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[書き起こし]ネオジャパン(3921) IRセミナー・質疑応答 2024.6.20開催

2024.6.20に開催致しましたネオジャパン(3921)IRセミナー&質疑応答の書き起こしになります。
登壇者名 代表取締役社長 齋藤 晶議  様




IRセミナー

【司会進行】本日はネオジャパンの会社説明会にお集まりいただきありがとうございます。今回は6/14に発表した当社の1Qの決算説明資料を基に、当社の魅力をお伝えできればと考えております。
本説明会は代表取締役社長齋藤、司会進行石原の二名で進めてまいります。
どうぞよろしくお願い致します。

【社長】本日はお集まりいただきまことにありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

NEOJAPANについて

【司会進行】それでは早速ですが、説明に移らせていただきます。本日はこの通り目次に沿って進めてまいります。まずは、会社概要の説明から始めて参ります。

【司会進行】はじめに企業理念について伺いたいと思います。ネオジャパンの企業理念は「リアルなITコミュニケーションで豊かな社会形成に貢献」、ビジョンは「ビジネスICTツールを社会インフラに、すべての企業にITメリットを」、となっておりますが、企業理念やビジョンに込められた想いを伺えますでしょうか。

【社長】はい。当社は受託開発から事業をスタートしています。その中で、非常に良い製品ができたのですが、これを大企業に限らず中小企業も含む「すべての企業に」使ってもらうことで社会に貢献できると考え、こうした企業理念にしました。当時も、同じような機能を持った海外製のソフトはありましたが、とても値段が高くて中小企業では買えませんでした。それを1/10、もしくはそれ以下の価格で提供することで「すべての企業」に使ってもらえるようにしました。これからもユーザーの要望にこたえながら、インフラとして社会貢献していきたいと考えています。

【司会進行】ありがとうございます。次に、沿革をご説明します。社長より沿革を詳しく伺えますでしょうか。

【社長】ネオジャパンは、電力会社のプロジェクトをやっていたエンジニアたちが集まって始まった会社です。最初はプロジェクト関係者間でスケジュールの調整が大変だったので、Webで簡単に共有できるシステムを作ったりしていました。もともとは販売するつもりはなかったのですが、要望にこたえて売ってみたところ非常に好評をいただきました。そしてユーザーからの支持を得ながら成長する過程で、2004年にはオフィスを現在の横浜ランドマークタワーに移転しました。その後、2015年に東証マザーズに上場、2018年に東証一部へ上場しました。また、昨年にはユーザー数累計500万ユーザーに達することができました。現在も、海外子会社の設立、M&Aによる事業拡大、新製品リリースと、新たな挑戦を続けています。

【司会進行】ありがとうございます。続きまして、グループ概要について伺えますでしょうか。

【社長】当社グループはdesknet's NEOなどの開発販売を手掛けるネオジャパンのほか、M&Aにより子会社化したPro-SPIRE、及び海外子会社から成り立ちます。今期はフィリピンに新しく拠点を設立しました。また、カルフォルニアに拠点を置くDELCUIでは、AIエンジニアを採用しました。今後、新製品や、desknet's NEOのバージョンアップなど、様々なシーンでAIを活用していきたいと考えています。

製品紹介

【司会進行】続いて、当社の製品についてご紹介いたします。まずは、主力の3製品の構成について伺えますでしょうか。

【社長】はい。当社はグループウェアdesknet's NEOの販売により業績を拡大して参りました。現在は、ネオジャパン単体売上の8割近くはdesknet's NEOが占めています。
今後もさらにdesknet's NEOのユーザーを増やすと共に、第2、第3の柱となるAppSuiteやChatLuckのクロスセルを進めることで、業績を拡大していきたいと考えています。

【司会進行】ありがとうございます。desknet's NEO、AppSuiteについては、後ほど詳しく伺いたいと思います。

【司会進行】続いて、ネオジャパン単体の売り上げ区分について説明します。ネオジャパンの売上はクラウド、プロダクトに区分されております。まず区分の別による違いをご説明いただけますでしょうか。

