がま腫の治療記録

はじめに

この投稿は、私ががま腫を患い、完治するまでをまとめたものです。
ご覧になられた方の参考になれば幸いですが、症状の違いや医療の進歩により必ずしも当てはまらない場合も考えられますので、医師と良くご相談ください。

がま腫とは?

簡単に言うと、唾液が何らかの理由で排出できなくなり、貯留してしまう状態のことです。
口底に発生するものを舌下型、顎から喉にかけて発生するものを顎下型と呼びます。

がま腫との遭遇

私ががま腫に気付いたのは2016年でした。
舌の右の裏側が膨らんでいるような感覚があったので、歯医者での歯科検診についでに相談してみました。
すぐに口腔外科の先生に診て頂き、CTを撮ったものの確定診断には至らず、大病院への紹介状を貰ってその日を終えたのでした。

紹介先の病院では、診察とMRI撮影の結果から「がま腫で間違いない」という診断になりました。
先生は、この時点で私にがま腫とは何か?どのように治療するか?という事を説明してくれました。

治療方法:
A:唾液が貯留して袋状になっている部分を切開して、切創部を敢えて閉じないようにすることで、新たな唾液の出口にする。
B:唾液を作っている器官(舌下腺)を取り除く。

どちらも外科的処置ですが、Bは身体へのダメージ(侵襲)が大きいため、Aが第1選択となっているようです。
それぞれのメリットとデメリットから、Aの提案に同意しました。

終わらない治療の始まり

がま腫が確定してから暫くして、初めての手術がありました。
日帰り手術で30分くらいで終了したので、案外呆気ないものでした。
手術から1週間後に抜糸があり、何かあったらまた来てくださいといった具合でした。

ところがその2ヶ月後、気付いてしまいます。
「あれ?また膨らんでる…?」

再発しました。
Aの方法は、再発率が非常に高いようで、私もそれに漏れませんでした。

それから実に約1年、合計4回手術をして、なかなか治らない状況と、口内の違和感に苛つきを覚えてきた頃、事態が変わります。
「ん?口底全体が膨らんでる気がする…?」

下図は2017年に撮影したMRIです。(白い部分ががま腫=唾液の嚢胞)

画像1

当初、右側だけにあった唾液の袋が、左側まで突き進んでいることが分かりました。
明らかな悪化だったので凄く焦りました。

治療方針の転換

この悪化を目の当たりにして、ある治療方法に助けを求めました。
OK-432(商品名:ピシバニール)と呼ばれる薬剤を使った治療です。

実は手術を受けるときには存在を知っていましたが、医師に相談したところ実績が無いとの事で諦めていたのでした。

その後、OK-432を使った治療をウェブサイトで謳っている、関東のとある歯科医院に駆け込むように受診しました。
処置自体は、嚢胞内部にOK-432を注射するだけで完了して、30分程度で病院を後にしました。

1回目の治療は反応が強く出て、口内が痛く、腫れで呼吸がし辛く、水を飲むのが精一杯だったのを良く覚えています。
反応は翌日午後から落ち着き始め、1週間程度で普段通りです。

その後3回、合計4回の注射を行い、初回ほどは反応が強くなく…とは言ってもズキズキするような痛みや腫れは数日我慢するしかありませんでしたが、回を追うごとに快方に向かい、かくして、4回の手術、4回のOK-432注射で私のがま腫との戦いは幕を閉じたのでした。
(2018年に撮影したMRIで、完治を確認)

画像2

さいごに

がま腫は再発率が非常に高く、Twitterで検索すると私と同じように長いこと悩んでいる方がいらっしゃるようです。
手術を1回でもすると、OK-432の効きが悪くなることもあるようで、個人的にはまず薬剤治療を試してみることをオススメします。

OK-432による治療の詳細は、山形の深瀬先生がウェブサイトで公開されていますので、患者の方はぜひご一読ください。
みなさま、お大事に!

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