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ワークショップでの創造性について

今回は創造性のアナロジーと構造化について書きたいと思います。
ざっくりいうと意味を剥がして新しい解釈を取り入れようです。

今年は後半から様々なワークショップにプレイヤーとして参加させていただく機会がありました。その幾つかは1日か2日でアイデアからソリューションまで落とし込むサービスや商品開発のワークショップでした。

いくつかのワークショップでは連想アナロジーでアイデアを出すことがありました。カードを使ってアイデアを飛躍させることもありました。が、、、商品になっても使いたくないかも...生活が豊かになる気がしない…グループ制作だと言い辛い…と…困ることがあります。

単純なものしか出てこない場合は、隣り合う連想アナロジーが原因です。
連想を繰り返すこと、3つめ辺りで前2つの並びから全然違うものを考えてみる、人とアイデアを交換する、ものを抽象化してみるなどで飛躍はできます。

ただ….デザインリサーチを研究していることもあり、もう少し文化的に考えたい。。
私はデザイナーなので、好きなものをただ造るのではなく、文化や歴史、対象人物を考慮して自由に話しながら造る事は出来ないか…と思い、なんとかカルチュラル・スタディ的な考えを取り入れたいと考えていたところ、建築家の田根剛さんがまさにその手法をリサーチに取り込まれていました。田根剛さんは考古学的リサーチをされている方で、ツリー構造を使われています。👉田根さんの考古学的リサーチ展示の様子)

人間は他の動物と違い、ツリー構造を見出し作ることができる生き物です。
人は自然に構造化して文脈を作っています。幼児でも作れ意味を理解していなくても作れます。
音楽や、道具を使った行為、言語、数学はツリー構造でできています。
文化的記憶のツリー構造を観察し、どこを掘り下げたいか話をしたり、一部を因数分解的に変換したり、点と点のつなぎ方次第でユニークで希望あるものにすることができます。人や生物によって国によって主観が異なるため構造の見出し方が違うため見立てが変わります。デザイナーにとってはここが腕の見せ所かも知れません。自分が信じる文法(音楽や考古学etc)の元、初期の起点は複数あっても良いし、足したり引いたりして作ります。また、それぞれの主観が違うため正しいを置きにかかる発言者にとっては揺さぶりの時間にもなるのではないでしょうか。

ツリー構造は個人のカテゴライズとラベル付けで成り立っています。
田根剛さんのツリー構造は記憶の考古学でした。
もしもダヴィンチがツリー構造を造るとしたら、ものの内部構造や媒質を含む構造になったのかも知れません。
坂本龍一は文法のない音楽を作っているためどのようなツリー構造になるのでしょうか。
とある起業家ならどう作るでしょうか。
エンジニア寄りの方は滝のように直線的に物事を考える方が多いため、ツリー構造化は早いかもしれません。デザイナーは物事が決定してからも、ひたすらアイデアを探し続けるので少し遅いかもしれませんが、制作物を中心にお互いが話し考えることで得れるものは大きいように思います。

もう一つ人間の行為について注目したい事があります。
先日このような記事を見つけました。

👉(上記を読んだ方の記事)

人は言葉を覚える事で、抽象化したりシンボル化する技術を得る事ができるそうです。(論文は読めていないです。すみません)
📃サヴァン症候群の方は言葉を覚えると同時にシンボル化する技術を身につけたのかも知れません。また人は3歳頃から文脈ある言語を話し出すようです。
📃ヘレンケラーは5歳までに身振りの言語を手に入れたようですが、「知性と想像力は、家族を困惑させました」とのこと。

美大ではお作法としてデッサンを身につけます。
写実的な絵は言葉を覚える本能による抽象化とは逆の行為。デッサンによって忘れさられる行為を呼び戻しているのかも知れません。
普段しない行動を身体化し、規律を破る事で個人の能力が最大化されるのかも知れません。茶道や華道、他分野学問のお作法も道理なのかも知れません。
デッサンに必要なマテリアルやものをよく視るには観察力が必要になります。それに関しては少し古い本ですが、下記の本によく書かれています。
人とビジュアルやモノとの関係性の観察はワークショップの方が得意ですね。

👉ブルーノ・ムナーリは世田谷美術館にて1/27まで展示をしていますので、
ぜひ行かれてみてください。

参考文献:
「喪失と獲得」ニコラスハンフリー(著)
https://bijutsutecho.com/magazine/news/report/18670
http://sengakuhisai.com/3sai-kaiwa-donnakanji/
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25646520
https://www.researchgate.net/figure/A-Illustration-of-perisylvian-connectivity-structure-in-macaques-chimpanzees-and_fig1_313687717

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