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RIZIN landmark vo2 若き二つの燃え上がる火柱、陽炎vs蒼炎

鈴木千裕vs平本蓮

RIZIN landmark2の中でも大注目の試合、
鈴木千裕vs平本蓮!
やはり、この試合は何と言っても、平本蓮選手の
1年3ヶ月ぶりのMMA転向第2戦目の戦いぶりではないでしょうか。
2020年の大晦日、裏メインと言われた萩原京平選手とのデビュー戦。
MMA戦士平本蓮のお披露目会は、戦前から散々SNSで煽りまくり、アンチを大量発生させ、自ら逃げ道を閉ざし、K1時代のスタンディングバウト最強説を引っ提げ、幻想をこれでもかと膨らませたにも拘らず、予想以上に何も出来ず大惨敗。
予想を遥かに超えた負けっぷりに、多くのファンは嘆き、アンチは狂喜乱舞しました。
しかし、平本蓮選手はこの悔しさを受け入れるどころか俺は負けていない!ここからが俺のスタートだ!と言い切り、再起に向けて走り出しました。
単身アメリカ修行、自己破壊、そして帰国後、石渡塾長への弟子入りと、この一年3ヶ月で再び、多くのファン、そしてプロ格闘家達にも幻想を抱かせるあたり、プロとしての自己プロデュース力の高さに感心させられます。
強い信念、彼を見捨てなかったファンの支え、SNSをさらにフル活用した立ち回り、この1年3ヶ月をファンもアンチも飽きさせない行動力、そして何より、本人の自信に満ち溢れた言動力。
二度とファンを幻滅させるわけにはいかない、ここで納得のいく勝ち方をして、新生平本蓮をスタートさせる事が出来るのか。
しかし、いくら立技の技術が優れているとはいえ、1年3ヶ月で、あの何も出来なかった萩原戦から別人のように強くなっているのかは、多少疑問が残るのは確かであります。
挫折や試合経験を何度も繰り返して格闘家は強くなっていくものだと思います。
確かにK1での実績は誰もが認めるところではありますが、MMAでは0勝1敗で、1年3ヶ月も試合から離れています。
その間の努力は認めますが、練習と本番はまた違うのも確か。
それも込みで、勝つ姿も負け姿もどちらも見てみたいと思わせる唯一無二のファイターだと私は個人的に思います。 
平本蓮選手の2戦目はある意味、試錬の戦いになるのは間違いありません。

そして迎え打つは、鈴木千裕選手。

私は当初、平本蓮選手の対戦相手は昇侍選手か怪物君ではないかと予想していました。
正直、鈴木千裕選手は直近でタップロン選手とキックボクシングの試合をしており、1ラウンドKO勝ちとはいえ、強豪タップロン選手からパンチをもらい多少ぐらついたシーンもあったので、ダメージもあり、対戦はないと踏んでいましたが、対戦発表の場に姿を現した時は正直驚きました。そして自身のコメント中に平本蓮選手から話が長いと突っ込まれるや尻込みしコメントを縮めるという、ある意味異例の会見でした。普通なら、そこでバチバチにトラッシュトークをするところなんでしょうけど、鈴木千裕選手の天然級の人の良さというか、人間性が素直に出ていて、私はとても好感が持てました。
それも込みで、コレはかなり面白い勝負論のある試合になると予想し、即チケット購入を決めました。
デビュー戦で昇侍選手に洗礼の秒殺KOを浴びるも、しっかりと負けを受け止め、試合後昇侍選手に感謝を述べ、より一層MMAに特化した練習にシフトし、2戦目で相性の決して良くない、北斗のグラップラー事、ファイティングネクサス王者の山本空良選手にしっかりと判定勝ちし、MMAへの適応力を上げて来ました。
そして、再びキックに戻り強豪タップロン選手をKOし、こちらも文句なしの二刀流幻想の完全復活となりました。
そして彼は勝利後、真っ直ぐな目で、観客にマイクアピール。

「前回判定で勝ったんですけど…てっぺんに行ける選手って、メインでKOして倒さなきゃ上に行けないって思っていました!だから今年は倒して倒して倒しに行って、てっぺんまで全員連れて行くんで、俺の夢についてきてください!有言実行するんで!これからもクレイジーダイヤモンド鈴木千裕をよろしくお願いします!!」

