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足尾探索記 (香風音視点) 3

初めましての方 初めまして。
前回の記事を読んでくださった方 こんにちは。
香風音(かふぇいん)です。

先日、足尾エリアを探索してきましたのでその様子を紹介したいと思います。前回は本山小学校を発つまでをやったので今回はその続きです。

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表通りまで戻ってきた。街灯の笠は銅製だろうか。銅は足尾のものなのか?

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足尾赤倉郵便局を発見した。文明に切り離された当地に於いて安堵できる要素…。

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観光タクシーとやらがある。徒歩で探訪するので利用はしない。

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硫酸輸送用のパイプラインか?(後述)

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随分古びた質素な家がある。(家というより作業所?)

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本当にここかはわからないがおそらくこの栃本屋の跡地なのだろうか?

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大通りなのに人の気配が感じられない

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深沢橋を渡るときに右を向くと

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美しい川と緑の調和。秋に来てみたいものだ。

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深沢橋を渡り左に曲がると橋が見える。

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夏なのに接合部の隙間空きすぎではないか…?

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橋の上から下流を見るとこんな感じ。先ほど本山小学校に向かうのに渡った橋も見える。

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橋を渡りきると足尾銅山の社宅がある。

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現在残っている社宅は6棟。住民が減少するにつれて解体されているらしく嘗てはもっとあった。そこのところは先人達の足尾訪問のブログを参照してほしい。

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増改築の証か修復の証かトタンを張り合わせている。錆具合がなかなか良い味を醸し出す。

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本当に生活しているようだ。生活感が半端ではない。物干し竿をかける棒…こんなものはジブリでしか見たことない。

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梟を模したお手玉と共にコロナ退散の願い。早く病魔が去るといいなぁ。

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社宅は一段下がっているところにありそこまでは階段がある。ぼっこぼこの上に内側には手摺がない。住むときは帰宅時に気をつけなければならない。

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社宅群の中心にはなにやら跡地が…

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直角三角形のブロック。これはなんなのか。

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鉄のワイヤーの様なものがついていた跡がある。

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川側を見るとガードレールがある。そうここには橋があったのだ。吊り橋である。どうやら崩壊ないし撤去されたようだ。

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一応まだ自治会はあるようだ。

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社宅の横道を歩いていくと何やら階段がある。劣化している可能性があるので警戒しながら登ってみる。

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そう。足尾線があるのだ。一枚目は足尾本山方面。二枚目にはトンネルが見える(間藤方面)。先人達は線路を歩いて足尾本山の方に向かったようだがなんだかやばそうである。

さて線路には入らないで橋まで戻る。

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南橋集会場を発見。あまり使われている雰囲気がない。

先人達はこれより先に行っている者もいたが封鎖されていたため腕木式信号機の撮影は諦めた。

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さてメインの道路に戻って足尾本山の方に向かう。
嘗てはこんなに家があったのか…

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古河橋を発見した。

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大方はこの説明看板の通りである。歩道橋として残されている。とあるが現在は老朽化のために渡橋することはできない。

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ついに足尾本山に到達した。足尾本山の対面には

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足尾銅山労働組合があった。今もこの労組は機能しているのか?

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労組の建物の反対側を見ると大きな廃倉庫のようなものが見える。これが足尾線の真の終点足尾本山駅だ。足尾本山駅は現在の終点間藤駅から営業キロ数で1.9km先にある。本駅は本山精錬所に作られた古河機械金属の私有地にある貨物専用駅だ。

歴史を簡単に説明しよう。足尾本山駅は足尾貨物支線が1914年に開業したと同時に開業した。前述した通りこの駅は本山精錬所の敷地内にある。

この本山精錬所は足尾銅山から産出される銅鉱石を精錬し半製品である粗銅を製造していた。この精錬の際に発生する亜硫酸ガスは大気汚染の原因となっていた。しかし亜硫酸ガスから硫酸を抽出し排ガスを無毒化する技術を確立すると硫酸の製造も粗銅と共に盛んとなった。

足尾本山駅は1973年に足尾銅山が閉山した後も原材料を海外から輸入して本山精錬所が稼働していた為、廃止にならなかった。

しかしそれも長くは続かず、国鉄民営化の年、1987年に足尾線の貨物輸送が廃止された。それと共に足尾本山駅は休止駅となったのだ。

1989年にJR東日本足尾線は廃止され、第三セクターのわたらせ渓谷鐵道として再出発することとなった。

その際に足尾本山駅は廃駅となり75年の歴史に幕を下ろした。

尚、間藤〜足尾本山間 1.9kmは1998年の路線免許失効を以て正式に廃線となった。バブル期には何度か観光路線として復活させようと言う構想もあったが足尾本山駅が古河機械金属の私有地内にあることもあって頓挫した。

足尾本山駅から出荷される粗銅は足尾本山駅からトキ25000型という貨車で出荷された。一方の硫酸だが足尾本山駅〜足尾駅間にあるパイプラインを通して足尾駅の硫酸タンクに送り込む。その後に足尾駅に常駐する古河機械金属の私有貨車であるタキ29300型に積載し出荷していた。

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トキ25000(東邦亜鉛私有貨車)

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タキ29300(古河機械金属私有貨車)

足尾本山駅といえば線路が工場の門に続きその奥に工場の諸設備があるメジャーなアングルの写真がある。これを撮りたくて我々は訪問したのだが衝撃の事実を知ることとなる。訪問時には立入禁止となっており撮影不可能となっていたのだ。撮影したかっただけあり非常に残念だ。

どうも、わ鉄主催の廃線歩きツアーでは行けるようだ。機会があれば参加したいものだ。

さて事前調査が甘く足尾本山を堪能しきれていない感じがある。しかしそろそろこの場を経つ。ここからは過酷な旅(笑)となる。これから本番の足尾銅山に向かう。

しかし向かう時にある事実に気づいたのである。それは今から足尾銅山の最寄り駅の通洞駅に向かうと歩きでも列車でも着く時間が同じである。というものだ。少しでも節約したい我々は探索も兼ねて足尾本山〜通洞間を歩くことにしたのだ。

通洞までの道のりはまた次回にしたいと思う。


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