【2024】配当貴族の魅力とは?厳選9銘柄とそのメリット・デメリットを紹介
「配当貴族」とは、長期間配当金を増やし続けている増配銘柄(企業)のことをいいます。
株式を保有し続けることで年々配当金が増えていくことから、投資家からの注目度が高い銘柄です。
この記事では「配当貴族」の個別銘柄や投資信託、配当貴族銘柄に投資するメリット・デメリットについて解説します。
配当貴族とは
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「配当貴族」という言葉に聞き馴染みのない方が多いかもしれません。
まずは「配当貴族とは何なのか?」について解説していきます。
25年以上配当金を増やし続けている米国株のこと
配当貴族とは、長期的に配当金を増やし続けている米国株(企業)のことをいいます。
配当とは、企業が得た利益の一部を株主に分配することです。
株主は、株を購入したからといって必ず配当金を受け取れるわけではありません。
企業の財務状況に応じて、配当の有無や配当金額が決定されることがほとんどです。
したがって、配当貴族は業績が好調な企業であるとも言い換えることができます。
値動きは「配当貴族指数」を見よう
米国には一定期間以上連続して増配している優良株を集めて算出した「配当貴族指数」というものがあります。
配当貴族指数で有名なものに「S&P500配当貴族指数」があります。
S&P500とは、米国を代表する500銘柄の株価指数のことです。
S&P500配当貴族指数は、S&P500のなかでも25年以上連続して増配している優良株のパフォーマンスを測定する指数を指します。
日本版の配当貴族も存在している
日本でも「日本取引所グループ」「東京証券取引所」「S&P500ダウ・ジョーンズ・インデックス」が共同で、2015年から日本版の配当貴族指数「S&P/JPX配当貴族指数」を発表しています。
S&P/JPX配当貴族指数は、TOPIX(東証株価指数)構成銘柄の中で、時価総額(500億円以上)と流動性(1日3億円以上の売買代金)の基準を満たす銘柄について、10年以上にわたって配当水準を維持、または増配した銘柄で構成されています。
配当貴族は、株式投資の中でも安定した配当金を得たい方におすすめの銘柄となります。
配当貴族のおすすめ優良銘柄9選
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配当貴族銘柄は毎年増配を続けている、配当による収入(インカムゲイン)が期待できます。
ここでは、配当貴族銘柄の中でも特におすすめな銘柄を9つ紹介します。
1. コカ・コーラ【KO
コカ・コーラは、炭酸飲料のコカ・コーラを中心に多くのヒット商品を開発する世界最大手の飲料メーカーです。投資の神様と呼ばれる「ウォーレン・バフェット」が長年保有している「バフェット銘柄」の一つでもあります。
会社の規模や業種柄、株価が非常に安定しているというのが特徴です。株価が大きく上がることはありませんが、下がり続けることも少ない銘柄です。
また、コロナウイルスの蔓延に伴う状況の変化の中でも28億ドルもの営業キャッシュフローを叩き出しており、業績が安定しているといえます。
2. マクドナルド【MCD】
マクドナルドは、世界最大級のファストフードチェーンです。直営店での売り上げだけでなく、フランチャイズによるロイヤリティ収入も事業を支えています。
世界的にもファストフード業界は成長を続けているため、今後の事業成長にも期待が持てる企業です。
また、ファストフード事業だけでなく不動産を積極的に購入しているという側面もあります。
マクドナルドは総資産のうち80%以上が不動産をはじめとする有形固定資産であるため、財務基盤の安定性も高い企業といえます。
3. プロクター・アンド・ギャンブル【PG】
プロクター・アンド・ギャンブル(PG)は、世界各地で製品を販売する消費財メーカーです。
おむつの「パンパース」や衣料用洗剤の「アリエール」、電気シェーバーの「ブラウン」など、日本でも多くの商品を提供しています。
コロナウイルスの世界的な蔓延やリーマンショックなど、経済的な不況時でも生活必需品の需要が下がることはないため、毎期安定した業績を叩き出しています。
これまで半世紀以上も増配を続けているため、配当貴族銘柄の中でも特に安定性が高い銘柄としておすすめです。
