老病死様へ敬愛を込めて

老病死へ。

白い雪もいつかは汚れるのかと、
逃げた末の教会で
冷たい肌を温めあい、誓った。
すごく怖くて、すごく切なくて、もう
愛しくて、壊れそうな心を魂の記憶が越えては
無に還った0の場所へと。

老病死に愛を込めながら生きる遺書を今。
愛する人の後でどうか女に生まれたなら
死なせてください。
貴方を寒さの中で温められる手の温もりを
老いていく皺と皺のおうとつでもっと善く包めるように、時間が過ぎるのなら。
そうして貴方の病気を最期まで看取ることが私の役割としたなら、
貴方は私を最後の恋人だと
遺書ではなくラブレターで、
甘い青春を永遠にくれるのですから。
だから貴方の後に死ねる女として産まれた私は
老いと病と死に貴方の隣でなく
貴方の中に入れさせて頂ける報いとして
承り、
愛を誓い、捧げましょう。

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