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SCPって何?

 という疑問に答えていこうと思います、こんにちはカシミヤです。まぁ、いつもの布教です。SCP、マジで面白いから皆も読もう。

SCPとは

 SCPまたはSCP Foundation(日本ではSCP財団)は、複数の著者が同じ世界観を共有する海外発のコミュニティサイトです。財団という架空の秘密結社が、自然法則に反した異常な物品、生物等を収容して一般に異常が広まらないようにしているという設定が共有されており、その設定に基づいた作品が投稿されています。
 主に投稿されている作品の形式は2種類であり、異常な物品などを封じ込める方法である特別収容プロトコル(英:Special Containment  Procesures)などを記した"報告書"と、財団やその世界に存在する人々などを描いた様々な形式の掌編である"Tale"があります。

 元々はアメリカの掲示板(4ch)で、画像に怖そうな設定をつけるという遊びから始まったものですが、現在では世界各国に支部サイトがあり(本家はアメリカ)、その国の中には日本も入っています。国によって作風などが違っており、そこが魅力の一つでもあります。主に創作されているのは報告書の方であり本家でも5000以上、日本のサイトでも2000以上の作品数を誇っています。

 報告書はほとんどが以下の形式に則って書かれています。
アイテム番号:異常な物品はSCP-173などのように番号で管理されます。番号=発見された順、創作された順ではないので注意。

オブジェクトクラス:対象の収容しやすさ(閉じ込めやすさ)を表します。主なクラスはSafe(セーフ)Euclid(ユークリッド)Keter(ケテル)の3種類です。この収容しやすさという概念、伝わりにくいんですが以下に分かりやすい例えを引用します。

「鍵のかかった箱テスト」
○「それ」を箱に入れて鍵を掛け、そのまま放置したとき、何も悪いことが起こらないのであれば、それはおそらくSafeです。
○「それ」を箱に入れて鍵を掛け、そのまま放置したとき、何が起こるか予測がつかないのであれば、それはおそらくEuclidです。
○「それ」を箱に入れて鍵を掛け、そのまま放置したとき、それが容易く脱走するのであれば、それはおそらくKeterです。

特別収容プロトコル:対象を収容する為の方法が記されています。対象の脅威度によっては大掛かりになるものもありますし、逆に驚くほどあっさりしたものもあります。

説明:文字通り説明です。オブジェクトはどんな姿でどんな異常性を持ってるのか事細かに記してあります。

 報告書を見ていると黒塗りになっている場所(██のように)や[データ削除済]、[データ編集済]などのような検閲が見られます。これは報告書の体裁を取るため、本当に必要な情報以外の余分な情報を省いているだけです。読者的にはフレーバーのようなものなのでお気になさらず。

世界観と用語

 大まかな設定として、財団という一般に知られていない秘密結社が異常な現象や、生物、物品などを人類の目の届かない位置に収容する、というのは説明しましたが、財団は確固たる目的のためにそれを行っています。それはよく3つの理念で表されます。

確保(Secure):一般の目に異常が広まらないよう、早急に確保する。
収容(Contain):異常存在の影響が広まらないよう、目の届かない場所に収容する。
保護(Protect):法則の分からない異常存在のメカニズムを解明するために、異常存在を保護する。無力化・破壊は最後の手段であり、異常存在を収容し続けること自体がタブーであるケースなどに限られる。

 これらは基本遵守され、財団の特色とも言えます。財団はいかなる状態でも、それこそ対抗策の無い世界の終わりでも来ない限りは異常存在を確保し、人の目の届かない施設で収容し、その法則や理論を解き明かすために保護し続けます。それが財団という組織です。

 ではどうやって人の目に触れずに収容を行っているのでしょうか。迅速な収容や情報操作、メディアへの介入もそうですが財団には大きな武器があります。それは目撃者や関係者の記憶から異常存在の記憶を消し去ること。多くの場合薬剤として登場する場合が多い財団の武器、記憶処理です。
 メン・イン・ブラックを思い浮かべた人はまぁ、アレみたいなものです。アレと同じように財団では主に異常を目撃した一般人に使われます。異常存在の内容について深く踏み込んだインタビューの後、異常存在の目撃者、財団の機密について知った人間 etc...。異常を白日の下に晒したくない財団は、こうした記憶を消すことでしか対処できない人間に対して記憶処理を行います。記憶を消す薬剤という設定が良く使用されており、そういった薬剤を投与することで財団は異常が人の目に留まることを阻止します。