【社長】プロダクトはパッケージを販売して、ユーザーが自分のサーバーにインストールして使ういわゆるオンプレミスです。自社の情報を外に置きたくないユーザーにこたえています。一方、クラウドはユーザーが月額利用料を支払い、サービスを利用するSaaSモデルです。

【司会進行】ありがとうございます。当社はプロダクト区分の売上の一部もストック売上としておりますが、この点についてご説明いただけますでしょうか。

【社長】
ユーザーはサポートサービス料を支払うことで、アップデート等の役務を受けることができます。多くのユーザーにこのサポートサービスを契約していただいており、継続して一定の売上が上がるため、このサポートサービス料がストックの売上となります。

【司会進行】ありがとうございます。プロダクトの売上の内、およそ半分はストック収益であるという点は積極的に訴求したい当社の強みですね。

【司会進行】本スライドからは主力製品であるdesknet's NEOについてご紹介したいと思います。

【司会進行】社長から詳しくご説明いただけますでしょうか。
【社長】はい。desknet's NEOは、導入してすぐ使える27の豊富な機能と使いやすさ、優れたコストパフォーマンスが特徴のグループウェアです。朝、会社に来たら、まず開くアプリケーションという存在です。ここでは代表的な機能の一部をご紹介します。

例えば、こちらのポータル画面。社内の新着情報だけでなく、他のシステムへのリンクを掲載できるので、バラバラになりがちな社内のITシステムを1か所にまとめ、企業情報ポータルとして活用できます。

スケジュールは最も利用ユーザーが多い機能です。個人やグループの複雑になりがちな予定を、直感的なマウス操作で簡単に管理でき、会議室の予約等も同時にできるなど、豊富で便利な機能を搭載しています。

こちらはワークフロー画面です。ワークフローをデジタル化することで、外出先からでも簡単に承認・申請ができます。AppSuiteと連携させることで、専用のワークフローツールに匹敵する機能と柔軟性をもたせることができております。

こちらは回覧・レポートです。お知らせや報告書などを一斉回覧する機能です。
既読や未読をひと目で把握することができます。また、コメントのやりとりもできるので、幅広い用途でご利用いただいています。

【司会進行】直近、累計510万ユーザーを突破したdesknet's NEOですが、業種や規模を問わず、使える点も強みですね。

【社長】はい。毎年、アップデートを繰返すことで、リリースから20年以上たちますが、多くのユーザーから支持をいただいております。例えば、大成建設や清水建設など大手ゼネコン各社にご利用いただいている他、銀行・金融業界では、210以上もの企業に導入されております。

【司会進行】desknet's NEOは官公庁や自治体にも導入実績を多く持つ点も強みですよね。

【社長】20年以上前になりますが、総務省が当社製品を導入してくれました。総務省への導入をきっかけとして、多くの自治体にも広がっています。
総務省導入の決め手は、技術力でした。外部からの攻撃に耐えられるかといったセキュリティ面はもちろん、例えば朝8時に業務開始に数万人が一斉にアクセスをしても遅くならずに使えるか、などといった点を評価いただきました。また、官公庁はセキュリティ上の観点から、クラウドよりもオンプレミスを好む傾向が強いので、当社がオンプレミスに力を入れている点も、評価いただき導入に繋がっていると思います。

【司会進行】続いて、当社が成長エンジンとして掲げるdesknet's NEOのオプションという立ち位置である、AppSuiteについて説明して参りたいと思います。

【司会進行】AppSuiteはノーコードアプリ作成ツールということですが、具体的にはどういったものなのでしょうか。

【社長】ノーコードというと、「コードいらずで何かを作れるもの」という印象だと思います。そもそも何が作れるのか、という点で大きく区分されます。
例えば、ホームページ、ECサイト、ゲームなど、作りたいものによって使うサービスは異なります。
そのなかでもAppSuiteは「IT人材でなくても、普通の人でも、プログラムいらずで業務に必要なシステムを作れる」そういうサービスです。

