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【企業分析】シャープ
6753 (東証プライム)
時価総額: 6,370億円
株価: 1,040円
売上高: 2.5兆円
営業利益: 847億円
(2021年)
事業内容: エレクトロニクス、電子部品
設立年: 1935年
本社: 日本🇯🇵 大阪府堺市堺区匠町1番地
代表者: 呉柏勲(代表取締役社長執行役員兼CEO)
沖津雅浩(代表取締役副社長執行役員)
従業員数: 50,500人
主要株主: フォックスコングループ (65.93%)
(* 鴻海精密工業 26.25%
* フォックス (FAR EAST) 18.33%
* フォックスコン・テクノロジー 12.94%
* SIO インターナショナル・ホールディングス 8.41%))
概要
大阪府堺市に本社を置く日本の電機メーカー。台湾の鴻海精密工業(フォックスコングループ)の子会社。
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プロダクト・ビジネスモデル
電気通信機器・電気機器及び電子応用機器全般並びに電子部品の製造・販売を主な事業内容としております。
主要製品・サービス
スマートライフ
冷蔵庫、過熱水蒸気オーブン、電子レンジ、小型調理機器、エアコン、洗濯機、掃除機、空気清浄機、扇風機、除湿機、加湿器、電気暖房機器、プラズマクラスターイオン発生機、理美容機器、電子辞書、電卓、電話機、ネットワーク制御ユニット、太陽電池、蓄電池等
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8Kエコシステム
テレビ、ブルーレイディスクレコーダー、オーディオ、デジタル複合機、インフォメーションディスプレイ、業務プロジェクター、POSシステム機器、FA機器、各種オプション・消耗品、オフィス関連ソリューション・サービス、各種ソフトウェア、マスク等
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ICT
携帯電話機、パソコン、タブレット端末、ルーター等
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ディスプレイデバイス
ディスプレイモジュール、車載カメラ等
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エレクトロニックデバイス
カメラモジュール、センサモジュール、近接センサ、埃センサ、ウエハファウンドリ、CMOS・CCDセンサ、半導体レーザー等
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市場動向
家電業界の現状と動向(2021年版)
グラフは家電業界の業界規模(対象企業の21計)の推移をグラフで表したものです。
家電業界の規模の推移を見ることでその市場の大まかな現状や動向を把握することができます。
2020年-2021年の家電業界の業界規模(主要対象企業21社の売上高の合計)は7兆7,847億円となっています。
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2020年の家電業界は減少 白物は微増、テレビは大幅減
家電業界の過去の推移を見ますと、2018年まではほぼ横ばい、2018年から2020年は若干の減少を記録しています。
経済産業省の生産動態統計によると、2020年の白物家電(民生用電子機械器具)の販売額は、前年比+3.1%の1兆1,271億円、AV家電(民生用電子機械器具)の販売額は、前年比-36.6%の5,945億円でした。
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2020年の家電の販売額は白物家電は若干の増加、AV家電は大幅減となりました。グラフを見ますと、近年は白物家電は横ばい、AV家電は減少傾向にあることが分かります。
2020年は新型コロナウイルスの影響で、ネット通販が伸長しましたが、外出自粛等の影響により、店頭販売が苦戦しました。定額給付金の支給、シャープのプラズマクラスターや調理家電の伸長など一部でコロナ特需も見られます。種類別では、白物家電が微増となったものの、AV家電が大幅に減少。2020年全体としては減少を記録しています。
続いて、家電業界の売上高ランキングを見ていきましょう。以下は2019年の家電業界の売上高ランキングです。※は部門売上高となっています。
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ランキングを見ますと、パナソニック、ソニー、三菱電機、シャープの売上高が大きいことが分かります。東芝は白物家電事業を美的集団に売却したため、ランキングには入っておりません。
2020年はランキング10位中6社が横ばい、4社が5%以上の増加を記録しました。それ以外は横ばいとなっています。ランキングからも2020年はおおむね横ばいで推移していることが分かります
白物家電は洗濯機、冷蔵庫が好調 大容量・高級化のトレンドに
続いて、白物家電の動向を見ていきましょう。
経済産業省の生産動態統計によると、2020年の冷蔵庫の販売額は、前年比+4.7%の3,122億円、洗濯機は前年比-1.6%の1,762億円、炊飯器は-5.5%の809億円、掃除機は+25.0%の626億円でした。
