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【高齢者】自動車事故【リハ医】

まず、今回の内容は昨今の自動車事故をテレビやニュースなどで得た情報を踏まえ、客観的な立場で自分の考えを書いたものです。閲覧する人によっては不快に感じる表現があるかもしれません。また、ご意見等あればコメントに残していただけますと幸いです。

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高齢者等の不適切な運転操作によって起こる自動車事故。なぜ起こってしまうのでしょうか?

事故を起こしてしまった人が運転を許可されている時点で、周囲が配慮をしていても防ぎようのなかった事故のように思えてしまいます。

SNS等では65歳以上は一律免許を返上すべきだ!いや、若いやつでも危ないやつは沢山いる!都会の高齢者は車いらないだろ!それなら病気の人も禁止にするべき!

などと、偏った意見が往々にして見られますがどうでしょうか?

現状、高齢者等の自動車運転は最終的に免許更新さえ出来てしまえば、本人の判断になっている部分が多いです。家族が止めようとしても乗ってしまいうこともあります。免許更新の際のチェックが甘いと言ってしまえばそれまでですが、他に一定の評価項目が決まっていないのも問題です。

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以下1人のリハ医としての考えをまとめます。高齢者の自動車運転による事故とも密接に関係するので、やや話がややこしくなりますがご了承ください。

1.自動車運転許可のための評価

2.社会全体として出来ること

3.テクノロジーの活用


1.確立された共通の評価方法はない

純粋な加齢に伴う認知機能や身体機能の低下による自動車運転の危険性は周知であると思いますが、脳卒中等でも身体的機能や高次脳機能の低下により同様に考えられます。

運転再開、継続を希望する人は多くおり、その際は机上検査にて運転再開を許可できるか評価し、その後実車評価等まで行い、最終的に運転再開または継続が可能か協議のうえ判断します。

しかし患者一人一人状態は異なるので、難しい判断となります。研究会などでの様々なデータや実態を見聞きしますが、十分なエビデンスは確認できていません。もし、自動車運転を許可したとしても、定期的なフォローは必要だと思います。


2.社会全体として出来ることはないのか?

なぜ高齢者等の自動車運転が必要なのかを考えると、メインは "日常生活を過ごす上で車が必要な状況だから“” だと思います。日常生活というと広義ですが、ここで重要視したいのは、買い物などへ行くための移動手段としてではなく、"社会とのつながりを保つために、車が必要だから"という点です。

いろいろな原因があって、浸透しきっていないと思いますが食事のための買い物等、生活のための限られた外出であればサービスを活用することで自動車の運転が必ず必要ということにはなりません。

プラスアルファで生活の一部に楽しみを入れたい、そのために自動車の運転が必要という人は一定数います。もし、そのような人たちのために地域ごとでもインターネット上でもそれぞれの望むコミュニティーがあれば、車がなくても満足の出来る生活ができるかもしれません。

本人が納得しない!誰が環境を作るんだ!それでもやっぱり自動車の運転が必要!という声が聞こえてきそうですが、

「人が亡くなっています」

そのことを忘れず、同じことを繰り返さないためにも社会全体として浸透させていかなければなりません。自分も1人のリハ医として、これから積極的に関わっていきます。


3.高齢者の運転に限らず、自動車運転そのものについて

昨今テクノロジーの進化はすさまじく、一般車にも自動ブレーキシステム等さまざまな機能が備わってきています。自動運転技術もすさまじく進んでいると思います。

年齢に関係なく、病気や障害に関係なく、より良い生活を暮らすためにテクノロジーの進化、日常生活への普及を受け入れ活用していかなければなりません。

医師特に生活をみるという面ではリハ医こそ今回の問題に対して真摯に受け止め、考えていかなければならないです。最初は1人の医師では何も出来ないかもしれません、ただ少しづつ変えていくためにも活動していかなければなりません。

生活を考えリハビリテーションを行う、コミュニテーを意識する、テクノロジーに敏感になる(リハテック-リハビリテーション×テクノロジー)

はてしない道のりですが、現場で動いていきたいと思います。





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