恐怖

やはり私は作家になりたくて、しかし言うことを聞いてくれない私の頭は、今の仕事で手一杯になっている。
頭を抱える仕事に、それを文字にしようというしたたかな気持ちは大学の門下に起き忘れたのかもしれない。

そんな自分の心との齟齬に、苦しく思う。

一人きりの毎日を支えてくれる友人も、時折連絡をくれる両親、妹も、こればかりは関与出来ることではない。
毎日訪れる、永遠と続く今日に、言い知れぬ恐怖を感じる。
着実に老いていく全てに、身の擦り切れる一人暮らしに、時に能天気な自分に、目は曇り、鼻はかすれ、耳は遠のく。
誰かの言葉を、上手く理解出来ない事がある。
いつかのように、塞ぎ込んでしまうのだろうか。
そんな恐怖も、無くはない。
帰宅する新幹線のなか、あらゆる限界を感じる。

叫べども感情はいま伝わらず思いの丈は明日無に沈む
(あすな)

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