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ワンルームマンション投資の勧誘。洗脳された人間の末路【洗脳くん】

2021年3月16日は医師国家試験の合格発表でした。
第115回の医師国家試験に合格したみなさん。おめでとうございます。
青春の貴重な時間を犠牲にして、勉強を頑張り、熾烈な大学受験を勝ち抜いて、医学部に合格したかと思いきや、医学部での6年間は試験地獄に耐え、やっとの思いで医師免許を取得されたことと存じます。本当にお疲れ様でした。あなたのこの6年を誇りに思ってください。
皆さんは間違いなくこの日本の頭脳であり宝物です。これからは社会の中で貴重な「人材」として一生を通じてずっと世間から崇められることでしょう。

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さて、相互フォローのスタローン先生はこのようなTweetをされました。
スタローン先生は、周囲の医者が新築ワンルームマンション投資(業者)のカモにされていることに、日頃から警笛を鳴らしています。そして、無知であるがゆえにカモられる医師たちがひとりでも減るように日夜有用なTweetを発信されています。


「医者になると色んな人がよってたかって先生をカモりに来ます」


これは本当です。医者になるといろんなひとが先生に寄ってきます。看護師が寄ってきます。これはあなたがイケメンでいい男であるからではなく、あなたに社会的な地位があり、将来稼ぐであろう給料の価値に対して好意を頂いているだけです。
製薬会社は「弊社の薬を処方してください。」と自社の薬を売りたいがために処方する権利をもっている医者に営業をかけてきます。決して先生が偉いから頭を下げているのではありません。
スタローン先生の言われるように「ワンルームマンションに投資しませんか」「投信を買いませんか」の電話が病院にかかってきます。特に医師免許を取り立てホヤホヤの研修医を狙って業者は電話をかけてきます。そのような電話はすべて詐欺ですのでまともに取り合ってはいけません。
スタローン先生が注意喚起しているにもかかわらず、毎年初期研修医の何人かが業者の餌食となり、マンション投資の地獄へと引きずり込まれます。彼らは決して騙されたとは認めないので、被害が表面化してくることが少なく、世間に知られることがありません。被害を受けた研修医は、親に泣きついてケツを拭いていもらい、被害はなかったことになるのです。

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業者はなぜ研修医を狙うのか。

医学部6年間、真面目に過ごしてきて、いままで社会の厳しさを知らないまま20代中盤を迎えた研修医たちは、

・ 人の言うことをよく聞く
・ プライドが高い(自分だけは騙されるはずがないと思っている)
・ 人を疑ったことがない
・ 社会経験が少ない(世の中に人を騙す人いると思っていない)
・ カネを持っている(頭金を出せる)
・ 社会的地位と返済能力持っている(銀行がカネを融資してくれる)

という特徴があります。
業者から見ると、これらの要素は詐欺的な投資案件を「聞いてもらって」「カネが儲かるように錯覚させて」「商品を買わせる」にはうってつけのカモとなります。そこで医師になりたてのうぶな研修医が狙われます。当直をしていると、あなたのところにも勧誘の電話がかかってきます。本当です。

医師免許を持っていると、なぜか業者がマンションを買わせようとするし、マンションを買いたいと言えば、なぜか銀行がお金を貸してくれます。
業者や銀行の人たちは慈善事業をやっていて、医者の先生にカネを儲けてもらって、金持ちになってほしいからアンパンマンのように自らの顔を犠牲にして儲かる物件を教えてくれて、カネを貸してくれるのでしょうか?
だとしたら、銀行とは非常に崇高な理念のもとに仕事をしていることになります。儲かる物件があるのに、自分では投資をせずに、お医者さんに儲けてもらうように慈善事業をやっているのであれば。

もちろん、業者や銀行は慈善事業をやっているのではありません。貸したカネに利息がついてきっちりと返ってくるからカネを貸すのです。銀行自身の利益になるから、医者にカネを貸すのです。
業者→ マンション売れて儲かる
銀行→ 利息で儲かる
研修医→ 新築ワンルームマンション投資で儲かる
みんな儲かってウハウハだね。人類みんなが幸せになるね。という仕組みにだと良いのですが、この中で誰かが損をしています。

ポーカーをやり始めて20分たっても、まだ誰がカモかわからない人は、
自分がカモなのだ。

投資の神様、ウォーレン・バフェットの言葉です。業者、銀行、研修医の例では、誰がカモなのでしょうか。ルールを理解していない研修医がカモです。
これから医師として患者さんのために働こうというときに、業者や銀行からカモられるのは悔しいでしょう。そういう不幸な研修医がひとりでも減るように、今回は実際にカモられているのに、自分がカモであることに気がついていない(洗脳されている)方に登場していただきます。実際にスタローン先生のTweetに絡んできた輩のやりとりをこのnoteで御覧ください。医師国家試験に必修問題として出したいくらいの症例です。このnoteに纏めましたのでご参照ください。

症例提示【洗脳くん】

症例は50歳代(推定)の男性。主訴は「ワンルームマンション投資を勧める会社にマトモなものもある」。
知り合いから買ったワンルームマンションを持っており、毎月1万円が財布から消えていくとのこと。管理費、修繕積立金、空室リスク、家賃低下、などのリスクについては説明できない。この投資を「マトモ」と言い張り、一歩も引かない。知り合いに洗脳されていると思われる。有効な治療法を以下の選択肢から選べ。

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