レジームチェンジ

お休みしていたノート再開。書けやーって圧力が強くてね(笑
自伝的なことでも書いていこうと思うんだけど、今日は違う。文字ばっかで写真使えや!という圧力があってね(苦笑

最近ですね、低温調理器を購入したんです。これの調子がなかなか良くて思うところ大だったのでそのことを書こうと思います。低温調理器ってのは電気でお湯をあっためて、ジップロックなどに入れた肉などを低温調理器する調理器具です。なんで買ったかというと、クリスマスにローストビーフを作ろうと思いましてね。YouTubeで色々見たんです。みーんな低温調理器使ってる。有名な料理系YouTuberも、鉄人の坂井さんも道場さんも使ってた。

一般的なローストビーフの作り方はこうです。味付けをした塊肉の表面を高温で焼き固めて肉汁が出ないようにして、バターなどを回しかけるアロゼというのをして下と上からじんわりと火を通して、場合によってはオーブンなどでさらにじっくり中まで火を通す。もこみちさんは玉ねぎを下に敷いて蒸し焼きにする方法をとっていました。いずれにしても中まで火が通りつつ、ウェルダンに焼かないでロゼ色のミディアムレアくらいに留めておく。生肉ってのは危険ってのもあるんだけど、食感がグニグニして食べにくい。火が通っているにも関わらず固くならないことが大事なんです。YouTuberの幸生さんなんかはかなり理論派で(途中からそういう芸風にした)、65度を超えるとタンパク質が変質して固くなるのでそれを越えないように、なんて説明します。

でですね。いくつか動画見てたらまずは火を通してから表面を焼くパターンもあった。固くなった表面を削るパターンもあった。それで考えたんです。低温調理器つかうと水分が蒸発しないのでしっとり肉汁を閉じ込めながら火を通すことができるんですね。表面を焼き固めても、結局汁は出る。いやむしろ汁は出がちになるよう。であれば表面を焼き固める作業は無駄だし、火を通しすぎの元になる。アロゼとか低温調理器の前では無駄な作業ということになる。でも表面を焼くことの意味はあって、香ばしさを出すことができる。でもこれは直前の方がかおりたつ。メイラード反応というのがコンガリ茶色になることなんですが、これは水分があると起こらないで火だけ通っちゃう。

ということで、まずは下味をつけて(このパターンは色々ありうる)低温調理器で火を通してしまう。大きさにもよるけれども少し多めの60度60分。それでそこから肉を休ませたりするんだけど、ここできっちり冷蔵庫で冷やすんです。すると、ほとんど肉汁は出ないままで冷え冷えになる。前日までにここまでやっておきましょう。そこからしっかり水分を拭き取って、なんなら少し乾燥させる。冷蔵庫の中で乾燥させればいい。少しだけ出た肉汁はソースの材料へ。それで、煙が出るくらいの超高温で表面を10秒ずつ4面焼く。6面焼けっていうのは肉汁でないためなんだけど、前述の通りそれは間違ってて焼いた方がどうも肉汁出ちゃうし、もう火は通ってるわけですからそんなことする必要があるもない。大切なのは中まで温かくならないうちに作業を終えること。メイラード反応は起きつつ火はほとんど通らないのが理想で、そのためにもキンキンに冷やして置くべき。あとはほんの少し肉を休ませるとじんわりと室温に戻る。ここが切りどき。ローストビーフは薄い方が好き派と分厚くしたい派の両方がいますね。


出来上がったローストビーフ

個人的にはこの厚さの1/4くらいにした方が好きですけど(笑
もちろん肉のランクも大事だけど、赤みのオージービーフでもしっかり味付けしてうすーく切ると最高!焼き固めるって、実はもう間違ってたんだってのは衝撃でしたね。フライパンだけでやろうとするからそれが正しいってずーーーーっと思われてたのに、低温調理器の登場でそれは間違いだったんだってことが分かってしまった。これがとにかく衝撃でした。むしろ焼くのはメイラード反応起こして香ばしさを付与するだけでいいので、1センチくらい火が通るように1分ずつ6面焼いたりするんだけど、それも間違い。あろぜもいらない。というかやらない方がいい。ずーっと正しいと思われてきたことが、調理過程を分解することができるようになって、実は違ったというのはレジームチェンジだと思うんです。これは本当に凄いことですよ、とクリスマスに1人で興奮していたのでした。

雑煮

なおですね。低温調理器使って雑煮も作っちゃった。鶏肉は適当に切ってだし汁の中に泳がせてそれごと低温調理。野菜もだし汁につけて低温調理。出汁はあっさり別にとっておいて最後に合わせる。優しい!優しいよ!味が!味の大革命やー!

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