体・心・技

スポーツでは心技体のバランスが大事と言われます。
自分は仕事では、体・心・技の順に大事、と考えています。

体 食べる・寝る
心 不安や悩みもコントロールできるよう、気持ちにゆとりを持つ
技 上の二つを満たして技を磨き、仕事に生かす

これは自分の経験からくるものです。
自分の場合は上のバランスが取れていませんでした。

今の会社を立ち上げるより前の話ですが、自分に不甲斐なさを感じ、死にものぐるいで仕事をしようと思い立ってからはあえてそういう状態に身を置きました。
深夜残業、泊り込み、休日出勤Welcome状態です。
出向先から毎日深夜2時や3時に帰社、ちょっと寝てまた朝10時までに出社を3ヶ月続け、その間休みがたったの1日、という時もありました。
一緒にいた同僚のエンジニアが、何かにぶつかったわけでもないのに急に鼻血を出し、公園で休んでくると歩いて行った光景が今でも忘れられない。
(しかも自分はやべぇな、大丈夫かなと思いつつも、早く戻って仕事をしてくれないと仕事がやばい、と思っていた。)

そんな状態でも自分は急成長している実感があり、やりがいも感じていました。部下と一緒に徹夜して仕事をやりきり、達成感を感じていたり。それにまわりを見れば、そんな人はざらにいて。例えば3ヶ月まともに寝てない(横にすらなっていないと言っていた)、というハイパーキャリアウーマンの話を聞いたり。
のほほんと仕事をしているよりも、そういう人達に刺激を受けながら、同じようなスピード感で仕事をしていることのほうが自分にとってはやりがい、満足感がありました。

しかしその時自分は麻痺していて不感症になっていたのだと思います。
後から考えれば部下の疲れ切った顔や、不満げな顔が思いされ、また心にゆとりのない自分も、しょっちゅう不機嫌を隠しもせず、顔に出していたなと思い出されるのです。だからやりがいや満足感はあったけど、良い状態だったかというと絶対にそんなことはありませんでした。また、前述のハイパーキャリアウーマンも体を壊してしまったと聞きますし、メンタルを壊してしまった人もいる。

今仕事をするうえで、まずは身心ともに健康であることが重要、と考えるのは、そういうことを体験してきたからです。
そのために今、うちの会社ではできるだけ早く帰ろう、というスタンスです。食べる、については基本個人個人のことで会社が干渉することではないのですが、もし一人暮らしで満足に食べれていないのだったら会社に炊飯器でも持ち込み、お米ぐらい用意しておこうか、と思っているぐらいです。
(こういうのは余計なお世話というか、こちらの自己満みたいになってしまうこともおおいに考えられるので、よくよく検討が必要ですが。)

一方、成長過程にある人が他より早く帰っていて大丈夫かな?という考えが綺麗さっぱり拭いきれないのも正直あります。それに仕事が早い人と遅い人がいる。デザインの仕事ではそれは顕著だと思います。加えてクライアントワークではどうしても仕事量と納期のコントロールが難しいところがあります。

そういうことがまだ整理されておらず、労働条件や仕事環境ににじみ出てしまっている発展途上な会社です。
どう改善していくかが経営者としての私の大きな課題です。
しかし、課題を解決することこそデザインの役割。
改善して良い会社にしていきたいと思っています。

今野

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