重ね貼りの箇所に発生するモアレ
「重ね貼りの箇所に発生するモアレ」の原因ははっきりしていて、「線数の違うアミを重ねた場合」必ず発生します。
「線数」の詳しい説明はここでは省きますが、コミスタでは「L」という単位で表示されていた項目です。
数値が高いほどドット同士の間隔が狭くなり、結果的に同じ濃度のアミでも線数が高いほどドットのサイズが小さく、目が細かくなります。
このアミの「線数」という単位は別にクリスタ独自のものではなく、印刷物全般で共通する設定項目になります。印刷屋さんに「60線のアミ」と言っても普通に通じます。
この「線数」が違うアミを重ねた場合、これはどうがんばってもモアレになります。
クリスタでもPhotoshopなどでも、アナログでも同様です。また、濃度は関係ありません。
アナログの場合、片方を微妙に回転させたりシートを物理的にちょっと引き伸ばしたりして、モアレの箇所をうまい具合にグラデーションとして使う、などという力技もありますが、デジタルの場合はそこまで微妙なドット配列の回転は難しく、「一部を引き伸ばす」というのも無理ですので、その方法は諦めてください。
また、同じ線数同士を重ねても、ドットの並んでいる角度が違っている場合はモアレになります。
こういった重ね貼りは影などの表現に使うことが多いと思いますが、影の部分などのトーンの重ね貼りに発生するモアレをどの程度気にするかは人によります。
例えば、服に貼ったトーンと影に使うトーンの線数が違う場合、服の部分の影はモアレになりますが、気にならない人はそれでかまわないと思います。
影部分のモアレ
ノイズトーンの上に重ねたアミは特にモアレにはなりません。
また、重ねた片方のアミの線数が極端に低く、目の粗いドットの場合などは、モアレはほとんど気にならない場合も多いです。
こういった貼り方の場合、「目の粗いドット」は「グレーの代替」ではなく「効果」としてドット表現が使われていると思いますので、あまりモアレに神経質にならなくてもいいかと思います。
重ね貼りのモアレもやっぱり気になる、という場合のモアレを避ける重ね方はまた改めてまとめたいと思います。
アミの線数を揃えてモアレを抑えた影
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