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コロコロ変わる名探偵

 郊外の洋館で、巨大なIT会社の創設者が誕生日パーティの翌朝、遺体で発見された。その洋館は、いかにもな高価な骨董品や絵画等が並び、その資産を狙う者は少なくないと思われた。

 捜査はその遺族により、金に糸目をつけず、高い契約料を支払うことにより名探偵が呼ばれることとなった。事件はその名探偵により早期解決をみるかと思われたが、そうはいかなかった。

 事件発生から1ヶ月程度が経過。事件は未だ解決に至らず、なぜか名探偵はコロコロと変わる事態が発生していた。

 いずれも、コーヒーをこぼして火傷をしてしまったとか、池の鯉を調べていたら溺れてしまったとか、金庫に手を挟まれたとかで、翌日は別の名探偵に変わっていった。

「昨日担当した名探偵は、お尻を飼われている犬に噛まれ、入院しました。本日は代わりに名探偵である私が担当させて頂きます。早速で恐縮なのですが、その治療費と新たな契約料と交通費の方を200万円ほど前払いでお願いしたく。」

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