(易姓革命)に繋がる。抗争の過程で対立勢力の男系を断種するという風習もあった。多くは北からの異民族の侵入を許し中華帝国の様式で支配されることになった。また支那大陸は歴史的にも今も「疫病」の「宝庫」で、抗争だけでなくこの影響もあり人口が大きく変動した時期もある。民族(宗族)の入れ替わりもなしとしないであろう。更に、宦官や纏足等の不思議な風習があり長いこと継続していた。科挙も「宗族と械闘」を反映したものとなり一族繁栄のために利用され「腐敗の温床」にも繋がっている。中共においてもその創設に携わった人物の宗族が利権を踏襲している様相に形を変えて引き継がれている。前者を否定して成り代わる在り様や優秀な遺伝子を断絶させる風習等「歪なもの」が組み込まれてきた。D系統の日本から見るとO2系統の支那は実に理解し難いといわざるを得ない。

清朝崩壊後の過程で「近代化」の目があったが、結局は自ら潰した。色々な「言い訳」はあるが、「共同体」の意識が歴史的に希薄(無いも同然)であることであろう。「皆で良くする」よりも「如何に抜け駆けるか」が優先される「支那的なるもの」を「克服」出来ない。その観点から、「共同体」が育まれる水準になるまで、支那の分割が行われるのは止む終えないであろう。支那の規模で中共のような存在を許したら、人間社会のどの組織でも単独では「敵わない」であろう。人間社会は、支那を分割する方向へ誘導する共同対策を採らざるを得ない。DJT政権の政策が人間社会に浸透しつつある。中共が崩壊して分割され各地域が近代化で熟成し、その後に新たな中華理念で統合できるなら「中華連邦」を築いたらよいのではないか。そうして初めて「易姓革命」を克服できるのではないか。


中共は、これまでの記述で「歪に台頭」してきたと述べてきた。現在の習近平体制の在り様に繋がる「中共」の理解を再確認しておく。

・中共は、ソ連との交渉で「本来の支那、チベット、内蒙古、新疆ウィグル、台湾、香港」を自分達の領土としていた。対外的に信認されたわけではない。

・中共は国民党との抗争で勝利し「中華人民共和国」を成立させた。その理念は「マルクスによる共産主義」に沿うものであると謳ってきた。然るに文化大革命以降はその確信が揺らぎ始めた。

・中共の支那人民からの信認は「経済成長」が実現することであり、それは大躍進政策や文化大革命に失敗し回復策として行った米支国交回復時期から強くなる。

・「経済成長」と共に育った若者層を中心に民主化の動きが生じたが、天安門事件にてそれを阻止して中共の温存を図り、更なる「経済成長」を支那人民に示した。

・江沢民体制から路線修正を行う。国民党との抗争勝利から「対日勝利」の似非歴史修正を行い、「似非中華民族主義」を助長する。つまり「一つの支那」を強化する。

・経済成長の為に外国資本と技術の導入(強制盗用)を更に推進し経済成長を行う。支那を世界の工場にする。つまり、先進国の消費を当てにする「輸出経済」を促進する。その為の自国人民の差別待遇(農村と都市の戸籍による差別)の温存や留学生の米国他への投入を行い技術情報の獲得(窃取)に勤しむ。そのための手立て(孔子学院等)を積極的に展開する。WTOに加盟して立場の使い分けや約束の反故を行う。環境保護の無視等もある。

・中共の正当性を「抗日戦勝利の立役者が中共である」を根拠にするよう、反日教育や対日情報工作を日本や米国で推進する。南京大虐殺の捏造工作や韓国を利用し「慰安婦問題」を推進させるというものである。如何にも「支那的なるもの」の発想で、よく考えればおかしいのであるが相手に重荷を負わせて弱らせるという様式であある。この頃から韓国は中共に「組み込まれ」始めている。内部的には、締め付けの強化と懐柔を巨大な資金を投入して人民に対して行う。

・中共は経済活動に介入し巨大な資金を回収して、その資金をもとに配下企業を利用し先進諸国の企業等の買収を推進する。外国での影響力の行使を大胆に行ってゆく。中華覇権の巧妙な浸透である。特に、メディアや先端企業を中心に行ってゆく。現在のメディアの劣化の一因でもあろう。

