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デザインリサーチの歴史 (欧州)

未来に向けてまだないデザインを考える。WSでもそういったデザインを考えることがあります。
「どこまでが今ある技術でどこからがデザインなのか」そういったことを科学者の人と話すことがありました。そして未来のデザインを考えるには、歴史や文化的背景が必要な場合もあるのではと考えています。例えば、未来の都市や政策、地域の問題ではそういった背景が必ず必要になります。

1999年 イギリスでは「カルチュラル・プローブ(文化探査機)」というデザインリサーチの手法が用いられています。インタラクション・デザインの領域でよく知られている手法です。

余談ですが文化や過去の研究をカルチュラル・スタディーズといいます。

欧州でのリサーチは過去や文化的な背景から調べるのが普通で一週間もリサーチ期間があれば、3-4cmくらいの紙束のリサーチをしてくるようです。
スペキュラティブデザインを学んだ人は特に調べるのが得意でリサーチャーとして働く人も多いようです。

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「カルチュラル・プローブ(文化探査機)」について
新しい技術によって人間環境のなにが変わるのかということを拾い集める探査機のような目的に基づき、インタラクション・デザインの領域ではよく知られている「カルチュラル・プローブ(文化探査機)」というデザインリサーチの手法が用いられています。そして、この手法の開発者のひとりがアンソニー・ダンです。アンソニー・ダンはデザインリサーチの世界でも成果を残してきた人物でして、そういう流れのなかで2008年くらいに「スペキュラティヴ・デザイン」を提唱したと考えるほうが妥当でしょう。彼は進化する技術と前提に、試作としての作品を通していろいろな立場の人と対話をし、議論をしながら答えを見つけていくための急進的な方法、あるいは「態度」を生み出したのです。

カルチュラル・プローブ(文化探査機)が提唱されるまでは1993年、当時RCAの学長であったクリストファー・フレイリング(Christopher Frayling)が「Research in Art and Design」という論文において、3種類のデザインリサーチの方法を提示しました。
1.「Research into Art and Design」論文を書くこと
2.「Research for Art and Design」論文を補完する意味での制作をすること
3.「Research through Design」制作を通して問題の所在を明らかにし、解決案を模索する」
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スペキュラティブデザイン参考資料から引用
http://10plus1.jp/monthly/2016/04/issue-01.php




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