ブレイクアウトの仕組み 〜一気に走る〜
こんにちは。
これまで、トレードの大事さやどういう風に考えるべきなのか、どこを狙っていくべきかといった、重要なことをお伝えしてきました。
今回は具体的なトレード戦略やトレード手法の解説に入っていきたいと思います。
今日解説する戦略はブレイクアウトストラテジーです。ブレイクアウト戦略もしくはブレイクアウト手法と言われているもので、今日はそのブレイクアウト戦略についてお伝えします。
別の記事でファンダメンタルにおけるサプライズについても説明しますが、サプライズと相性がいい手法になっています。私が他にもお伝えしている記事と合わせて、一番多用するべき戦略が今回のブレイクアウト戦略になってくるかと思います。
ブレイクアウト戦略の仕組みメカニズム
まず、他の記事(会社員〜トレードvol.3)でお伝えしたブレイクアウト手法の特長として、
1.とにかくシンプルであること
2.ドローダウンを抑えると同時に大きな値幅を取っていくことが可能
3.注視するポイントを絞り、ブレイクアウトのタイミングに集中できるので、精神的にゆとりを持つことが可能
4.取引チャンスが見えてくるまで焦らずに待つことの利点を最大限に引き出す
5.勝率に惑わされない
6.正しい負け方が見えてくるようになる
7.必然的に正しい勝ち方に導くことが可能
があります。これらに関して細かく説明していきます。
ブレイクアウト戦略の仕組み・メカニズム
日本語に直訳すると「突き抜け戦略」みたいな感じです。
これは、SRライン(支持抵抗線・サポートレジスタンスライン)を突き抜けた時に狙うのが今回の戦略になってきます。
では、そもそもなんで支持抵抗ラインを突き抜けた時、ブレイクアウトした時にエントリーチャンスが出てくるんでしょうか?
ここですねここがかなり大事です。
このメカニズム・仕組みを理解することによって応用もできますし、失敗も減りますし何より自分がね自分で 成長していくことができてきます。
【ブレイクアウト戦略の肝】
「SR転換が明確に確認できた場合、そこから新たなトレンドが発生しやすいから」
これに尽きると思っています。
SR転換を明確に確認できた場合、そこから新たなトレンドが発生する確率が高いからです。それを取りに行くのがブレイクアウト戦略になります。
【SR転換とは】
そもそもSR転換とは?という話をしていきたいと思うんですけれども、SR転換というのはサポートレジスタンス転換ですから、それまでサポートだったラインがレジスタンスに変わる、もしくはそれまでレジスタンスだったラインがサポートラインに切り替わるこのことをSR転換と呼びます。
つまりそれまでレンジを形成していた上蓋の役割をしていたレジスタンスラインもしくは下支えの役割をしていたサポートライン、これをプライスがブレイクしていくことによってそれまで上蓋だったものが下支えに転換することですね。
【SR転換のメカニズム】
メカニズムとして損切り・利確の存在、もしくは新規のエントリーの存在があります。
さて、利益確定にはどういった機能があるでしょうか?
これは トレードをしてる人にとってではなく、利益確定の注文が集中しているプライスに実際のレートが近づいてきた時のことです。利益確定の注文が集中しているプライス、ここにレートが近づいた場合もしくは接触した場合 プライスはどういった動き方をしやすいでしょうか?
利益確定というのはトレンド順張りに対する反対売買のことですから、利益確定の注文というのはそこに接近してくる動きを跳ね返す機能があります。
これが利確の作用です。
では、この利益確定の注文というのは一体どのようなところに集中しやすいでしょうか?
先ほどのレジスタンスサポートラインというのが明確に存在していること(レンジ相場)が確認できる状態を考えていただきたいんですけれども、
何かしらのレンジ相場が確認できた場合、そのサポートラインレジスタンスラインを基準としてどのあたりに利確注文というものは集まりやすいでしょうか?