・中共の領土の版図とした周辺部への支配強化(当該地域の民族浄化・宗教弾圧)を、人民に植え付けた似非中華民族主義に応えるざるを得ないためにも行ってきた。宗教は当然だが中共の主義以外認めないというものである。さらに、支那の経済成長に繋がる経済搾取も同時に推進してきた。支那人民へのある種の懐柔でもあるであろう。当該地域での「利権他」をそこへ移住した「漢民族」に得させることでもある。

・「一帯一路」政策は、政治経済両様のものである。該当諸国への影響力行使であり経済的な「侵略」である。日米が「騙されない」ことより当初の目論見は外れている。それ以外でも発展途上国では「高利貸し」の様相をみせて権益の確保を行っている。実態においでは資金的な損失が大きい様である。

・習近平は、正当性を国民党に対する勝利から対日勝利(南京大虐殺記念館での言明)へ最近に明確に修正したこともあり、自己の立場の強化と人民の似非民族主義を満足させるため「台湾」と「尖閣」への仕掛けを強化している。香港は、ほぼ手中に収めつつある。此処での「やり過ぎ」が人間社会に危機感を齎した。更に、新疆ウィグルや内蒙古への動きの実態が公然化した。人間社会の危機感が一層増した。


米国DJT政権より対中共への政策が大きく変更され、先進諸国も中共の実体に覚醒し方向転換し始めている。中共を利するように仕組まれていた「経済環境」他が崩れ始めている。習近平体制は所謂内需主導へ切り替え始めているようだが、これまでの「資金創出マシーン」が機能しなく成りつつあり、内部矛盾を治めることが出来なくなりつつあるようだ。特に、経済のディカップリングが最も効くようである。「経済成長」が支那人民の中共を信認する根拠であるので、ここが崩れ始めると支那の歴史的な背景があり中共に「恐怖」を生み出しかねない。中共は「経済成長」を誇示し続ける情報工作をせざるを得ない。人間社会はその実態をよく観察し続けることである。中共の示す統計情報も鵜呑みにはしないことである。最近の中共の言動は「自己紹介の裏返し」のものである。如何に、中共が彼等の意識で「追い詰められている」かを示しているといえる。彼らが優位にあるときはそうした言動は採らない。どちらかというと「大人の風情」を醸し出す言動を行うのが常である。

DJT政権のMRP前国務長官の対中共の認識は的確であり、その政策は中共に最も「突き刺さった」と言える。現JRB政権の国務長官AJB氏の対中共認識は現在更新中のようであり、此処から先を注目したい。現在のところはMRP前国務長官の対中共政策に沿っているようである。

日本の官民の動きはどうなのか。国民は現在の中共をメディアの劣化にも拘らず理解し始めていると推察する。各種の世論調査でも対中共への評価は一段と低下している。最早後戻りはないであろう。所謂分水嶺を越えたことになる。課題は、中共に深く関わり続けてきている政治家や官僚や経済人であろう。長い関わりがあるため「柵」が生じており、即ディカップリングに動けない者達がいるのも理解する。メディアで喧伝されている中共との関わりを進めるが如きの喧伝も一応は眉唾で理解する。しかし、中共が煽った似非民族主義の対象が「日本」であること、戦前の支那における日本人への「異様な事件」を想起して、支那進出企業は日本人駐在員を引き上げることである。

人間社会は、反中共で体制を整えつつあると理解する。安全保障は、QUADを前提にG7が共同で対中共で南シナ海と東シナ海で展開されつつある。台湾への加勢も明確に成りつつある。軍事面での支援やWHOへの台湾の加盟の推進である。北京オリンピックのボイコット案件も俎上に上ってきつつある。G7外相会合の共同声明も中共への明確な言及がなされている。

中共という存在は、近代国民国家ではないことが明確である。では、どういう存在であるか。国家擬きの動きをするが、本質は権力と富の亡者集団である。支那の世情が荒れて乱れると登場する「軍閥」である。今は、共青団のような存在もあるが、創設時の有力人物の世襲に近い形で繋がる「閥(宗族)」が幾つか存在し、中共内で「械闘」を繰り広げている。現在は二代目三代目に当たる。それが、約一億人規模の中共を率いているという状況にある。そして対外的には、歪に台頭して影響力の行使を中共に有利になるように行使している。米国に存在する「グローバリスト勢力(超巨大資産家集団で出自もあり一枚岩ではない)」は近代性を踏まえているが、中共は近代性を踏まえていないという違いがある。彼等はお互いに同調できる要素が多い。実際にそうしてきた。中共の崩壊が先で、グローバリストの「始末」はそういうものを生み出さない「仕組み」の設計と組み込みにより行われるのではないかと考える。


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