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2020年は冷蔵庫と掃除機が増加を記録しています。また、近年の動向を見ますと、洗濯機が増加傾向にあることが分かります。
近年の白物家電は横ばい傾向にあり、成熟期を迎えています。白物家電は一定の買い替え需要が見込まれるため、安定した業界ですが、今後は人口の減少とともに市場規模が小さくなることが予想されます。
こうした中、最近では共働き世帯の増加に伴い、家事の負担を軽減してくれる「簡便・時短」家電が好評です。「まとめ洗い」や「まとめ買い」に対応した大型・高価格帯の洗濯機や冷蔵庫の売れ行きが好調です。今までの動向とは異なる動きが見られます。
2020年の薄型テレビ販売額は-46%、2年連続の大幅減
続いて、AV家電の動向を見ていきます。
経済産業省の生産動態統計によると、2020年の薄型テレビの販売額は、前年比-46.2%の661億円、ビデオカメラの販売額は、前年比-25.0%の132億円でした。
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近年、薄型テレビの販売が深刻な状況を迎えています。2019年は前年比-39.9%、2020年は-46.2%と2年連続で40%近い大幅な減少を記録しています。
テレビ販売の不振の理由として、2020年東京五輪の開催延期の影響が大きいと見られますが、原因はこれだけではないでしょう。消費者のテレビ離れの動きが鮮明に表れています。
業界としては、2020年の東京五輪を皮切りに、8Kテレビの普及を見込んでいましたが、見込みを大きく外しています。新型コロナによる相次ぐイベントの中止や、8K向けコンテンツの不足が目立っています。
また、YoutubeやAmazonプライム等のインターネット動画の普及により、消費者がテレビを見る機会が減っているのも事実です。視聴率も年々減少傾向にあり、「テレビの在り方そのものを問う」時代に来ているのかもしれません。
こうした動向の中、ソニーはAV家電において、高付加価値戦略を展開しています。映像や音を楽しみたいという消費者の根源的な欲求に注目し、最高画質の追及や「360 Reality Audio」の導入により、新しい音楽体験の付加価値を提供します。従来のテレビオーディオでは体験できなかった新しい価値創造を模索します。
家電業界の動向と現状 まとめ
・2020年の家電業界は減少
・白物家電は微増。共働き世帯の増加により、洗濯機や冷蔵庫などが好調
・薄型テレビは2年連続の大幅減
2020年の家電業界は減少を記録しています。共働き世帯の増加に伴い、洗濯機や冷蔵庫などの白物家電が堅調でしたが、薄型テレビの落ち込みが深刻になっています。今後も、白物家電は安定した推移が期待できますが、AV家電の動向には注意が必要です。海外市場もなかなか成果が出ていないため、厳しい環境は今後も続くと予想されます。
業績
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シャープが、2021年度(2022年3月期:2021年4月1日~2022年3月31日)通期決算と2022年度(2023年3月期)通期業績予想を発表しましたので、概況を整理します。
2021年度の売上収益は、テレワークの普及を背景にパソコン用などの中型液晶パネルの販売伸長に加え、大型テレビの売上が国内外で増加したことにより、全体では前年度比2.9%増の2兆4,955億円となりました。
営業利益は、ブランド事業が減益となりましたが、ディスプレイデバイスが大きく増益したデバイス事業の増益が貢献して、全体では前年度から16億円増の847億円となりました。
当期純利益は、前年度から207億円増の739億円となりました。
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セグメント別では、ブランド事業のスマートライフが減収減益、ICTが増収減益、8Kエコシステムが増収増益となり、デバイス事業のディスプレイデバイスが増収増益、エレクトロニックデバイスが減収減益となりました。
スマートライフ
売上収益は前年度比2.1%減の4,461億円、営業利益は前年度から106億円減の482億円
・売上収益は、欧米のビルトイン調理機やアジアでの洗濯機・冷蔵庫・エアコンの好調に加え国内EPCの売上が増加したものの、国内プラズマクラスターの減収、エネルギーソリューション事業での半導体不足が影響して減収。
・営業利益は、収益力向上に努めたものの、半導体・原材料の高騰に加え商品ミックスの変化により減益。
8Kエコシステム
売上収益は前年度比15.1%増の5,676億円、営業利益は前年度から94億円増の249億円
・売上収益は、欧州やアジア・日本でのテレビ伸長、米州や欧州・日本でMFP事業の売上増加に加え、シャープNECディスプレイソリューションズ株式会社の連携効果により増収。
・営業利益は、主に増販に加え、テレビの高付加価値化、MFP事業でのプリントボリューム回復により増益。
ICT
売上収益は前年度比5.7%減の3,240億円、営業利益は前年度から114億減の40億円
・売上収益は、米国やアジア・中国の法人向けPC事業が伸長したものの、通信及びPC事業での半導体不足の影響に加え中国でのロックダウンの影響により減収。
