人間社会と日本:転-03
ー 人間社会と日本:転-03
先述したように「人間社会の大局的な動向」を再認識したことで、次に考察することは必然的に「日本」がこれまでの経緯を踏まえて此処からどのような対応を行ってゆくのがである。以下に、内外に分けて想定できる基本的なものを取り上げて方向性を考えてみる。
〇日本の基本方向
〇日本が対外で推進するもの
〇日本が対内で推進するもの
〇日本の基本方向
日本は、長い時間を掛けて受容してきた「西欧近代科学技術文明」とその「功罪」を改めて確り認識して、「中今(日本的なるもの)」の伝統と慣習が齎す「匠精神」を発揮して、人間社会の強欲勢力に怯むことなく「功」を伸ばし「罪」を改めて「あるべき人間社会の姿」を追求することに努める。これが「日本的なるもの」を発露する精神に適うものであろう。
日本に押し付けられた未だ払拭できていない「自虐」を尚このままにして置けば「将来に禍根」を残すことは必定である。また、日本の戦後の再出発の「起点」であり、75年以上が経過した今日本人自身による客観的「総括」が行えるであろう。更に、当時から今迄の東アジア(特定アジア:日本に仇なす支那と朝鮮)の動向を踏まえて、大東亜戦争の意味を再確認し、再出発の根拠を確かなものとして国民が共有し、日本のあるべき方向性を見出す。更に価値観を同じくする先進諸国(其々に自国の状況の吟味が必要な状況にある)と連携し、近代化の水準を上げた政治経済域を構築し安定的な発展を実現する。
捕捉:大東亜戦争時期の事実に基づいて「日本の当時の再整理」
日本の戦後の在り様の起点が、占領側(GHQ)なり支那(中共)や朝鮮の捏造による「歴史観」の喧伝にて相変らず汚されていては、中今の在り様の日本には望むべき未来が描けないであろう。此処は、覚悟と勇気を持って「過去」を再点検して、事実を再認識して次なる日本に適切に結び付ける作業が必要である。つまり、支那(台湾・満州他支那の周辺部も含む)や朝鮮(米軍政の朝鮮地域が北朝鮮と南朝鮮に分かれてゆく時期から朝鮮戦争の始まりまで)における当時の事実の掘り起こし、未開示等の資料の探索で「大東亜戦争の終戦前後の混乱期(国民党・中共・ソ連の動静と日本軍及び日本人の撤退の様相(理不尽な事象等)や残してきた日本の財産等の扱いとその後の状況)を検証し、先達を信じて怯むことなくソ連や中共のこれに関わる事実を解析・整理して適切に開示する。この一連の作業は、ソ連を引き継ぐロシアとの関係の再構築や「中共」の此処からの「崩壊」に際して重要な「情報」である。同じく歪な状況にある朝鮮の再統合(出来るかどうかは朝鮮民族の覚悟と努力に掛かる)に繋がるであろう。「日本人拉致問題」は時間が掛かり過ぎているため望む形での解決は恐らく出来ないであろう。然るに、禍根とならないように「過去の再整理の作業」の一貫で真相を見極めて「けじめ」を付けることが出来るであろう。
前述を遂げるためには、国防及び集団安全保障体制の根本的な再編を必要とする。「力」のない者の言動には迫力がなく、相手を「動かせない」のは言うまでもない。日本に古来よりある「神武(*1)」の考えで自衛隊を国防軍に再編し、同じ価値観を有する諸国と「集団安全保障体制」を確立し事に当たる。現憲法の見直し(*2)は必要であるが、喫緊の国防という観点に立てば現憲法下でも推進は可能であろう。
*1:日本には古来より「武は矛を止める」という考えがあり、その真意は「武を常に鍛え備えることで、社会に秩序(平和)を齎す」というものである。これは、欧米流の「力の均衡が衝突を防ぐ(逆に力の空白が紛争を生む)」というものに近い考えである。支那にはそうした考えは無いようである。支那の精神文化は「孫子の兵法」であり、その真髄は「詭道」にある。支那に関しては、「情報戦が主体の前哨戦に長けているが本格戦には弱い」というのが通説である。
*2:日本国の成り立ちを再考すれば、西欧流近代国民国家に必須の国体を意味する「憲法」は必要ないであろう。明治維新で西欧先進国に「認めてもらう」為もあり憲法を制定した面もあるのではないか。日本の国体は、「天皇と民」であり「しらす」である。長い歴史の中で「法治」に適う社会を統べる「決めごと」を体現した文書が日本には数多く残されている。この観点及び近代化という観点を明確にするという事であるならば、「皇室典範」「日本国基本法」「緊急事態法」の基本3法の体系に再編するのが妥当ではないか。天皇は今では「先験的にある」ものであり、国体である「天皇と民」の主要素である。尚且つ「しらす」は民主主義と同型のものである。
〇日本が対外で推進するもの
軍事面:
