成人式の日の夜に-2

ゆきの言う次の段階とは、なんなのかと気になって仕方なかった。正直、今の段階でも十分これ以上ないような感じではあるし、これ以上っていったらどうなってしまうのだろう。

弱点探し

「しほの弱点はどこなのかしら?」ゆきが尋ねてきた。私の弱点・・・?そんなの教えるわけもないし、そもそも自分でもよく分かっていない。

「弱点教えてくれないなら、こっちで探してみようかな」

その一言の後、頭からゆきがくすぐりをはじめた。時折くすぐったくて思わず声が出てしまう。その度に何やらメモを取っているようだった。

「こことここね・・・あとでみんなにも教えるからよく覚えておいてね」

ゆきが足の裏を触れたとたん、思わず大きくのけぞってしまった。「へぇ・・・ここが弱いのね」ゆきがまたメモに書いている。

「しほの弱いところ全部わかっちゃった。隠そうとしてても体は正直だから隠せてないわよ」ゆきは周囲の人を集めてひそひそ話をしている。

5分程度話したところでこちらに戻ってきた。なんだか全員の顔がにやにやしているように思えた。「しほに決めさせてあげる。上か下どっちがいい?」

上か下・・・?どういうことだろう。と少し考えてから、上半身か下半身かってことだということに気づいた。

正直なところ、さっきゆきにくすぐられたときには下半身のほうがあんまり辛いところはなかった気がした。「下・・・からがいい」

私の弱点

「下から…ね」ゆきが指示をすると太ももの辺りからゆっくりとくすぐりだした。

あまり太ももは弱くはないと思っていたけども、時たま声が出てしまう。「しほ我慢しなくてもいいんだよ??くすぐったいなら思い切り笑えばいいのにw」ゆきが挑発してくる。

笑ってしまってはゆきの思う壺になってしまう。でも、複数人の指裁きに思わずびくっとしてしまう。びくっとする度にゆきがふーんと問いかけてくる。

手が太ももを撫でるたびにくすぐったい感覚が徐々に全身に広まっていく。そんなに弱くない所なので、徐々にくすぐったいメーターが上がっていくように感じた。

ゆきは他の場所を指示することもなく、4本の手がずっと太ももをくすぐっている。弱い感覚がずっと続いて、なんだか頭がふわふわしてくるような感覚を感じた。

「ふふははくすぐったいふふはははあは」無意識に声が出てしまった。するとゆきは「下」のようなジェスチャーをした。そうすると、太ももから徐々にくすぐる場所が変わってきた。

ふくらはぎを包むように1本の足に対して1人ずつでくすぐりだした。しほは頭の中では耐えようとしているが、無意識に声が出てしまう。

「いやきゃはははくしゅぐったいきゃんきゃはははやめはははあは」声になるようなならないような声で笑い続けてしまう。そんなしほを見ながらゆきはご満悦そうにニコニコしていた。

「そろそろ準備は出来たかな?」ふとゆきがそう呟くと、両足首を掴まれて、じわりじわりと手が近づいてくるのが見えた。

「くっ・・・やめきゃははは」そこだけはと、拒否しようとしたものの、そもそも手足を拘束されている状態で、拒否などできるわけもなかった。

「すーっっと・・・」そんなことを言いながら、足の裏をくすぐるのではなくて爪を立ててなぞっている。

時々やってくる強烈なくすぐったさに足を力いっぱい動かそうとしてみるが、疲れるだけで全くの無意味な行為にしかならなかった。

「そろそろ本番だよ」そういうと、足の裏の指が巧みにくすぐりだした。「いやあああくすぐったいやだきゃはははだめやめははははきゃあははは」足の裏からやってくる強烈なくすぐったさに思わず大きな声が出てしまう。

ふとももから足の裏まで、一斉に6本の手でくすぐられている。足をくねらそうとしてもガッチリ拘束されているのでくねらせることもできない。

「いやーーーー!きゃはははくすぐったいやめははあははくすぐったきゃははは離してとめきゃはは」しほはひたすら笑うことしかできなかった。

「あと10分ね」そういうとゆきはタイマーをセットした。あと10分もこれが続くなんてもうダメになりそうと思いつつも、何も抵抗もできなかった。

「ぎゃははあははあははははははくすぐったぎゃあははああはははきゃんあはは」部屋の中にはしほの笑い声だけが響いている。

「ピピピピッ」タイマーが鳴った。「あっ10分経ったみたいね。じゃあこれで下は終わり。」

そう。これで終わりじゃなかったのだとしほは思い出したのだった。

>>つづく

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