青春がまぶしい(裏カ)

ガンプラアニメを見ている話。

 最近ガンプラアニメを見ている。ガンダムビルドファイターズから続く、所謂「ビルドシリーズ」というヤツ。ガンプラビルダーズは含むのか含まないのかちょっと分からないので置いておく。ビギニング30かっこいいけどね。
 現行は4作品あり、それぞれ24,5話ほどで合間に短編映像作品が挟まったりする。
公開順では
『ガンダムビルドファイターズ』
『ガンダムビルドファイターズ トライ』
『ガンダムビルドファイターズトライ アイランドウォーズ』(短編映像作品)
『ガンダムビルドファイターズ GMの逆襲』(短編映像作品)
『ガンダムビルドダイバーズ』
『ガンダムビルドダイバーズ リライズ』
といった具合だ。

 このビルドシリーズも大きく「ファイターズ」と「ダイバーズ」でシリーズ分けできる。
具体的にはそれぞれ世界観が違う、と言っていいだろう。
 どちらの作品も自分の作ったガンプラを動かして戦うSFロボットアクションで
「ファイターズ」は特殊な技術でガンプラを実際に動かして戦わせる、
「ダイバーズ」はガンプラを読み込んでMMORPGのようなインターネットゲーム内で戦わせるといった違いがある。
それぞれこれまでのガンダムシリーズをみていなくても楽しめる青春ホビーアニメとして仕上がっている。初めてのガンダム作品にどうぞ。

 ビルドシリーズは「ガンプラに精通している主人公」と「ガンプラを知らない主人公」のタッグで描かれることが多い。
 前者はガンプラもガンダムもまぁまぁ齧ってるオタク向けの視点でアニメを見ることができ、
後者はガンプラを知らないガンダム作品の初心者さん向けという見方もできる。
特に後者は「ガンプラが動いて戦う」という突拍子のない世界観に飛び込んだばかりのキャラクターであることが多いため、視聴者と同じ境遇だ。彼への説明がてら視聴者にもその仕組みやバトルの醍醐味などを紹介するのに必要なパーソンでもある。

 ガンプラアニメ最初の作品である『ガンダムビルドファイターズ』は特にこの要素が強い。
ガンダムとガンプラが大好きで、ガンプラの制作技術も卓越してる主人公「セイ」と
ガンダムもガンプラも知らないが、ガンプラバトルのセンスはピカイチの「レイジ」。
二人の主人公が出会うところから物語が始まる。
 二人の主人公の目線で進むため上述の説明や演出を織り込みやすく、ガンプラを中心とした青春ホビーアニメとしての友情、努力といったシチュエーションを巧みに描いている。
 世界観としては
・ガンプラを実際に動かす特殊な技術でガンプラ同士を戦わせる。
・ガンプラの強さは完成度による。
・戦っている最中は実際にガンプラが傷つく。
・そのため戦うたびにガンプラを修理、補強する必要がある。
こういった要素の中で作品は描かれる。
 
  セイとレイジは共に高めあい、いがみあい、仲を深めていき、最終的には大会で大きな結果を残すことになる。
 二人の関係値を高めあう中で同様にガンプラもより強く、高性能に、そしてファイターのレイジのためにチューンされていく。
作中でレイジは「セイにとっての青春」の具現化のような表現されており、かけがえのない時間をともにしたかけがえのない存在として描かれている。
 ガンプラも知らなかった少年がガンプラバトル大好きになるまでの話でもあるので、レイジはセイにとってのガンプラの思い出そのものとも言えるのではないだろうか。もちろんそういった妖精さんではない。

 次に『ガンダムビルドファイターズトライ』だが、こちらは前作『ビルドファイターズ』と世界観を共通しており、セイ レイジ組が結果を残した数年後の世界線になっている。
直接彼らが登場することはないが、共通した登場人物などはいるので前作をみてからの方が楽しめるかもしれない。
 この作品ではガンプラバトルは3on3で描かれている。(主人公たち中高生の部は3on3ルールが国際基準だったのかな?ちょっとうろ覚え)
この作品は主人公の少年セカイがガンプラバトルと出会い、二人の仲間たちに支えられながら大会を勝ち抜き、最終的に自分のガンプラを作るまでを描いている。
 前作と比較して二人の友情の青春ホビーアニメから学生部活動モノの青春感にシフトチェンジしたので吃驚された方も多いんじゃないかな、と感じる。(当時は無印ビルドファイターズが非常に評価の高い作品だったため次作のトライが若干叩かれがちだったように感じる)
 前作はガンプラに対する知識が相反する二人の主人公の目線であったが、今回はガンプラに詳しくない主人公ただ一人。主人公の周りにはバトルもプラモデルも詳しいキャラが多いため問題こそないが、前作以上に強いメッセージ性は「ガンプラはガンダムを知らなくても始めてもいい」というところにあると思う。
 3on3である理由や要素を最後まで表現し切れたか、という問題はいろいろな目線があるので詳しく言及はしないが、最終2話そして短編作品アイランドウォーズではチーム三人で戦う意味、そして三人だから出来ること、というのをうまく表現し切ったと思っている。ブッピガン。

 次に『ガンダムビルドダイバーズ』うってかわって「ファイターズ」シリーズから世界観をおおきく変えたビルドシリーズの2シリーズ目。
 ガンプラを読み込みネットの世界でMMOのように戦い、チームを組み、ゲームの中でガンプラと触れ合う「ガンダムバトルネクサスオンライン」通称GBN。この世界に飛び込む少年リクと、ゲーム内で出会った少女サラを中心に据えた作品。
 この作品はガンプラを読み込むだけなので、前作までの「ファイターズ」のようにガンプラ自身が傷つき、修理するといったシークエンスを必要としない。もちろん機体の強さなどは完成度による、といった要素は残っている。
 当然だが「ファイターズ」に比べてガンプラと向き合う時間が減るため、メタな視点で言えば「ガンプラじゃなくても良くね?」という意見も出るだろう。デジタルゲームだしね。
 しかしこの作品はそれに対して明確なアンサーを用意しており、「デジタルMMOゲームである理由」「ガンプラを実際に動かして戦わない理由」「ガンプラである理由」、25話のアニメの中でこれらを従前に描きつつ最高の青春ホビーアニメを紡ぎ出している。こちらも初めてのガンダム作品として強くおすすめ。

 最後に『ガンダムビルドダイバーズリライズ』なのだが、これはいま改めてみている最中なのでみ終わったらまとめようと思う。
 どの作品も初見でも面白く、見返すと仕込まれたガンダムネタに気づいてオタク特有のニチャアができたりするので大変おすすめ。
 どの作品も観終わるたびに「俺はガンプラ、ガンダムが好きだったのか青春ホビーアニメが好きだったのか分からない」といった感情に苛まれ最高になるのでみなさんも青春が足りなくなった時はガンプラアニメをみよう!

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