リンゴの木

今日は、このnoteで1番最初に書いた割に、あんましきちんと説明出来てない意拳に繋がるように書いてみようと思います。

昨日、福岡で東京のFIXEDというバンドと一緒にライブしました。アンプをめっちゃ持ち込みしてて、すんごい轟音で気持ち良かった。

FIXEDのギターは魚頭さんという東京、いや日本では昔から孤高の凄い方なのですが、昨日はライブ前に酔い潰れてしまい、やっとこさ起こしてライブしたみたいでした。なんか人間味あって好きですし、ライブは物凄い音圧で素晴らしかった。
ボーカルの柿沼くんは、格闘系を習っていたこともあってか、すごい武闘派な雰囲気のステージングなのですが、彼の醸し出す全体を包むような、見る者の目を釘付けにするオーラは稀有な存在だと思います。

で、昨日のライブに来てくれてたお客の子が僕のnote読んでくれてて、さらに古流空手を習ってたらしくて、色々と談義をしたんです。

沖縄系の空手は、色々と記事を読んでたので興味がありましたが、サンチンとかは内から捻り出すような力を育ててるのかなぁ、とか以前から気になってました。もしかしたら、詠春拳とか八卦掌とかにも立ち姿で似ているものがあるので、いろいろ共通点があるのかもです。素人の憶測ですが。。。

で、ライブ終わってFIXEDの機材(アンプがめちゃ多くてハイエースにテトリスみたいに積んでました笑)を積み込んでたんですが、隣の公園で若者が喧嘩を始めたんです。けっこうな大声で裸で首とか掴み合いみたいになって。

で、(若いなぁ、、)とか思いながら積み込み終わった車のとこでライブ後の談笑してたんです。

そしたらいきなり魚頭さんが若者に猛ダッシュしていった笑

「お前らうるせえんじゃー!!」

みたいな感じで乗り込んで

「ありゃー??」って思って僕も急いで追いかけたんですが、結果良かったのはその若者たちが魚住さんにビビっておとなしくなってその場が収まったことです。

殴り合いにならずに済みました笑
ちょっと肩透かしくらいました。

少ししたら、また喧嘩再開して大声でずっーと叫んでましたが笑

で、魚頭さんを止めにいってるときに、

(ああ、これは喧嘩になるやろうな)

と思ってたんですが、とくに何事もなくて良かったです笑

そのあと、打ち上げでボーカルの柿沼くんといろいろ話してて、武術系の話になって、興味深い練習とかも聴けたりして楽しかったんですが、フルコン系というよりは、実戦というか暗殺的な空手??みたいなのを習ってそうで面白そうでした。

もっと深く話し込んだら、共通するところが結構ありそうな気がしました。

そんなこんなで、ライブだったのに色々と武闘派的な出来事とか話が盛り盛りあったので、懐かしくなって昔観てた動画を思い出したんです。


これは、太気拳という門派と、極真空手の交流試合の様子なのですが、


この太気拳というのは、もともとは僕がnoteで最初に書いてた「意拳」を日本の澤井健一という方が弟子入りして習い、日本に持ち帰ったものになります。

太気拳の修行法としては、まず立禅(たんとう)そして「這い」と呼ばれるゆっくりと歩いたり身体を動かす練習とかをする。

意拳と同じく、ほとんど型はありません。

基本は、やっぱり静かに立ち続けるのみ!!

ある程度、立禅や這いをして、推手みたいなのもやると思うんですが、

あとはバリバリ実戦練習で、ひたすら公園で殴り合いをするらしいです笑

この動画はそんな怪しい流派と、当時から一大流派である極真の試合の記録です。

極真空手は名門ですし、当時(今もかな?)無名だった太気拳との試合はかなり内密に執り行われたみたいなんですが、前評判で絶対に極真空手の方が強いってなってたみたい。


で、動画見てて思うのは、姿勢というか、正中線を守って戦ってる人がやっぱり強いのかな、と双方の選手を見てて思います。どちらの門派にも、強い人もいればそうでもなさそうな人もいますが、強い人は相手の拳が来ても姿勢があまり崩れません。


僕は基本的にはマイノリティ側に味方する性格なのでやっぱり太気拳を応援しちゃうんですが、強い人は確実にいますよ。ちゃんと渡り合ってる。

よくわからん怪しい修行法なのに笑

ロマンを感じますね!

だって、彼らは型がない修行から自分だけの動きをそれぞれ見つけて戦っている。

構えとかも手をクネクネさせて怪しいですが、ちゃんと戦えてる人がいるのがすごいと思う。

この、太気拳創立者の澤井先生の中国でのエピソードとかも、グッとくるもんがあるので、また時間があれば紹介したいと思います。

あと、動画でおそらく17分くらいだと思うのですが、天野先生かなこの方?

天野さんは月刊秘伝で以前コラム書かれていて、3.11の震災の直後の記事が心に残っていて時折思い出して読んでます。

うろ覚えですが、下のような記事でした。

「私が師匠の澤井先生から学んだことは、リンゴを植え続ける姿だ。

先生は年老いて技が熟してからも、まだ自分は未熟だ、もっと自分が辿り着いていない境地があるはずだ、といつも自分を追いかけ続けていた。

震災、圧倒的な自然の脅威を前にして、私たちができることはあまりにも少なく無力だ。
ただ、荒れ果てた地にリンゴを植え続ける姿、前を向いて進む姿だけは、残されたものに見せることができるのではないか?

諦めずに道を探し続ける姿を若い芽に見せるしか、私たちには出来ないかも知れない。

しかしいつの日か、その姿をみてきた子ども達が、震災に負けず立派に育ってくれることを祈る」

みたいなことが書いてありました。

凄く良い師に出会われたのが、読んでて伺えます。


太気拳の方は道着もなく、普段着で試合をしてましたし、型もなく一人一人独特で、みんなそれぞれ自分の道なき道を探求している、見かけは気にせず自分を見つめて追いかけている。

そんな姿が交流試合の様子からも見て取れますし、このようにして意拳の創始者、王薌齋から海を超えて澤井先生、そして門下の方たちにリンゴを植え続ける姿が受け継がれる、これこそ型とかよりも大切な武術の伝承だと思います。

これは武術に限った話ではないと思いますし、少なからず弟子(笑)がいる僕も精進し続ける姿を見せていかなければ、と思う今日この頃です。

それと最後に、FIXEDの柿沼くんとは20年以上前からの付き合いなんですが、今もこうして音楽に真摯に向き合う彼の姿、彼の背中に、僕はリンゴを植え続ける師の姿を重ねて密かに胸熱くなっています。

なんかエモくなりましたね。、では。



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