220619-2

 私が意志を用いて私のゲニウスを、私の自然を支配しようとするとしよう。その時私は既に、自然を挑発してかり立てているのではないだろうか。己の自然を徴用物質として立てているのではないか。ここに罠が潜んでいるように思える。

 ずっと没頭というか忘我と言おうか、何か水のなかに潜り込み、時の流れない時空にいるような感覚が頭から離れなかった。そのような時空では、意図することもなく、泡が生まれてくるように何かが生まれてくる。

 これを、意志によるコントロールが緩んで、私の自然が自ら生まれるままに蠢いている時間といえないだろうか。何かここに繋がりが見えてきた、そんな気がする。 散歩をしているとき、私は何かに呼び出され、誘われて、散歩の時間に入り込んでいる。きっと私の自然が呼びかけてくるのだろう。

 ところで、そのような没入の、時が流れない時空にいないときには、私たちはかりたてられ、また、自らの自然を支配してかり立てているとは言えないだろうか。

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