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ご参加ありがとうございました!読書感想文投稿コンテスト「#読書の秋2020」KADOKAWA文芸課題図書結果発表

読書感想文投稿コンテスト「#読書の秋2020」企画で、KADOKAWA文芸の作品を選んで、投稿してくださった皆様、本当にありがとうございました。

一作、一作、編集部の皆で丁寧に読ませていただき、悩みに悩んで入賞作品を決定しました。ここに発表させていただきます。(発表の順番は、対象書籍の五十音順です)

天果さん「読書の秋に滑り込みで『Another』を語る。」
(作品『Another』綾辻行人)

装丁、登場人物、お話の中身と、それぞれにネタバレを避けつつ、詳細な分析をしてくれていて『Another』への深い愛を感じました。そして、「ミステリ&ホラーの皮を被った青春物語」という評にも納得です。
これだけ魅力的なキャラクターが登場しているのに、綾辻さんご自身は、当初、キャラクターに重心を置いて執筆したつもりはなかった、というのが面白いですね。(シリーズを追うごとにキャラクターへの愛は深まっているそう)

ミモザさん「『この本を盗むものは』 written by 深緑野分」
(作品『この本を盗む者は』深緑野分)

この作品の持つ多面性を、ファンタジー要素とミステリー要素の両面から上手にアピールしてくださっている点に唸りました。そして、「『深冬が本当に大切なものを見つけるまで』を描いた作品」という指摘にもぐっときました。私もミモザさんと同じく、深冬が何を見つけたのか、どんな答えを出すのか、皆さんに知ってほしい気持ちでいっぱいです。

Annさん「【望み】を読んだ。あなたはどちらを望む?」
(作品『望み』雫井脩介)

家族視点で描かれる物語に対して、「これが一般人が事件に関わるってことなんだ」と、ご自身に引き付けながら、ストレートに書いてくれている点が共感できました。お子さんの「お母さんが死んじゃうのが1番困る。」という言葉に、ものすごいリアリティを感じました。

いたがきブログさん「『四畳半神話大系』と『FARCEに就て』」
(作品『四畳半神話大系』森見登美彦)

『四畳半神話大系』の魅力を、文学評論のスタイルで表現してくれている点に唸りました。坂口安吾のエッセイとの結びつけ方もGOOD。
「『FARCEについて』というエッセイの中に何箇所か、まるで『四畳半神話大系』の説明をしているかのような記述がある」との言葉通り、指摘箇所は本書の説明にぴったりです。

武 良さん「背中越しの「八十日間四畳半一周」
(作品『四畳半神話大系』森見登美彦)

「八十日間四畳半一周」というインパクトのあるフレーズからの導入が見事でした。また、四畳半の深淵に(ひねくれながら)触れつつも、後半はストレートで前向きな言葉で結ばれている点に『四畳半神話大系』の新しい魅力を感じました。「『四畳半神話大系』は出会いの話だ」というフレーズも好きです。

以上、5作品を入賞作品とさせていただきます。賞品(図書カードNEXT3000円分+角川文庫オリジナル一筆せん)をお送りするとともに、年明けから順次、カドブンのレビューコーナーにも転載させていただく予定です。お楽しみに~。

そして、ご参加くださった皆様、本当に本当に、ありがとうございました。どの作品も、読書愛、対象書籍への愛にあふれていて、辛口の指摘も含め、編集者としてとても励まされました。世の中の状況が許すなら、noteクリエイターの皆さんと集まって、みんなで本について語り合いたい、と思いました。

「#読書の秋2020」を企画してくださったnote運営事務局の皆さんにも心より御礼申し上げます。

カドブン編集部


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