これは、「意識されている水平線(SRライン)の直上もしくは少し手前に置かれることが多い」です。
ここの理由がとても大切です。
SRラインに対して、レンジの内側に利益確定が置かれることが多いです。
注文の利益確定の注文というのは、その辺のプライスまでレートが進行した場合、そこでトレードを終えようとするのが利益確定の王道ですね。
ということは、「トレンドがこの辺で終わりそうだな」というところに利益確定の注文を置くことになります。
では、自分の場合、トレンドが終わりそうなところに利益確定の注文を置くときに、具体的にSRのどの辺に置きたいでしょうか。
このときの感情というか精神的な傾向が重要です。
確実に利益を確定させに行くため、実際に接触するかどうかわからないSR ラインよりも若干手前、つまり確実にレートが到達するところに利益確定の注文が置かれやすいです。これは実際トレードをしている方でも感覚としてわかりやすいのではないかと思います。
自分の期待を込めて、すごい遠いところに利益確定の注文を置いたところで、自分の期待通りにレートが進むと考えるのは間違いです。相場の都合でプライスが到達するかどうかということになってくるので、到達しやすいところに確定の注文を置くのが合理的となります。
つまり、レンジ相場においてSRラインのレンジ側の若干内側に利益確定の注文は集まりやすい性質があります。
ただし、あくまでも性質です。
これは場合によって、どのくらいの手前かもしくはどのくらいラインに近いか、ラインの直上かもしくはラインよりちょっと外側になってしまうか、これは時々と場合によるので一概に正解はありません。
ただ、性質として、利益確定を確実にするためにSRラインのレンジのちょっと手前に利益確定が置かれることが多いです。
そして、この利益確定の注文というのが多く存在しているプライスにレートが近づくと、そこで注文が発動し、それまでのトレンドと逆側に跳ね返していく作用を利益確定の注文が持っています。
つまり、基本的にそのSRラインが機能する理由というのは、利益確定注文がそこに集まりやすいから」となります。
これは一番最初に具体的なトレード戦略の話をしているカウンタートレンドトレード(別記事参照:会社員〜トレードvol.2)のメカニズムがまさにこれになります。
【損切り注文】
次は利益確定ではなく、損切りの注文についてです。
損切り注文は一体どのようなところに集まりやすいでしょうか?
損切りの場合は、SRのレンジの外側に置かれやすい性質があります。
なぜ、少し外側なのでしょうか。
損切り設定をしている人は、どちらの方向にポジションを持っているのかを考えてみましょう。
具体例として、レンジ相場の上側にあり上蓋の役割をしている(レートが上に行くのを抑え込もうとする機能がある)レジスタンスラインの近くで、レジスタンスラインの近くに損切り注文をすでに置いている人はどのようなポジションをとっているでしょうか。
レジスタンスラインの付近には、レンジボックス内でポジションを取った人の売りのポジションを取った人の損切りが集まりやすい傾向があります。
レンジ内でポジションを持っている人がレジスタンスライン付近に損切りを置くということは、レンジ内にレートがある状態ですので、そのポジションにとって損切りがサポートレジスタンス上の方にあるということは利確ラインはどこでしょうか。
利確位置はもちろんレジスタンスラインの下になります。
それでは逆を考えてみましょう。
サポートラインの近くに損切り注文をすでに入れている場合、このレンジ相場とかレンジが確認できる状況で現在のレートに対してサポートライン付近に損切りするのを入れてる人はどういうポジションを持っているでしょうか。
もちろんロングポジションを持っている状態です。なぜかというとレンジ内にレートがある状態でポジションを持っていて、損切りが下にあるってことは、この人はロングポジションを持っている状態になります。
このメカニズムから、レンジ内での取引を狙っている方の損切りは必然的にレートがレンジ外に飛び出た時に損切りをすることになりやすいです。
レンジ内取引をしている方の損切りというのはもちろんレンジ外ですね 。
自分の想定外の プライスにレートが到達したときに 損切りをすることになってくるのでなので、レンジの取引をしている方というのはプライスがレンジを飛び出た時に損切りをしやすいということになります。
なのでレンジ外に飛び出た時、つまり明確にSRラインを突き抜けたところ に損切りを集めやすいです。そのため、SRラインのレンジの若干外側には損切り注文が集中しやすいということになります。それでは、この損切り注文にどういった性質があるかこれを考えてみましょう。
ところで、利益確定の注文というのはレンジ内にレートを跳ね返すような力があることが多いという話をしましたが、反対に損切りはどうでしょうか?ヒント:損切り注文は必ず逆指値注文
簡単に表現すると、逆指値注文というのは発動した瞬間に成り行きになります。では、逆指値注文にレートが到達した瞬間、プライスはどういう動きをするでしょうか。
逆指値注文、つまり自分に不利な方の決済注文が出ているということは、その損切り注文というのは自分にとって不利な注文なわけですから、レンジ内でショートポジションをとっていた人がいた場合、レートが上昇しSRラインを突き抜け、レンジ内取引をしている人にとって想定例外だから突き抜けたと思ったところに逆指値の損切り注文を入れるところです。
しかし、この逆指値も入れてる方というのはショートポジションなので、その反対売買はロングになります。では、レートが損切りラインに到達したら発動する成り行き注文に変わります。
ロングの成り行きが約定するので、プライスは加速してブレイクアウトの方向に行きやすいと言えます。
つまり意識されている水平線・サポートラインレジスタンスライン・支持抵抗線と言われるもの、この付近に集まっている損切り注文と利益確定注文。これらにレートが当たった時にどういうプライスの動き方になりやすいかという話でした。
【レートが加速するワケ】
これらを理解した上で、実際レートが突き抜けてしまった時、何が起こるかということとなんでそれが起こるかっていう話をしていきたいと思います。
基本的にブレイクアウトが起こった後、レートは1度SRラインに近づいてくる性質があります。
それはブレイクアウトをする時に、その勢いに乗って新規エントリーして いる方がいるはずなんです。もしくはそのブレイクアウトをする前からポジションを持ってい た人が、そのブレイクアウト手前で利益確定せずにブレイクアウトした後に利益確定 するパターンもありえます。
つまり、その損切りを巻き込んで加速したプライスというのが利幅が持っているうちに利益確定しようと思う人が出てくるわけです。そして、損切りによって加速したプライスで利益が膨らんでいる状態で利確しようとするとプライスが折り返してSRラインに近づきやすいということが起こります。
では、ブレイクした後そのSRライン付近というのには一体またどういう注文が集まってるでしょうか?
