「オーベルジュ」

WEDNESDAY PRESS 053

「わぁ、まるでイギリスの海岸沿いのオーベルジュみたいだね」
「この風景を見るだけで、ご馳走ですよ」
と能登半島七尾市にあるオーベルジュ「ヴィラ デラ パーチェ」の前に立ったところで、仲間が発した言葉だ。
海岸沿い、草が生え、風が吹き抜ける。この光景を見るだけでお腹も減ってくるし、ご馳走感が身体に広がり始めていた。

今年になって2回目の訪問。
初夏の「ヴィラ デラ パーチェ」も素晴らしかった。
その時は夕食で、窓から差し込む夕日が料理にあたり長い影が伸びる。
影さえ、新たな調味料のように感じた。そして影と光量が変化する。

今回はランチであった。
日差しはたっぷり。
キノコの端材を使ったスープに蕎麦がきが入る。
そんなスタートから
アオリイカと背脂の皿
マコモダケのロースト
天然キノコのタリアテッレ
イノシシと栗のラザーニャ
畑という名のサラダ
鰆と青茄子
自然豚と南爪 香茸
など刺激的な料理が並ぶ

前回も今回もオーベルジュとはいえ泊まることはなかった。
「ヴィラ デラ パーチェ」は4名定員の一室のみ。
いつかここに泊まりたいと思いながら能登半島を後にして東京に向かった。

東京では来年末、湯布院で開業する16室のリゾートホテルのシェフのお披露目であった。シェフはNYの素敵なレストランで修業を重ね、昨年来日、今は湯布院で畑を作りながら現地の生産者などのネットワークを広げている。
翌日、東京の素敵なシェフと、湯布院のシェフなどと、宿の食事について意見交換をした。その時東京のシェフが発した「宿というかホテルのお客さんとレストランのお客様は違います。これをよう考えないと・・」という言葉。
思えば、これはとても大切な要素である。
また考えることが増えた。

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