【司会進行】では、実際にAppSuiteではどのようにアプリが作れるのかをお教えいただけますでしょうか。

【社長】AppSuiteには様々な部品が、そもそも用意されています。目的に合った部品をドラック&ドロップすることで、部品を配置できます。部品を配置すると、設定画面が表示されます。これだけの作業で簡単に業務用のアプリケーションが作成できます。

【司会進行】部品を並べた結果、できるアプリのイメージが右側となるわけですね。
【社長】そうですね。マウス操作で作ったものがそのまま再現されるという点にこだわりました。あとは、ゼロから作る以外にも、ExcelやCSVファイルを取り込むだけで、データの入力画面、それと一覧画面を同時に作る事もできます。作成したアプリは、desknet's上で共有できます。

【社長】また作成したアプリを使えば、紙の申請書のシステム化、最新データを表示するダッシュボードの作成、ブラウザでの共有作業、それらのことが簡単に実現できます。

【司会進行】では、改めてですが、AppSuiteはどのような会社に選ばれるのでしょうか。

【社長】例えば、システム開発を検討したものの、予算感が合わずに見送っていた、というケースがあります。外部に依頼すると、まあ外注ですね。外注化すると数千万から、場合によっては1億円以上の開発コストがかかるケースも少なくありませんが、AppSuiteであれば、格段に安くシステムを構築することができます。また導入後も、担当者が業務にあわせて、改修できるという点も選ばれる理由のひとつです。

トピックス

【司会進行】安くて簡単という点が評価されるわけですね。ここからは直近のトピックスを紹介してまいります。当社は4/16のプレスリリースにてクラウドサービスの価格を9/1から改定することを告知いたしました。こちらの狙いについてお聞かせいただけますでしょうか。

【社長】価格改定によりdesknet's NEOは単体だと50%の値上げとなる一方、各セットプランの値上げ幅は従来比の10%以下に留めました。今の売上比率は、desknet's NEOの割合が高い状況ですが、この価格改定をきっかけに、セットプランを選択いただくことで、クロスセルを進めていきたいと考えています。

【司会進行】なるほど。desknet'sユーザーは200円追加するだけでAppSuiteも使えるようになりますね。クロスセルの加速に期待したいですね。

【司会進行】こちらは、desknet's NEOの解約率の推移です。直近でも0.4%と、極めて低い水準を維持しています。価格改定に伴う解約率への影響はどのようにお考えでしょうか。

【社長】価格改定に伴い、解約率は上がると思いますが、クラウドの値上げ自体が初めてなので、どの程度影響があるかは読めない、というのが正直なところです。但し、今の段階では、ユーザーからの声を聞く限り、ネガティブなリアクションは少なく、解約率が極端に上がることは無いと想定しています。今後も機能・サービスの向上を行うことで、影響を最小限にしていきたいと考えています。

【司会進行】今年も、大幅に製品アップデートを行いましたが、直近のアップデートの内容を伺えますでしょうか。

【社長】desknet's NEOは、全体で14機能、80項目のバージョンアップを行いました。
特にモバイルアプリはかなり使いやすくなったと思います。従来まで、モバイルにおいてもブラウザの対応はしていたのですが、今回のアップデートにより、アプリから利用可能な機能を大幅に拡充しました。次にChatLuckについてです。


ChatLuckはインターフェースを一新させフルリニューアルしました。機能面が充実したのはもちろんのこと、新たなフレームワークを取り入れて開発したことで、細かいアニメーションなども非常に親しみやすいものとなりました。


【司会進行】今年度、新しい製品・サービスをリリースしていますので、私から簡単にご紹介します。一つ目は6月3日にリリースした、NEOPORTです。NEOPORTは、AIを活用した顧客対応ツールで、共同作業の効率化を実現する製品です。


つづけて、FanVoice AIというサービスです。こちらは、音声・動画による「顧客の生の声」をAIが分析し、顧客のニーズや感情・ニュアンスなどの定性データを収集できるようなサービスです。両サービスともいまのところマーケティング活動を始めたばかりですが、今後拡大に向けて努めてまいりたいと思います。

