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8 キャニオン・デ・シェリー

ミタキオヤスン!
かちなです!

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私の書籍『ミタキオヤスン』を元に書いています。

前回からの続きで、今回はアリゾナ州のキャニオンデシェリーでのおはなしです。

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 ヒーリングスクールの海外ツアーでまず訪れたのは、キャニオン・デ・シェリーというナバホ族の居留区でした。ここは、アメリカ・アリゾナ州の北東部に位置します。

 「キャニオン・デ・シェリー」とはスペイン語が変化した言葉で「岩の渓谷」という意味だそうです。

 グランドキャニオンを小さくした様な赤茶けた百五十~三百メートルの垂直の断崖がどこまでも続いていて、その断崖の窪みには、洪水や他の部族、移住者から身を守るために生活していた住居跡が有り、ペトログリフと呼ばれる古代画が数多く残っていています。
 
 雪解けにより水かさが増した川の中をジープに乗り変え、さわやかな風や水しぶきを受けながら訪問するナバホ族のお宅まで豪快に走って行きました。

住居跡
ジープで川を走ります

 浅瀬には気持ち良さそうに乗馬を楽しむ人がいて、私も彼等の様に五感を満喫させてドライブを楽しんでいましたが、この地には「ロングウォーク」と今でも語り継がれる悲しい歴史がありました。
 移住者に土地を奪われ、多くのナバホ族の人達が真冬の最中、強制的に長い道のりを歩かされ、飢えや寒さや病気で亡くなっているのです。
 
 遺跡や岩絵をナバホ族のダニエルさんに説明してもらい、その後メディスンマン、メディスンウーマン達が儀式をする神聖な場所を見学しました。
 メディスンマン、メディスンウーマンは、ワカンタンカと呼ばれるインディアンにとっての神や万物のスピリットや魂とコミュニケーションができ、問題の根本原因を見つけて、病んでいるものの全体性を宇宙と調和させた本来有るべき姿に回復させる治療や儀式が行える特別な存在です。
 
 ダニエルさんが、古からインディアンに伝わる歌を歌った際、言霊が真っ白い大きな竜巻となって渓谷を垂直に駆け上がり、真っ青な空へと散って行くのを目撃したのは私だけでしょうか? 今思い出しても鳥肌が立ちます。

ダニエルさんに岩絵の説明をしてもらっています

 この夜、ナバホ族の伝統的なホーガンという家を訪れました。歌や楽器の演奏でもてなされ、お母さんの手作りの家庭料理トルティヤを一緒に食べ、星空の下で輪になって踊りました。ここの家のおばあちゃんが私の母方の祖母に似ているとツアーメンバーに話すと、「家のおばあちゃんにも似ている」と口々に言い出しました。
 インディアンの先祖は太古の昔、アジアからアラスカ経由でアメリカに渡った説もあると聞いていたので、やはり同じ血が流れているのだと親近感が沸きました。 
 この訪問で今までインディアンを誤解していた事に気付きました。インディアンの世界では、儀式をカメラやビデオなどの記録に留めるのは厳禁なので、歴史や文化、生活習慣等の情報を外部が得る機会がないので、事実の歴史に基づく情報を知らなかったのです。映画でのインディアンは大抵残酷で野蛮な設定なので、私にはその誤ったイメージがあったのです。
 お世話になったナバホ族の方は、先祖から文化やスピリチュアリティーを受け継いで、独自の流儀で自然と共存し、万物を尊重してスピリットと共に生きていました。消えていく文化もある中、彼らは頑なに伝統を守り、現代社会とバランスを取って生き残っていました。明らかに彼らは大地にしっかりと根付いていてセンタリングされた「太い芯」がありました。どうすればその様に根付いた太い芯ができるのか具体的に知りたかったのですが、限られた訪問の時間内では見付けられませんでした。 
 この訪問で特に印象的だったのは、彼らがお年寄りをとても尊敬している事でした。日本では年長者を煙たがりますが、色々な体験を通して智慧や洞察を持っているお年寄りを大切にする彼等の生き方が私には心地よく、懐かしい安心する空間に帰って来た感じがしました。 短い滞在時間でしたが彼らの生活を垣間見て、くつろいで溶け込んでしまいました。

今日は、キャニオンデシェリーでの体験のお話でした。

読んでくださってありがとうございます!

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私もあなたを応援しています!
では、ミタキオヤスン!

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「ミタキオヤスン」とは、インディアンの言葉で、「私につながる万物に感謝する」という意味です。



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