・営業利益は、減収の影響に加え、半導体の価格上昇の影響により減益。
ディスプレイデバイス
売上収益は前年度比5.8%増の8,596億円、営業利益は前年度から185億円増の203億円
・売上収益は、スマートフォン向け小型パネルの販売が減少したものの、車載向けやPC・タブレット向け中型パネルの伸長により増収。
・営業利益は、販売に占める中型パネル比率の上昇に加え、モデルミックス改善により増益。
エレクトロニックデバイス
売上収益は前年度比7.4%減の3,968億円、営業利益は前年度から57億円減の69億円
・売上収益は、第2と第3四半期にかけて新型コロナウィルスによる生産への影響により減収。
・営業利益は、主に減収の影響により減益。
経営者
1912年 - 早川徳次が東京で創業した。徳尾錠というベルトのバックルの発明が始まりである。
1915年 - 金属製繰出鉛筆(早川式繰出鉛筆)を発明。販売開始後、商品名をエバー・レディ・シャープ・ペンシルに変えた。アメリカで爆発的にヒット。現在の社名はこれに由来する。
1923年 - 関東大震災によりシャープペンシル工場を焼失。早川は家族もすべて失い、大阪へ移り再起を図った。明治時代、明治政府から藩債処分の影響で大打撃を与えられた大阪市であったが当時は経済的にも回復していた。
1925年 - 鉱石ラジオをシャープの名前で発売。戦前の主力商品となる。
戦後、総合家電では松下電器産業やソニーが台頭し、営業・販売力においてこの2社に圧倒的な差を付けられていた上、シャープ製のテレビ(ブラウン管はアメリカ等海外製)が突然発火して大火事になった事件などもあり、低迷の時代が続く。
1962年 - 日本の家電企業で初めて電子レンジを発売(当初は業務用)。1966年には世界初のターンテーブル方式の電子レンジを開発する。
2016年
4月2日 - 経営の失敗を受けて、台湾に本拠を置く鴻海精密工業が3分の2弱の株式を取得し、日本の大手電機メーカーとしては初の外資傘下の企業となる。
7月1日 - 長年本社を置き続けた大阪市阿倍野区から、工場がある堺市堺区へ本社を移転した。
シャープ社長に就任した戴は、信賞必罰の人事と事業のビジネスユニット単位での収益責任明確化(「分社化」と報じられたが、実際には後述の通りカンパニー制を廃止した)をおこなうと宣言した。
2015年10月より導入されたばかりの社内カンパニー制(5つのカンパニーを設置)を、買収直後の2016年に液晶ディスプレイのカンパニーを除いて廃止し、6事業部に再度組み直した。
最も重要とされた信賞必罰の人事制度では、ボーナスを社員の成果や営業成績ごとにかつての1.5倍差から1-8ヵ月に最大8倍差に分けることや新入社員でも優秀なら入社半年後から大幅な給与引上げなどを実施した。人事委員会の設置や等級・給与制度、管理職も能力主義で降格のように刷新し成果を上げた。
さらに、予算300万円以上の案件を社長決裁としたり、出張先も含めたテレビ会議の利用などの施策を導入し、東京証券取引所の2部降格から2017年12月7日に東証1部に1年4カ月の短期間復帰を果たした。
戴は、経営譲渡前の2015年に売却された旧本社および隣接する田辺ビルについて「シャープの歴史がある場所」と買い戻しに意欲を示し、田辺ビルは社長就任直後の2016年9月に139億円でエヌ・ティ・ティ都市開発から再取得した。
しかし、旧本社ビルの買い戻しは実現せず、2017年に建物が解体された。田辺ビルには2019年2月にショールームがあべのハルカスから移転入居し、2021年度に再開発を実施する予定とされた。一方ニトリが取得した旧本社跡地には、ニトリの新店が建設されることになっている。
2020年には、唯一残ったカンパニーであるディスプレイデバイスカンパニーを同年度中に分社化することを発表し、同年10月より「シャープディスプレイテクノロジー」として分社化された
シャープは、呉柏勲副会長兼CEO(44)が6月23日付で社長兼CEOに昇格する人事を発表した。野村勝明社長兼COO(65)は戴正呉会長(70)とともに退任する。呉副会長は4月1日付で戴会長からCEO職をすでに引き継いでいた。2016年に台湾の鴻海精密工業傘下に入ったシャープでは、再び鴻海出身の社長となる。
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(略歴)01年国立台湾科技大学大学院経営情報システム学卒業、同年鴻海精密工業入社。15年堺ディスプレイプロダクト取締役、19年シャープ常務、22年副会長兼CEO。
6年間、経営危機にあったシャープの業績立て直しを率いた戴正呉会長から、2021年末にCEO(最高経営責任者)交代の指令を受け「重責であるのは間違いない」と感じたという。
戴氏が後継者に求めていたのは厳しい経営環境への対応力やグローバル経験。これらを兼ね備え、白羽の矢が立った。
4月に経営戦略会見で公表した「ESG(環境・社会・企業統治)を軸とした経営やデジタルヘルスに注力する考え方は変わっていない」という。
自身は海外事業の拡大の旗振り役となり、新たに副社長に就任予定の沖津雅浩専務執行役員が主に国内事業を担当する。
財務状況
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株価推移
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