【司会進行】ここまで、AIというワードが複数回出てきましたが、今後ネオジャパンはAIをどういった形で活用していくのか、お聞かせいただけますでしょうか。

【社長】ここまでAI連携や、AIエンジンを搭載した製品をリリースして来ました。今後さらに加速させたいと考えています。当社の主力製品であるdesknet's NEOには多くの業務データが集積されています。そのデータに対して、AIを活用したバージョンアップをすることで、さらに良い製品になるのではないかと考えています。

【司会進行】製品のバージョンアップに加えて、いま海外進出にも力を入れる中で、直近ではフィリピンの拠点も開設しました。こちらについても狙いをお聞かせいただけますでしょうか。

【社長】従来より商習慣が日本と似ているASEANにフォーカスして海外進出を進めてまいりました。フィリピンは開設直後より、順調にユーザーを獲得できており、期待を寄せております。海外ではAppSuiteの評判が非常に良く、AppSuite目的でdesknet’s NEOをご契約いただくユーザーも多いのが事実です。

業績説明

【司会進行】ここからは、私より、2025年1月期第1四半期の業績にフォーカスして簡潔にご説明いたします。まずサマリーはご覧の通りです。売上は計画通り進捗しておりまして、各利益は計画を上回り順調に推移しました。なお、当社はストック売上比率が高く、売上高の進捗率24%は計画通りです。

連結売上高の推移はご覧の通りです。2024年01月期第3四半期に次ぐ水準の売上高となり、順調に推移しております。

営業利益の推移はご覧の通りです。営業利益は額率ともに前期比で着実に伸びております。

続いて、ストック売上高です。冒頭説明した通り、当社はクラウド、プロダクトともにストック収益を獲得するビジネスモデルとなっております。ストック売上高比率は引続き8割に迫る高い水準で推移しております。

バランスシートの状況です。今期は自社株買いを行った影響で、バランスシートを圧縮しております。これによってROEが向上する見込みです。

広告宣伝費の推移と今期の見通しです。今期はTVCMをやめたことにより予算を削減しております。ここで社長よりTVCMの効果とやめた理由を伺えますでしょうか。

【社長】昨年行なったTVCMは認知度の向上には、高い効果があったものと考えています。今期はコンバージョンを意識してWeb広告など中心に予算を投下する予定です。なお、来期の広告戦略は、今期の状況を踏まえて今後検討したいと思います。


【司会進行】通期見通しはご覧の通りです。増収増益を見込んでおります。
なお、当社は2023年4月に3ヵ年の中期業績目標を開示しております。

今期は2年目となります。目標売上高の平均成長率は9.4%に対して、初年度はそれを上回る10.1%の成長となり、好調なスタートでした。

営業利益も同様に、中期業績目標を開示しており、開示当時の見通しを超えて推移しております。今年度の営業利益は、最終年度の目標に迫る16億500万円を見込んでおります。

同様に配当計画につきましても中期業績目標を開示しております。6/14のリリースの通り、今期は株主への還元機会を充実させるために、中間配当を実施することとし、かつ増配を決定致しました。

Appendix

最後にAppendixをご説明いたします。

当社は投資家間の情報の対称性を保つために四半期ごとに機関投資家からのQ&Aを開示しております。決算説明資料にこちら掲載しておりますので、ぜひご覧ください。

ご覧のスライドは直近のIR活動を掲載しております。前期より、齋藤自らがIRの管掌役員となっておりまして、様々な施策を行っております。こちらも決算説明資料に掲載しておりますので、お時間のある際にぜひご覧ください。

以上をもちまして、ネオジャパンの説明とさせていただきます。ご清聴いただきありがとうございました。

【社長】ありがとうございました。

質疑応答

Q.2025年1月期のIR活動について教えてください。

A.次回のIR活動予定としては、7月12日から14日に東京ビッグサイトで開催されるIR投資フェアに出展する予定です。IR室から3名が参加します。その他のIR活動については、決まり次第ご案内させていただきます。

Q.価格改定の発表による影響はありますか?

