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Case1. ワークショップをデザインする①

ワークショップデザインという言葉がある。

ワークショップをつくり込んでいくプロセスを、ワークショップデザインと表現される。

ではそのワークショップをつくり込んでいく「デザイン」とは何なのか。「ワークショップデザイン」とは何なのかを解いていきたい。

ワークショップデザインの現在

デザインという言葉も汎用性の高い言葉である。

昔は工業や芸術の現場で使われていた言葉だったが、今はごく一般的に使われるようになってきた。

その反面「デザイン」という言葉1つで、いろんな捉え方がされるようになってきた。

「ワークショップデザイン」この限りではなく、いろんなプロセスが「デザイン」という言葉に集約されている。

そのため人によってデザインの仕方が違ったり、要素として同じでなかったりといった事態が起こっている。

そもそもこの段階からのズレが起こっているので、実際に行われる数々のワークショップの様々なバラつきや齟齬が起こっているのだ。

ワークショップデザインに必要な要素は数多く、つくり込んでいけばつくり込んでいくほど終わりはない。一方で、安直につくろうと思えば簡単につくれる。(だから様々なレベルとバリエーションのワークショップが世に出ているのだが...。)

ワークショップデザインに含まれるレベルと要素を知る必要がある。

「デザイン」の守備範囲①

まずは「デザイン」という言葉に含まれる要素を考えてみたい。

しかしながら、前述の通り現代におけるデザインという言葉の汎用性は高く、定義を1つに絞ることはなかなか難しい。

そこで「デザイン」という言葉が持つ「守備範囲」を探ってみたい。

「デザイン」が指す言葉の範囲がわかれば、ワークショップデザインの考え方も導けるのではないだろうか。

「デザイン」という言葉を考えるとき、1つの方向性は芸術・アートであろう。

美術や芸術分野の大学や専門学校では、デザインが授業の中でも取り入れられている。「かっこいい」「美しい」そんなものがつくられるイメージがある。

一方で、絵画や彫刻等の美術作品になってくると「デザイン」という要素は徐々に薄らいでいくようにも思う。ゴッホやピカソの絵を見ても「デザイン」というよりは「アート」という印象が強い。

ということから考えると「デザイン」の1つの境界は「表現する」ということになるのではないだろうか。

デザインの守備範囲②

では逆の端は何であろうか。

もう1つの方向性は工業・製造ではないだろうか。

例えばプロダクトデザイン、ユニバーサルデザインなど、「デザイン」という言葉が使われるのは工業や製造の現場が多い。

小さなものに限らず、家具や電化製品、建築の現場においても様々なフェーズでデザインがされている。

しかしながら、実際に組み立てる工程に入ると「デザイン」と言われることは稀である。製品は「デザイン」された後「製作」の工程に進むイメージ。

だとするならば、製作の前段階の「設計する」ということ。これが「デザイン」のもう1つの端であるのではないだろうか。

以上の2つをまとめると

設計 ー (デザイン) ー 表現

これが「デザイン」の守備範囲であると考えられる。

デザインの機能

ただしである。「デザイン」を考えるときにもう1つ忘れてはならないのが設計と表現をつなぐものとしてのデザインの役割である。

設計と表現。機会も分野も違う2つが、なぜ同じ言葉で表されるようになったのか。デザインがこの機能を有しているがゆえに、「デザイン」という言葉がいろんな意味で捉えられるようになったと言っても過言ではない。

それは「デザイン」に「組立」という機能があるからである。

デザインはその過程の中で、物事や事柄を整理し、組み立て、見えるカタチ表すということを行なっている。

だから「デザイン」というプロセスの中に設計と表現が含まれるのであり、設計と表現がデザインの境目に位置するのである。

「設計」「組立」「表現」

この3つがデザインを考えるときには欠かせない。

ということは、ワークショップデザインを考えるときにも、この3つの要素で考える必要があるということである。

まとめ

今回はワークショップデザインを考える上でまず「デザイン」の概念の整理をさせていただいた。

デザインは

設計 ー (デザイン) ー 表現

設計と表現の間に位置し、

「設計」「組立」「表現」

の3つの要素がある。

次回はこの3つの要素を基にワークショップデザインを読み解いていきたい。

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和△1金◻︎3◻︎3D30/4w5/INTP/秘密兵器。ワークデザイナー。高校時代に出会った料理人の影響で料理の道へ。「素材を活かす」料理の考え方は人材にも通ずると信じ、その人が持ち味を“思い出す”自己変容を描くセッションや研修を実施中。