4. ジョンソン・エンド・ジョンソン【JNJ】
ジョンソン・エンド・ジョンソンは、ヘルスケア関連の企業です。これまで59年間安定して増配を続けている米国屈指の会社です。日本ではバンドエイドやコンタクトレンズの「ワンデーアキュビュー」など、1度は聞いたことある商品を販売しています。
世界60カ国の約250社に分社化されており、リスクヘッジを万全に行なっている多国籍企業であるというのも特徴です。
医薬品、日用品などを展開していますが、コロナウイルスの状況においても安定した売り上げを記録しています。
個別銘柄として投資家からの人気も高く、2020年1月末時点での米国時価総額ランキングではGAFAMについで8位でした。
5. ウォルマート【WMT】
ウォルマートは米国に本社を置く、世界最大のスーパーマーケットチェーンです。アメリカだけでなく南米やヨーロッパ、アジアなど世界中に事業を拡大しています。
“Everyday Low Price”(毎日がお買い得)をキーワードに、幅広い品揃えと商品の低価格化で圧倒的な競争力を誇っています。業績、株価ともに安定しているため、配当目的で長期保有するのにも適している銘柄です。
コロナ禍においても食品やDIY用品など幅広い巣ごもり需要を背景に、2020年度通期の売上高は過去最高を更新しました。
今後も実店舗とオンラインの販売を融合させるオムニチャネル化を推進していることから、アフターコロナ時代においても堅調な業績が期待できます。
6. ペプシコ【PEP】
ペプシコは食品・飲料部門で世界的に展開している会社です。「ペプシコーラ」や「ドリトス」といった商品は日本でも馴染み深く、好きな方も多いと思います。
過去10年程度の値動きもしっかりとした右肩上がりの株価を形成していることから、安心して長期投資できる企業といえるでしょう。
新型コロナウイルスの影響で外出が減ったことにより売上は一時減少していましたが、ワクチン接種が進んだことで外食機会が増え、売り上げが回復しています。
経済活動の回復に伴い今後も食品・飲料の需要は増えていくと予想されるため、中長期で保有したい投資家にもおすすめの銘柄です。
7. エクソンモービル【XOM】
エクソンモービルは、1999年に設立された総合エネルギー企業です。石油を中心にさまざまなエネルギー資源の生産や輸送、精製、販売まですべて手掛けていることで知られています。
「エクソンモービル」や「エクソン・モービル・エッソ・XTO」のブランドでグローバル展開をおこなっており、日本でも親しまれています。
米国高配当株としても有名で、39年連続増配をおこなっている企業です。エネルギー価格の動向に株価が影響されやすい点が注意点として挙げられますが、企業としての信頼性や安定性は非常に高いと言えるでしょう。
米国ではワクチン接種が順調に進んでいることから、今後外出増加によってガソリン消費量も増加すると予想されます。
これによってエクソンモービルのような石油会社によっては、業績の追い風となることも期待できそうです。
8. シスコシステムズ【CSCO】
シスコ・システムズは通信機器メーカーとして世界的に有名な企業です。
特に、インターネット接続に利用されるルーターや、ワイヤレス接続関連の機器の販売に力を入れています。最近では、リモートワークなどで用いられるWebexサービスでも知られています。
時価総額は約2,570億ドルと、日本円で約29兆円の非常に大きな企業です。NYダウに採用されている30銘柄のうちの一つでもあることから、企業としての安定性も十分だといえるでしょう。
2021年度の決算内容も良好で、製品受注数は過去10年で最高の伸び率を記録しています。今後はソフトウェアやサブスクリプションサービスでの収益拡大を見込んでいるため、配当と合わせて株価の上昇も期待できる銘柄です。
9. スリーエム【MMM】
スリーエム(3M)は、電子・通信・工業・消費・ヘルスケア・オフィス関連用品など多岐にわたる分野を手掛ける多角経営会社です。
代表的な商品は、日本でもよく目にするスコッチテープ(セロハンテープ)やポストイット(付箋)などです。これ以外にもさまざまなニッチ市場で新製品を生み出すことで成功を収めています。
多種多様な製品を手掛け、世界中にビジネスを拡大していることから、景気変動の影響を受けにくい銘柄ともいえるでしょう。長期的に安定した業績を挙げられるのが、スリーエムの特徴です。