A.現段階では目立った影響は出ておりません。実際の価格改定は9月1日からなので、その後少し影響が出てくる可能性はありますが、今のところ大きな影響はありません。逆に、パックでの販売を発表したことで、AppSuiteやChatLuckなどの製品がパックで導入される可能性が高くなっています。

Q.決算資料にある「当社が目指すクラウドユーザー構成のイメージ」について、何年くらいで達成を目指していますか?

A.具体的な目標時期は定めていませんが、クラウドユーザーの約3割がAppSuiteを使用することを目指しています。現在、ユーザー数は順調に伸びており、遠くない未来に実現できるよう考えています。

Q.生成AIの影響についてどう考えていますか?

A.現時点では、生成AIによるマイナスの影響は全くありません。むしろ、AppSuiteの中に生成AIで生成されたものを組み込んで利用するなど、プラスの影響しかないのが現状です。

Q.他社のノーコードアプリ作成ツールと比べて、AppSuiteが選ばれる理由は何ですか?

A.AppSuiteはdesknet'sの上で動くアプリケーションであり、desknet'sの機能(ワークフロー、回覧など)を最大限に活用できます。例えば、AppSuiteの結果をdesknet'sの機能と連携させることができる点が大きな特徴です。

Q.デザイナーが入社したのでしょうか?また、desknet's NEOのデザインをリニューアルする予定はありますか?

A.デザイナーが新たに入社したわけではありません。ホームページや決算資料のリニューアルは、IR室を立ち上げたことに伴い、専業のメンバーが増えたことによるものです。製品に関しては、大きなデザインリニューアルを計画しています。今年から来年にかけて取り組んでいく予定です。

Q.VMwareの値上げの影響はありますか?また、データセンターからの値上げ交渉はありましたか?業績への影響も含めて教えてください。

A.データセンターのコストは一部上がっていますが、集積率の向上により1ユーザーあたりの単価は大きく上がっていません。今回の価格改定は、単純なハードウェアの値上げではなく、今後の機能やサービスの向上を目的としたものです。これにより、業績にもプラスの影響があると考えています。

Q.ChatLuckとAppSuiteの価格差が広がった理由を教えてください。

A.AppSuiteは今後、AIの組み込みなど大きな機能拡充を予定しています。一方、ChatLuckは主にUIの変更やマイナーな技術変更にとどまります。この開発投資の差が価格差に反映されています。

Q.ChatLuckも値上げすれば業績が良くなるのではないですか?

A.単純にハードウェアコストの上昇や全体的な値上げを理由とした価格改定ではありません。主に研究開発費用の増加を反映しています。ChatLuckは大きな技術変化が予定されていないため、現状の価格を維持しています。AppSuiteは今後さらなる技術進化を遂げる予定であり、その部分が価格差に反映されています。単純に利益を増やすための値上げではありません。

Q.プライム市場の上場維持基準に関する取り組みと、もし基準を満たせない場合の対応について教えてください。

A.おかげさまで現在、プライム市場の上場維持基準をクリアする水準で推移しています。具体的には、株価が1,390円以上を維持できれば基準をクリアできます。現在は1,600円を超えていますので、ご安心いただければと思います。

株価は株主の皆様が決めるものですが、我々としては製品の品質向上に努め、より多くのお客様に使っていただき、社会貢献をしながら、企業価値を高めていきたいと考えています。エンジニアを中心とした会社として、良い製品を作り、多くのお客様に納得して使っていただくことが、結果として株価に反映されることを目指しています。

Q.値上げの影響が業績に反映されるタイミングについて、詳細な説明をお願いします。

A.ご指摘ありがとうございます。確かに、値上げの影響は一気に現れるわけではありません。年間契約や複数年契約のお客様の場合、契約更新時から順次値上げが適用されます。新規のお客様には9月1日から新価格が適用されますが、既存のお客様については契約更新のタイミングで徐々に反映されていきます。