 財団内部にも特徴とされるものはいくつかあります。財団は必要以上の情報を職員に与えることはなく、これらは職員に割り当てられたセキュリティクリアランスで管理されます。セキュリティクリアランスとは、職員に対する情報を公開できる範囲の度合いを表すものです。度合いはレベルで表され、0 ~ 5の6段階存在します。レベル5セキュリティクリアランスを持つ職員は財団の中枢部であるO5評議会の会員であることがほとんどです。

 セキュリティクリアランスに似た分類として職員を等級で分類する仕組みが財団には存在します。A~Eの5段階存在し、当然Aクラス職員は重要な職務に就いているため真っ先に安全が確保されます。Eクラス職員は異常存在の影響を受けたとされる職員を区別するための一時的な分類なので、一番低い等級の職員はDクラス職員です。
 最も等級が低いDクラス職員は主に司法取引に応じた暴力犯罪による受刑者、その中でもとりわけ死刑囚から徴用されます。Dクラス職員は消耗人員と定義されており、主に人間を必要とする実験や危険な異常存在への初期実験に参加させることがほとんどです。Dクラス職員は1ヶ月間の勤務を終えたら解放されるという契約のもと財団に来ており、その月の最後に施設のセキュリティ担当らの判断のもと「解雇」(言葉通りの意味ではない)か記憶処理が行われます。多くの著者に共有されている設定としては、記憶処理を実施されたDクラス職員はその翌月に使いまわされます。

有名なSCP

SCP-173 - 彫刻 - オリジナル
オブジェクトクラス:Euclid
 簡単に説明すると目を離した瞬間に人間の首をへし折ってくる彫像のような生物。人間に対して敵対的で、目にも止まらぬ速度で攻撃を仕掛けてくる。見つめられている間は動かないため、収容室の清掃は清掃スタッフ3人でSCP-173を見ながら行うよう厳命されている。何故3人で行うのかというと、瞬きをしただけでもその瞬間に攻撃されてしまうため
 一番最初に作られたSCP。画像は加藤泉氏が手掛けた『無題 2004』という作品。加藤氏はSCP Foundationに対して非営利に限った上で、当該作品の画像をSCP-173の報告書に掲載することを許可している。

SCP-087 - 吹き抜けた階段
オブジェクトクラス:Euclid
 ある大学のキャンパス内に存在する地下に続く階段。何が異常なのかというと、階段の終着点が存在するか現在でも不明であること、階段の中に"何か"がいること。4回にわたる調査が行われたが、階段の全貌はおろかまともな状態で帰ってきた人間もいないため謎は深まるばかりである。

SCP-131 - "アイポッド"
オブジェクトクラス:Safe
 その起源や怪奇創作サイトの名の通り、SCPには人間に対して攻撃的なものや本能的な恐怖を感じるものが多いが、こんなSCPもいる。
 職員から"アイポット"と呼ばれるこのオブジェクトは中央に青い目を持ち涙の形をしている小型生物で、2匹存在している。身長は30cmであり、人にとても懐きやすい。懐いた人間にはどこまでもついて行き、危険が迫ると足元を回り警告するように騒ぎ立てる。2匹は訳しにくい独自のざわめきのようなものでコミュニケーションを取っており、瞬きをすることがない。
 実際にどんな姿をしているのかは報告書を見て(その愛らしさを確かめて)ほしい。


終わりに

 今回はSCPについて紹介してみました。文章は粗いですが皆さんがSCPを知る一助になれば幸いです。今回紹介したSCPや世界観の要素はほんの少しなので、これからも記事にはしていきたいですね。それでは。




今回紹介したSCP
SCP-173 http://www.scp-wiki.net/scp-173
SCP-087 http://scp-jp.wikidot.com/scp-087
SCP-131 http://scp-jp.wikidot.com/scp-131

ヘッダー画像は日本支部サイトのバナーをキャプチャしたもの




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