欧米日の有志連合軍(海軍主体)による現在進行形の南シナ海と東シナ海での制海権を確保する示威行動(合同訓練と称して)が、中共軍(人民解放軍で国軍ではない)への牽制として行われている。関連情報が「小出し」で全体像が的確には摘めないが、現実にはかなり危うい事象も生じているようである。今後、有志連合側の海上行動は一層強化されてゆくであろうと想定する。更に、覚醒しつつある人間社会の変異に応じて此処からの「中共」の状況変化(疑似易姓革命が生じてくる様相が生じてきている)の推移に合わせて、何れかの時期に支那大陸における「秩序維持(PKO)」の展開が想定される。具体的には、大きな環境変化に内部矛盾による中共内部の権力闘争が激化し、人民がその犠牲を強いられることに耐えられなくなり暴動等が頻発し混乱と分断の状況に変異してゆくことが想定される。「易姓革命」の歴史が示すように虐げられた人民による暴動が広まり次第に抑えれなくなってゆく。今回留意することは、支那(中共)はそれなりの水準の経済状態にある社会に発展していることである。嘗てとは大きな「差」がある。各種要因により現在進行している「逆回転情勢」を踏まえて、中共は「人民を抑える体制」を採るように指示を出しているようである。経済水準等を考慮すれば、都市部では人民は「暴動が主体ではなくサボタージュが主体になる様相」を示すのではないか。若年層にそうした傾向が出ている状況が報じられてきている。これまで「刈られてきたニラ(人民)」がニラであることを自覚し止める方向へ進んでいると揶揄する言動が話題になっていたようである。その意味で、中共崩壊時のPKO活動の戦略を想定しておく必要があろう。今の支那(中共)は、それ程に内部的な危機を抱えていると言える。習近平体制が繰り広げられる情報戦とは違い瀬戸際にあるのではないか。
今回は、対支那に関して歴史を踏まえて「遺恨」を残さない様式で対処することが必要である。この点から規律のある英豪日他の有志連合が主導するのが妥当であろう。米国は、ここまで中共幹部宗族と連携してきた経緯があることより中立性において微妙な立場であろう。現在の米国はJRB政権であり誕生前から言われていた「正当性なき傀儡政権擬き」に成りつつあるように見受ける。JRB政権の内に支那大陸がPKO状況になるかは予断できない。対支那の軍事面での現在までの推移を見れば米軍にも良導チーム(JRB政権からしたら米軍が独自に動くことは好ましくはない)が存在する。されど、JRB政権がPKOへ参加するのは「微妙」であろう。米国内の事情もこれまでの付が累積してきており「忽せにできない」状況にある。今後のDJT氏勢力の復権と米国の「再生」がどうなるかにもよるであろう。
PKOは先々の話として、中共の崩壊はソ連の崩壊とは大分に趣を異にするであろう。歴史的に易姓革命として繰り返される中華王朝の崩壊と似て非なる様相を示すであろうと推察する。人民解放軍の各軍区が「軍閥」に変異することも想定される。欧米日他の有志連合軍は海上行動が主体であり、陸上の動き(治安秩序のため)は現在は対応できないし想定していないであろう。巨大な支那の「混乱」を治めるには多くの軍(主に陸軍)が必要であろう。その際に想定されるのは、北側(モンゴル対応)と西側(インド対応)と南側(ベトナム対応)と東側(台湾対応)の周辺部から「浸透」させてゆくことになるのではないか。それらを統合的にどのように編成し準備してゆくかであろう。また、ある段階からは「軍政」も出来る広義の陸軍勢力が必要になるであろう。今回は、対象は特定アジア(支那と朝鮮)である。本来的に日本(先のインド太平洋戦略を安倍晋三氏が主導したように)に主導の期待が寄せられるが、人民の反日洗脳もあり難しいであろうと思われる。支那(中共)は今は国連の常任理事国であり人口規模や社会状況他でソ連とは条件が違い過ぎる。支那(中共)の影響力下にある国連の関与も難しいであろう。逆に、支那(中共)の崩壊の影響が一番及ぶであろうと思われるそれなりに力のある国々であるインド・モンゴル・ベトナム・台湾が主体になるのが妥当ではないかと考える。軍装備品等に関しては、日本が主体的に米軍と共同でモンゴル・ベトナム・台湾へ支援し強化することも有効であろう。海域・空域・宙域における活動に関しては日米が主導し、PKOが必要な状況が出現してくれば周辺各国が先導して、有志連合国側は歴史的な観点もあり背景的な立ち位置に止まるのが妥当であろう。
