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Epicross8. サポートの視点

能力開発の視点で見たときに、支援とかサポートにはいろいろある。

組織や団体とかで言えば、運営方法や会計事務、広報の仕方等、営利非営利を問わず様々な団体や組織から様々な講座や相談会が開催されている。

講座によって人気があったりなかったり。

初心者から上級者まで、各段階において支援がなされているわけだが、その支援は本当にためになっているのだろうか。

支援に効果がないと言いたいのではない。

支援がニーズを満たしているのかどうかである。

では、受ける側の支援のニーズにはどんなものがあるのか。

知識の支援と経験の支援

わかりやすいサポートの1つは知識の支援である。

端的にいうと「知らないことを教える」こと。

そもそも相手はわかっていないことを聞きに来るという前提があるのだから、知識の支援は受け手のニーズである。

もうちょっと範囲を広げていうと、メカニズムの解説なども知識の支援である。

なんとなくわかってるけれども言葉にならないようなことの仕組みや原因等を理論や考え方で顕在化に置くこと。

直接的な知識ではないが、知らないことを教えるという意味においては同じである。

いわゆるteachingと言われる視点。

これは受け手の大きなニーズとして存在する。

2つ目が経験の支援。

「実際にやってみる」をサポートすること。

知識の支援では、知らない事柄に触れることができるが、知った事柄が本当に身についているかどうかはわからない。

聞いているときはわかったけれど、実際にやってみるとあまりよくわかっていなかったってことはよくある。

なので、サポートのタイミングで実際にやってみる機会をつくるのである。

ワークショップや体験的学習なんかがまさにそうで、身体を通して学ぶことによって、実体験として身につく。

teachingに対してのcoachingの視点がこれに当たるだろう。

機会の支援

支援としてもう1つあると思うのが機会の支援である。

「やってみるキッカケ」をサポートすること。

物事がうまく進まないとき、その原因が能力や知識、方法に問題があることはもちろん多いが、それ以上に大きなウェイトを占めているのが、実際に行うキッカケである。

やろうと思えばやれるけど気が向かない。

方法は知っているけどめんどくさい。

「それはそいつの問題だろ!」と言ってしまえばそれまでだが、実はこの要素は大きい。

何か物事が起こらないとき。物理的に制限する要素がないのに事態が変化しないとき。引っかかっているのは「キッカケ」かもしれない。

サポートは得てして物理的で見えるカタチになりがちである。

「キッカケがない」という心理的なブロックを外してあげるのも、有効な支援なのだ。

キッカケを支えるということ

「キッカケの支援」を考えたときに何をすればいいのか。

キッカケを支えるサポートの1つとして「やる理由になる」がある。

自発的に考えたことはやらなくて困るのは自分だけだが、相手から頼まれるとそうはいかない。

やるのがめんどくさかったとしても、誰かから言われるとやらざるを得なくなる。

自分の気持ち以外に理由ができるのだ。

あとは「雰囲気の一部になる」もできる。

何をするにしても、プライベートスペースでは1人ではついついだらけてしまう。

何はなくとも同じ空間に人がいるというだけで、気持ちも変わる。

カフェやコワーキングスペースで仕事が捗るのと同じ理由だ。

「能力や経験に関係ない見えない部分」の視点でのサポートである。

背中を押すということ

支援やサポートは言い換えると「背中を押す」ことなのだと思う。

「背中を押す」とは、必ずしも効果が目に見えるカタチで現れることだけではない。

それはもしかしたら「ただ一緒にいる」だけなのかもしれない。

でもその「ただ一緒にいる」は、ものすごく大きな後押しかもしれないのだ。

背中を押す行為には、正解がない代わりにその人の内面がそのまま出てくる。

その人の内面が乗っかったサポートは、どんな合理的なサポートよりも響いたりする。


和△1金◻︎3◻︎3D30/4w5/INTP/秘密兵器。ワークデザイナー。高校時代に出会った料理人の影響で料理の道へ。「素材を活かす」料理の考え方は人材にも通ずると信じ、その人が持ち味を“思い出す”自己変容を描くセッションや研修を実施中。