全体的な値上げの影響が本格的に現れるのは、おおよそ1年を超えたあたりからになると考えています。今後、このような値上げの影響の推移について、株主の皆様にもより詳細な説明を行っていきたいと思います。

Q.契約形態の内訳について教えてください。

A.具体的な数字はお伝えできませんが、年間契約や複数年契約のお客様は多いです。

Q.値上げによって得られる利益の使途について、具体的な計画を教えてください。

A.値上げによる増収分は、主に人材投資に充てる予定です。特に研究開発を進めるために必要な人材の確保が最も大きな投資先となります。

株主還元や採用強化、海外進出なども当然考慮していますが、最も重要なのは人材への投資です。優秀な人材を確保し、研究開発を強化することで、より良い製品やサービスを提供していきたいと考えています。採用を含め、人材確保がいちばん大きいと考えています。

Q.人材獲得について、ネオジャパン様の状況はいかがですか?

A.当社は開発エンジニアに関しては新卒のみを採用しています。丁寧に育成していくことを重視しており、時間と費用をかけて人材を育てることが重要だと考えています。即戦力を求める他社とは異なり、若い社員と共に会社も製品も成長させていきたいという思いがあります。この方針は会社設立以来続いており、離職率も低くなっています。今後も大きな方針転換がない限り、新卒採用にこだわり、育成を通じて夢と希望を持って前進していきたいと考えています。

Q.Pro-SPIREの顧客の継続性について教えてください。

A.Pro-SPIREの顧客は非常に継続性が高いです。

Q.Pro-SPIREとのシナジー効果と課題について教えてください。

A.シナジー効果は出ています。特にエンジニアの相互交流や情報交換といった面で大きな効果がありますが、具体的な数字で表しにくい部分が多いです。課題としては、Pro-SPIREの顧客の継続性が高いため、すぐにネオジャパンの仕事に移行することが難しい面もあります。ただし、一部ではPro-SPIREを通じてdesknet's NEOの導入が進むなど、具体的なシナジーも生まれています。全体としては、目に見えない効果のほうが大きいと考えています。

Q.銀行への導入が多い理由は何ですか?

A.特に割合が多くはありません。当社の製品は業種や業態、企業規模に関係なく幅広く導入されています。あえて銀行や官公庁を強調したのは、セキュリティ面での信頼性を示すためです。

特に、オンプレミス環境を求める顧客に対応できることが強みとなっています。クラウドが主流の中、当社はオンプレミス製品の開発にも力を入れています。

銀行への導入が多い理由としては、セキュリティ面での評価が高いことが挙げられます。総務省への導入時に、セキュリティや性能面で厳しい評価を受け、最終的に当社の製品が選ばれた実績があります。この評価が、銀行や官公庁への導入につながっています。

Q.ネオジャパンの商品は直販と販売代理店のどちらが主な販路ですか?

A.一部直販もありますが、プロダクト(ライセンス販売)の大半は販売代理店を通じてお客様に導入されています。

Q.値上げに伴う販売代理店の反応はどうですか?

A.1.5倍の値上げは大きく見えますが、他社と比べてもまだ安い価格設定です。販売代理店には、単体での販売よりもセット販売を推奨しています。セットで購入すれば実質的に安くなるため、代理店にとっても説明しやすいと考えています。

Q.ライバル企業はどこですか?また、どのような強みや優位性がありますか?

A.ライバルとしては、グーグルやマイクロソフト、サイボウズなどがあります。海外製品との比較では、日本独自の「グループウェア」という概念に基づいた機能や、日本企業特有の組織構造に対応していることが強みです。国内企業との比較では、セキュリティ面や性能面、機能面で優位性があると考えています。

Q.ランサムウェア対策として、AWSのようなパブリッククラウドへの移行は考えていますか?

