いつもいた猫が消えた

同じ通りの、いくつかの気に入りの場所でのんびりしていた子
お世話する人たちがいて、姿がみえない日もエサや水入れが置いてあったからどこかにいると安心してた。

もう一週間以上見かけない
水入れも、エサも置かれなくなってしまった
毎日、行きかえりにゆっくりあたりを見渡してもいない
寒くなったから、どこか暖かいところに入っているのかも
もしかしたら、今までよりもいい場所へ移ったのかも

会えない日が続くごとに、その道を通るのがつらくて、今日は耐えきれず、泣きながら歩いた
夜で、雨が降っていたから、すれ違う人にも気づかれないし

私が世話してたわけじゃないんだから、泣く資格はないんだ
ただ、もう会えないのかもしれないと思うと、悲しくて
家の猫を抱いて、ジャックがいないんだよと訴えた

あの子はこの街のひとたちに、ジャックと呼ばれていたから