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フルーツのスープ?

気がつくと、いつの間にか、ハラさんがひとつ前の投稿で『ミレニアム』という(おそらく)小説に登場するフルーツスープについて書いていました。どうやら、相変わらず殺人の話のようですが、私は読んでいないその『ミレニアム』の記事で、ああ、毒入りの記事で、、、、いや、単に"フルーツのスープ"で思い出したことがあります。

2015年8月、私は『migrating books』というプロジェクトのために、ノルウェーのオスロにいました。(本日公開の、S2 ep.11『あたたかい音』は、その滞在時に収録した音の話を、なぜだかベルギーチョコのおいしいケーキを食べながらしています。なぜだかの理由は、映像をご覧ください...。)『migrating books』プロジェクト自体は、オスロの町の小さな、けれどかなりぶっとんだ本屋で遂行されました。その一軒の本屋をめぐる経験は、旅費をAllotmentというプライベートなアワードでいただいたことから始まったのを皮切りに、プロセスのすべて全体まるごと、私的で、どこまでいっても触れ終わらない経験、まさに「暮れない北欧の夜の光」に包まれていました。それは、『migraring books』らしい独特なもの、正解というべき場所だったと思う。

 本屋でのプロジェクトと同時に、私はオスロの芸術大学のダンスの振り付けコースに招待もいただいていました。そして、いくつかの先方が用意してくれたプログラムのなかに、大学が所有するセミナーハウスに滞在してプレゼンをするというものがありました。都市からは少し離れた島にいった記憶があります。海があり、森があり、その森を歩いて行くと、メインのセミナーハウスと点在する小さなコテージがありました。ノルウェーの伝統的な建築様式だとかなんとか説明されたそれは、とてもかわいい。胸おどるかわいらしさです。

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S2 ep.11『あたたかい音』でも語られているように、若きダンサーたちは時を惜しむように海で泳いで、森を散策し、朝夕とおいしいご飯を作ってくれました。

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彼らが作ってくれた料理はどれもこれも夢のようだったけれど、夜、デザートとしてベリーのスープが登場したのです。昼間から、彼らがベリーを煮込んでいるのは知っていましたが、まさかスープになってたんまり供されるとは思いもしなかった!

私はワインアレルギーなので、普段はベリー系のものには一応慎重なのだけれど、このデザートスープはおいしくて、ついつい手を止めることができなかった.....。しかも、みんな強いお酒をガンガン呑む、私もついつい呑む。

そして数時間後、みんなが寝静まった深夜、私は同室の教授を起こさないようにコテージを抜け出していました。ひどいアレルギー症状に脂汗をかきながら....。薄明るい北欧の森を、裸足で(靴を履く余裕もなく苦しかった)歩きました。湿った土、苔、下草の匂い、新鮮な空気、吐き気というよりも横隔膜が痙攣しているに近い自分の身体、、、、その日の昼間、たまたま10年振りくらいにヨーロッパにいる知人から某アメリカの友人が今どこにいるか知っているか?というメールがあり、「私はいまノルウェーにいます。」と返信したら、彼が即座に「この流れがすべてノルウェーの森のようだね」と返してきた、あれの意味はなんだったんだ?これのことか?死か?確かにここはノルウェーの森だ、広島の親は見ることもないだろうこの土地で私は死んじゃうの?気持ち悪い、村上春樹か〜、どんな話だったっけ?必ず誰か死ぬんだよなぁ、、、、と思っていたあの夜が、わたしのフルーツスープの思い出です。

おいしかったのです。

でも、怖くて作れない。

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(カワムラからのハラさん投稿へのレスポンス投稿でした。)