早朝の空気はなんか新鮮な気がする(裏カ)

 間違い電話がよく来ます。あれ、マジで間違えてるのか間違いを装ったよくない電話なのか分からないですね。なんなんだろう。

「青山学院の~~様(僕の実名ではない)のお電話番号でよろしいでしょうか?」
「そんなに学歴高くないんですが高いことにしてもいいですか?」
「え?」
みたいな会話をこの前しました。間違い電話で遊ぶな。

 なんなら最近間違いピザもきました。電話注文で聞き取りにくかったのかな、近所と間違えてきたみたいです。間違いピザが来たせいで脳がピザに支配されて夕飯はピザになりました。チーズとトマトソースの芳醇な香りが鼻腔を抜けたときにふと昔話を思い出したのでメモ程度に書いておきます。

 学生時代、毎朝5時起きで2時間半かけて学校に通っていたのですが、そんな朝、たまに間違い電話がかかってきていました。

「……起きたかい? 気をつけて行っておいで」
と一言二言、おばあさんの声が通話先から聞こえてくるのです。

 もちろん実際ウチの婆様でも母方の婆様でもなかったので、知らないおばあさんのモーニングコール。週に多い時は2回、3回とありました。

 最初はぼくが寝ぼけて夢でも見てるのではないか? とも思っていましたが、スマートフォンに着信履歴もバッチリ残ってるためその線はなし。
 怪異的な類かと思い怖くも思いましたが、こう毎朝アットホームなモーニングコールをされれば恐怖より興味が湧いてくるのでした。

 市外局番で調べてみると北海道函館の方らしい。
何度も通話に出ていると、なんだか設定が見えてくる。

どうやらおばあさんはおばあさんの息子の携帯に電話をかけているようで、かけ違いで関東に住む学生のぼくに届いているようだ。

 息子さんは40~50代くらいのようで、家族のために朝早く仕事に行く、そして不規則な休みで生活している様子。今思い返せば息子さんは消防士さんとかだったのかもしれないな。

 息子さんはおばあさんとは離れて暮らしているのだろうか? でもそれならわざわざおばあさんにモーニングコールをしてもらっているのか?
同じ家では電話をかけずとも良いだろう….と思っていたが、知り合いの老夫婦が足を悪くしてから2階に登らず一階だけで生活しているという話を聞いて、同居でも2階の息子を起こすために電話をかける、というシチュエーションはあり得る気がしていた。でも、どうやら妻や子供もいらっしゃるようなのでなおさらおばあさんのモーニングコールは謎である。日々言葉尻や言い回しからその設定を推察しながらの登校は、意外にも楽しいものだった。

 ….が、ある程度続いた不規則おばあさんモーニングコールも2年ほど経つと鳴らなくなった。

 2年もたまに起こしてもらっていたのだから多少は愛着があった。

息子さんの携帯電話が変わった=電話番号が変わった? それとも仕事や勤務時間が変わって書けることがなくなった? それともおばあさんが…..、まぁ、ぼくにそれらを知る由はもうない。ぼくもスマホももう変えちゃったしね。

 別にオチも何もない、ただの思い出、ただの追想。人によっては気持ち悪がるようなことをちょっと楽しんでいたオタクのメモ。そんな感じです。



 ……….ところで、ぼくにモーニングコールがつながった日は、息子さんは遅刻していたのだろうか?


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