中共の体制においても支那の歴史的な習いと同じく「繰り返し」が起きている。嘗て、毛沢東により無手勝流の大躍進政策で失敗し文化大革命による権力闘争の果てにジリ貧に陥った中共は、今回は似て非なる習近平により人間社会からの孤立化(中共の歪な台頭の裏返し)への戦狼対応と内部の権力闘争で似て非なる「ジリ貧」(支那(中共)経済は今はまだ外部と関係しており外部も影響を受けるであろう)に陥るであろう。その兆候(支那独特の不動産投機の構造の崩壊)が既に出始めている。そうした情勢の変化もあり、習近平による台湾併合への言及や台湾空域への侵入等の動きが活発になり、情勢の緊迫度を高めている。ヒマラヤ高地の印度との国境地域でも軍事対峙が緊張度を増しているようである。今後政治日程を熟しながらも、やはり人間社会の「情勢の緊張度」は高まってゆくであろう。「権力基盤が不安定さが見受けられる」米支の両政権の活発な話し合いが今「背景的に」行われているが、どちらの当人達の現実認識は解らないが、従前の環境の極は過ぎつつあり戻れない様相に人間社会は進行しつつある。嘗て、中共が台湾の蒋介石政権(国民党政権)を攻撃する機会があり、米国が朝鮮半島との両面作戦が採れず旧日本軍による支援軍事顧問団(白団)を送り「小局戦」にして中共の侵略を未然に防止しした経緯がある。今回も中共が台湾に突っかけているが当時とは背景が大きく異なる。戦狼的に物事を扱っている内は良いが、本格的な戦いに出た時の人民及び人民解放軍の反応は予測できないだろう。故に、台湾本島への侵攻の蓋然性はかなり低いと想定するが、皆無ではないので侵攻が起きないように有志連合側の「対抗環境」をより強固にしてゆくことである。人間社会のとって肝心なことは、軍事面だけで判断しないことである。政治経済社会の其々の側面で時間軸の推移に従い、それぞれの領域で各種の事象が生じて相互作用が生まれて全体情勢の変異に繋がってゆくことを大局的な観点から抑えておくことである。その上で、不自然な力の行使が生じない様に対処してゆくことが肝要であろう。この情勢に際して、近隣の特定アジア(支那と朝鮮)に対して最も詳しいのは本来的に日本である。確り国内体制を整え有志連合の中で主導的な立ち位置を採ることである。それには、本格的な覚悟と矜持がいる。これまでのような「温い状況」に浸っていることは出来ない。
政治面:
現在の日本はこうした観点もあり「選択の時」であり、先ず自民党の総裁選で中共の影響力の強い河野太郎氏を退けて岸田文雄氏を選択した。分裂した「宏池会」を主導する麻生太郎氏とその周辺の意向が「通じた」ものであろうと推察する。次は、現在進行中の「総選挙」である。日本国民はこれまでの経緯でどこまで覚醒しどの様な判断を下すかである。
宏池会は池田隼人氏(戦後に「温存」された官僚経験者である)が立ち上げた自民党の派閥である。戦後の復興期に「所得倍増計画」を掲げて実現した人物であり、その意味でも現在焦点が当たる価値のある人物である。しかし、左翼思想の青年に刺され悲運の死となった。此処に日本の本質的な問題の一端があろう。官僚出身の政治集団の色濃い人達の「政治家への変身」の意欲が削がれ官僚同様の「事勿れ」に堕してゆく。宏池会にも官僚系でない人物がいる。その代表は河野洋平氏である。河野一族の世襲人物である。河野一族は朝日新聞との繋がりがあり「リベラル(それほど強くなく思想的なものもなく実際は権威主義的な在り様か)」の傾向があるように見受ける。その傾向と左翼系との繋がりがあり、河野洋平氏は中共とは「かなり深い関係」にあるようである。それなりの逸話が残っている。自民党内での「造反活動」も有名であり、自民党が政権を握っている時に総裁に成れなかった経緯がある。逆に、社会党を担いで「自社さ政権」の誕生に関わっている。その前の宮沢政権での官房長官職にあった時に「河野談話」を出したことは有名で今も尾を引いているものである。その宏池会における党人的傾向を引き継いであるのが麻生太郎氏である。麻生太郎氏はその軸足が日本にあるリベラル派という人物であろうと推察する。彼は吉田茂の孫であり官僚系と党人系の融合の立ち位置にいると推察する。今回の自民党総裁選でその立場が如実に現れていたように思う。
現在の岸田文雄氏は、彼の郷土の先輩であり宏池会の系譜にある宮澤喜一氏の「面影」が重なっているように見受ける。岸田氏は官僚出身ではないことが「違い」に現れているが、背景にある大蔵閨閥を脱することができるかどうかである。宮澤喜一氏は、その軸足が日本になかったのだろうと判断するが、故に中共にグローバリストに日本も彼も翻弄されたと言える。今の日本に禍根を残した政治家(リベラルな宏池会)の一人である。その当時のグローバリストと中共は「上り坂」にあったが、今は其の極を過ぎて「下り坂」に向かおうとしていると理解している。岸田氏は、似て非なる環境で似て非なる立場において、宮沢氏と同型の立場に立たされているといえる。不思議な縁であろう。
この状況で言えることは、今だ覚醒していない日本国民も岸田文雄氏も自分の足で動いて自分の目で見て、人間社会の「現実」を見ることである。情報化と知識化で玉石混交の情報が溢れているが、その中から確かなものを見出すには「情報リテラシーの能力」を上げてゆくしかない。勝手に評価させてもらえば、岸田氏は今だ現実が確りとは見えていないようである。情報入手の幅を広げることを彼には薦める。総選挙での言動に注目したい。
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