社会の扉

ある人は電車がホームに入る時死神が来たと歩み寄せる

遠くから鉄を鳴らして進み来る社会を乗せた悪なき恐怖

酔いどれの土塊だったサラリーマン吊革にただ絡みて踊る

片手電話項垂れて泣くあの人急げ頼むと車窓を叩く

帰宅路のいつもの駅の戸が開けばわたしは誰とも無関係だった


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