「鉄瓶の効用」

WEDNESDAY PRESS 033

1ヶ月前、岡山の吉田牧場の吉田全作さんが「銅の薬缶で沸かしたお湯でコーヒーを入れると、電気ポットで沸かした湯とは味が全く違う」というメッセージを発しておられた。なんとなく気になっていた。
そんなとき知り合いの女性が「鉄瓶を買ってお茶を淹れようと思っているのですが、オススメの鉄瓶あります?」と聞かれた。知人に聞いたり、調べたりして知り合いに3点の鉄瓶の資料を送りながら吉田さんの記述を思い出し、僕自身も南部鉄瓶を一つ購入した。

フォルムが美しい。
典型的な鉄瓶というより少しモダンなタイプを選んだ。
鉄瓶に水を張り、ガス台にかける。しゅんしゅんという音がする。
やはりポットで沸かす感覚とは異なる。沸いてゆく過程での音が違う。
そこで小さなコーヒー用の注ぎ口の細いポットに移し替える。

深煎りのコーヒーなので温度を80度ぐらいまで下げ、淹れる。
水が柔らかくなったように感じる。
深煎りの特徴である苦味はきちんと感じながらも、それがややまろやかになり、後からじんわり追いかけてくる甘みの粒がわずかに大きくなったように思う。これは実験が必要だと思っている。
よく訪れるコーヒー店で、同じ条件でいつものポットと鉄瓶で湯を沸かして味の変化を比べてみたい。これは近日中に実現させたいのだ。

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