気持ち良いぐらい真っ直ぐで純粋な選手です。

MMA2戦目で確実に勝ちを取りにいった事がやはりしっくりきていなかったのか、俺の本当の戦い方をを見てくれと言わんばかりの突進振りでした。
一歩間違えれば逆にKOされてもおかしくない危ない試合ではありましたが、キッチリ有言実行し、勢いと実力が本物だと証明して見せました。
真っ直ぐなマイクアピールに付け加えチームメイトへの感謝の気持ちを泣きそうになりながら語っていたシーンも印象的でした。

平本蓮選手、鈴木千裕選手二人とも若く、これからの格闘技シーンを担っていく選手なのでどのような、成長と戦いを見せてくれるのか本当に楽しみです。
そんな二人の戦いを多くの格闘関係者が注目し、勝敗予想を上げております。
平本蓮選手の勝利予想をしている格闘関係者の主な理由は、噂では相当強くなっている、立技での展開予想で、相手が立技に付き合うと見て、打撃スキルに長ける平本蓮選手のKO勝利と言うのが大方の予想です。
一方、鈴木千裕選手勝利を予想している格闘関係者は、過去にネオブラ優勝、RIZINでの勝利、組み力の強さなど、主にMMAの経験値の高さを強調しています。
両陣営の作戦一つでどっちに転ぶか分からない試合だと思います。

私の素人丸出しの予想ですが、この試合には三つの重要なポイントがあります。

①野生と知性
②セコンド力
③期待値の質

野生と知性

これは二人のイメージの中に有って無いモノです。格闘技においてこの二つは非常に大事な要素だと私は思っています。
平本蓮選手から知性は感じても野生は感じられません。
逆に鈴木千裕選手からは野生は感じられますが知性は感じられません。
平本蓮選手は格闘技エリート路線を歩み、しっかりと研究された立技の技術、格闘家としての思考回路、そして何より人に教える技術が非常に長けています。
コレは知性が優れているからこそだと思います。

一方鈴木千裕選手は幼少の頃から兄弟喧嘩で強い兄にボコボコにされながら兄貴に勝つには総合格闘技だ!と強さを求めて格闘技の道へ。荒削りながら強い気持ちとハーフ特有の力強さと野生見溢れるファイトでKOの山を築き名を上げてきました。本番での感性丸出しの野生スタイルは危なっかしいですが、それで全てを掻っ攫ってきたのも事実です。

セコンド力

格闘技においてセコンドのチカラはとても重要です。指示の出し方、信頼関係、そして一番大事なのは「声の種類」です。声と言うか音ですね。声と言う音。味方にも敵にも通る声、これが大きなポイントになると私は思っています。
平本側は石渡さんを筆頭にCAVE勢がつくと思われます。鈴木側は渡慶次選手とおそらく、パラエストラ八王子のゴーゾーさんではないかと推測します。是非、両陣営の声の音には注目して下さい。

期待値の質

選手には多かれ少なかれ必ずファンとアンチが存在します。
SNSを通して色んな声が選手には届きやすくなってます。その質が意外と選手のモチベーションや気持ちの変化に大きく関わって来るのではないでしょうか。平本蓮選手はSNSをフル活用し多くのファンを獲得し、今回も幻想を大きく膨らませてきました。
大きくなった風船を割りたくなるのがアンチの習性なので、平本蓮選手が膨らませれば膨らますほど、アンチは割りたくなり弓を構えて平本蓮選手の風船を狙っています。
ある意味、平本蓮選手の場合はアンチとの戦いでもあるわけです。

鈴木千裕選手の場合は平本蓮選手と比べて発信力、影響力、ファンの数においては、かなり差があります。発信する事があまり得意ではなく、リングの上での戦いで魅せて勝って魂の叫びを聞いてくれと言った感じで、勝って初めて発言出来るモノで、戦いを見て感じて、それから俺のファンになってくれ!俺は試合で絶対魅せるから!そんな感じでしょうか。真っ直ぐなタイプなので、ほとんどアンチがいない気がします。


果たして二人が今回どのような戦いを選択し成長を見せてくれるのか?
鈴木千裕選手が特効スタイルでゴングと同時にラッシュをかけ、一発当ててダウンしたところにサッカーボールキックを決め込むのか?
それを冷静に裁き、昇侍戦と同じようにカウンターで平本蓮選手が秒殺してしまうのか?
組みを混ぜた戦いで終始鈴木千裕選手がフィジカルで圧倒しパウンドアウトするのか?
平本蓮選手が距離を支配し、下から削ってスタンドで仕止めるのか?はたまた誰も予想しない劇的なラストを迎えるのか?

一つ言える事は…
 
この試合は絶対にハズレない事。

そして、終了のゴングと同時に二人の本当の戦いが幕を開けるのではないでしょうか。



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