ブレイクアウトをした瞬間・直後において、レートが通り過ぎたということは、そこにあった注文はすべて約定されるので注文は存在しません。
その後、ブレイクアウトした後に新規で注文がそこに入ればそこには注文が発生してきます。
それまで強く意識されていたSRラインの場合、ブレイクアウトすることによって、そこに集まった注文は1回全て解消されます。
そして、意識されていたラインがSR転換を起こすということを信じている方が多ければ多いほど、新規の注文がたくさん入ってきます。ブレイクアウトをしたことに対して今度は新規に発生するトレンドを取りに行こうと思っている方が多ければ、SRラインの近くには有利なポジション、有利な位置でポジションを取ろうと思う方の新規エントリーの注文が集まっていることが多くなります。
これが、ブレイクアウトの後一旦引き付けてからエントリーするという意味になります。
【「明確に」が一番大事】
今回、最初に明確にSRラインをブレイクアウトした後に入ることをお伝えしました。明確にという言葉がつくのは、自分しか認識できないような曖昧なブレイクアウトの場合、その勢いに乗ってくる人も少ないのでプライスは伸びていきません。自分自身がどう思うかなんかどうでもいいです。
みんながどう思うか次第です。相場参加者がどういうポジションを取るか、それを読むのがトレードというゲームです。皆さんがポジションを取りやすい撮りたくなるような波形を描いているときこそ、ブレイクアウト戦略が成り立ちやすい。なおかつファンダメンタルズがそれの裏打ちになっているのであれば、トレンドはより出やすい。なので、その根っこになりやすいSR 転換からポジションをとっていけばいいんじゃないかというのがブレイクアウト戦略の肝です。
【ブレイクアウト戦略のメリット】
ブレイクアウト戦略は、低リスクで大きな利益を狙うことができる、これが大きなメリットです。
他にもメリットはたくさんあるんですけど、本質的なブレイクアウト戦略の優位性ですね。メリットっていうのは、低リスクであって大きな利益を狙えることができることができるこの2つを合わせて、リスクリワードが良い表現できます。
【なぜ低リスク?】
エントリー根拠がそのSR転換でした。で、そのSRに引き付けてエントリーすることは、その根拠となるSRラインを割り込んだら、エントリー根拠が崩れてしまうので、損切りは必然的にそのSRラインの近くになります。
つまり、エントリーポイントと損切りの位置が近い状態です。損切りまでの幅が小さいから、結果的に低リスクでエントリーすることができます。
というのが、このブレイクアウト戦略のミソとなります。
それでは反対に大きな利益を狙えるというのはなぜでしょう。
これは先ほどの話の裏返しで、損切りまでが近いということは、要するにトレンドのほぼ根っこから入ることができやすい状態です。トレンドが伸びれば伸びるほど利益も伸びるということです。
【まとめ】
今回、メカニズムについてゆっくり説明してきました。
これらをしっかり理解し、十分にSRラインに引き付けてエントリーすることでブレイクアウト戦略のメリットを最大限引き出して戦うことができます。
メカニズムに関して理解できない部分があるときは実際の相場をイメージしてみるとわかりやすいと思います。そして、実弾を打ちながらブレイクの瞬間のプライスアクションを見ていると特徴のある動きが掴めてくると思います。ダマシに捕まることもあるので、プライスアクションについてもしっかり頭に入れていくと勝率が上がっていくことでしょう。
以上
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