A.現在のクラウドシステムでも、複数世代のバックアップを取るなど、ランサムウェア対策を講じています。パブリッククラウドへの移行が必ずしも解決策になるわけではありません。また、オンプレミス環境のお客様向けに、当社のクラウドをバックアップ先として利用できるような仕組みも計画しています。

Q.今期の広告宣伝費の使い方について教えてください。

A.テレビCMは控えますが、展示会への出展は昨年同様に行います。ウェブ広告には昨年より多めの予算を割いています。今年の結果を見て、来年の広告戦略を決定する予定です。昨年のテレビCMは費用以上の効果があり、特に製品の認知度が大幅に向上しました。

Q.SaaS製品の市場は飽和状態にないのでしょうか?

A.10年前も同様の質問がありましたが、常に新しいニーズや技術(例えばAI)が出てくるため、市場は継続的に拡大しています。お客様自身もまだ気づいていないニーズがたくさんあると考えています。そのため、市場の余力はまだまだあり、むしろ追いつかないほどの成長が期待できます。

Q.ネオジャパンの値上げ後、サイボウズも追随して値上げを発表したように見えましたが、これについてどう感じましたか?

A.正直、他社の価格設定については全く興味がありませんでした。我々の値上げが他社の決定に影響を与えたとは考えていません。

Q.最近、SaaS業界で値上げが相次いでいますが、この状況をどう見ていますか?

A.当社は20年間値上げをしていなかったので、我々の値上げが他社にとって値上げしやすい環境を作ったのかもしれません。しかし、他社の具体的な理由については分かりません。

Q.新卒採用にこだわっているそうですが、新入社員が一人前になるまでにどのくらい時間がかかりますか?また、採用時に重視する点は何ですか?

A.一人前になる時間は個人のモチベーションややる気によって大きく異なります。業務に慣れるには2、3年程度かかりますが、IT業界では技術が日進月歩で変化するため、常に学び続ける姿勢が重要です。私自身もエンジニアですがいまでも学び続けています。そうでなければ指導は出来ません。10年、20年の経験があっても、新しい技術を学ばなければ通用しないこともあります。

Q.ChatLuckとLINEやSlackとの違いは何ですか?

A.ChatLuckの主な特徴と違いは以下の通りです:

1.クラウドだけでなく、オンプレミス版も提供しています。
2.監査機能があり、データを永久に保存できます。
3.ビジネス用途に特化しており、メールの代替ツールとして位置付けています。
4.ファイル共有の効率が良く、ストレージの節約になります。
5.セキュリティが高く、官公庁や銀行などでも導入しやすい設計になっています。

LINEは主にコミュニケーション目的、Slackはエンジニア向けの機能が強いのに対し、ChatLuckは業務用途に最適化されています。また、監査機能や退職者のデータ保持など、ビジネス向けの機能が充実しています。

Q.今期の業績予想について、会社四季報では「営業益は最低線、大幅増配の可能性」と記載されていますが、これについてどうお考えですか?また、業績予想は保守的ではなく実際に着地する水準を出してほしいという意見がありますが、いかがでしょうか?

A.我々の業績予想は、絶対に実現できるものをベースに考えています。予想を裏切ることは避けたいと考えているため、最低限クリアできる水準を示しています。これを保守的と言われれば、そうかもしれません。
なるべく実績に即した予想を今後出すよう心掛けていきたいと考えております。結果として、過去の状況を見れば保守的だったと思います。予測時点では精一杯の予想をしていますので、その点もご理解頂ければと思います。

Q.2018年頃から売上が急成長していますが、何があったのでしょうか?

A.2019年8月にPro-SPIREを子会社化したことが主な要因です。この子会社化が売上成長に大きく寄与しています。

Q.会社四季報の取材対応はどのようにされていますか?社長が直接対応されているのでしょうか?

A.会社四季報の取材には、四半期ごとに当社のIR室が対応しています。私(社長)が直接対応しているわけではありません。

投資家の皆様へ

今回このようにIR説明をさせていただきましたが、今後も引き続き、このような形で業績の発表や事業の内容をご説明させていただける時間を設けていくつもりでいますので、ぜひ応援のほどよろしくお願いします。本日はどうもありがとうございました。