直近の配当利回りも3%を超える程度と、安定的にインカムゲインを求める投資家にはおすすめの銘柄です。
配当貴族銘柄に投資できる投資信託
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配当貴族銘柄は数が多く、どれに投資してよいか悩む場合は投資信託を利用することもおすすめです。
配当貴族に投資できる投資信託は、各証券会社から提供されています。
野村アセットマネジメント・米国株式配当貴族(年4回決算型)
SMT米国株配当貴族インデックス・オープン
野村インデックスファンド・米国株式配当貴族
上記の投資信託は、S&P500配当貴族指数の動きに連動するように運用しているインデックスファンドです。
指数構成銘柄に幅広く分散投資をしている投資信託になります。
個別銘柄に投資するよりも分散性が高いため、集中投資によるリスクを抑えることもできます。
配当貴族のメリット
配当貴族には、次のようなメリットがあります。
日本株よりも配当金を多く受け取れる
連続増配銘柄が多い
米国企業は引き続き成長に期待できる
それぞれのメリットについて、詳しく確認していきましょう。
日本株よりも配当金を多く受け取れる
配当貴族銘柄は、日本の高配当株よりも配当金を多く受け取ることができるものがほとんどです。
米国株の配当回数は年4回のところが多く、半期や1年ごとの配当が多い日本企業と比べて配当を受け取る機会も多いです。
連続増配銘柄が多い
配当貴族は、毎年の増配を長期間にわたり続けている銘柄がほとんどです。
配当貴族の中には半世紀以上増配し続けている銘柄もあるため、長期で保有するほど受け取れる配当金額が大きくなります。
配当金を目当てに投資する銘柄としては、配当貴族は最適な投資先の一つといえます。
米国企業は引き続き成長に期待できる
配当貴族銘柄は25年以上連続で増配をしている企業であり、安定した利益を出し続けている企業です。
配当金目当ての銘柄は長期に渡って保有したい銘柄ですので、業績の良い企業に投資できるという安心感があります。
配当貴族のデメリット
配当貴族には、次のようなデメリットがあります
株主優待制度はない
配当金も課税対象
為替リスクがある
それぞれのデメリットについて、詳しく解説していきます。
株主優待制度はない
米国株は日本株と異なり、株主優待制度がありません。株式投資において優待品や優待券を重視している方にはおすすめできない銘柄となります。
米国企業は日本企業よりも株主還元を重視している企業が多いため、株主優待ではなく配当金で株主に還元する企業がほとんどです。
株主優待を目当てに投資したい場合は、日本株に投資を行いましょう。
配当金も課税対象
配当金が特徴の配当貴族銘柄ですが、米国株の配当金には日本の税金約20%に加えて、米国の税金約10%も追加でかかってきます。
配当金のうち28.3%が税金で引かれることになってしまい、日本株の配当金と比べて税金が多くなってしまうことはデメリットといえます。
対策としては、確定申告の際に「外国税額控除」を申請すれば米国分の税金が戻ってきます。
申請方法がやや煩雑なため、事前に申請の方法を調べておくことをおすすめします。
為替リスクがある
日本株と米国株の大きな違いは、通貨の違いによる為替リスクです。
米国株は米ドルで取引が行われるため、日本円を米ドルに変換してから米国株を購入します。売却時も同様に米国株を米ドルで売却してから日本円に両替します。
また、配当金も米ドルで支払われた後、日本円に変換して受け取ることになります。
そのため、両替時の為替レートによって、配当金や売却金額が取引時と異なってくる可能性があります。
例えば、100ドルの配当金の場合でも、1ドル=100円の場合と1ドル=110円の場合では、およそ1,000円の差があります。
配当の支払い時期に円高が発生すると受け取れる配当金が少なくなる点を理解しておきましょう。
まとめ:配当貴族は配当金狙いにおすすめの銘柄
配当貴族は米国株の中でも特に配当金が高く、今後の成長にも期待できる銘柄です。
配当貴族銘柄は人気があるため、取引が活発です。今後の株価の値上がりも期待できる、投資初心者にもおすすめの銘柄といえます。
「株で配当金をもらってみたいけど、どの銘柄に投資すればいいのかわからない」という方は、配当貴族銘柄の中から投資してみるのがおすすめです。