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現代競技かるた技術論〜ほんとは教えたくない、名人粂原圭太郎の頭の中〜


【はじめに】


2019年1月5日、ついに念願だった名人位を獲得することができました。その後、ツイッターやインスタグラムでかるたについて発信していると、「かるたの本が読みたい」という声をたくさんいただきました。これまで6冊ほど書籍を出版させていただいたのですが、残念なことにかるたに関する本は一冊もなく、現在も出版社さんからのご依頼はありません(涙)
また、twitterの質問箱には700件以上のご質問をいただいており、どこかで回答しなければと思った次第です。じゃあ、noteで出版しちゃおうか!というのが、今回筆をとるに至った経緯です。

競技かるたは、100年以上の歴史を誇ります。また、末次由紀先生原作の「ちはやふる」効果で、競技人口は爆発的に増えています。しかし、まだまだ競技かるたの上達に関する書籍は少ないのが現状です。この本が、かるたでもっと上達したい人に少しでも役立てば幸いです。

なお、このnoteは買い切りですので、一度ご購入いただいた方はその後もずっと更新内容を読むことができます!(5月中には、今回書きたかった内容全てを更新できる予定です)

【強くなるとは、どういうことか?】

あなたは、「強くなる」ということをどのように考えていますか?
・札を取るスピードを速くする
・速く取れる札を増やす
・お手つきを減らす
・遅くても、相手より早く取れる札を増やす
・相手の調子を崩す
・攻めやすい場を作る
・守りやすい場を作る
・相手からは取りづらく、自分は取りやすい配置を作る
などなど、様々な要素があります。
また、かるたにおいて新しい技術を習得しようとすると、1つのことを意識するとこれまでできていたことができなくなったりもします。あちらを立てればこちらが立たずという状態になりやすいのも、かるたの奥が深いところです。

本書では、上記した事柄についてだけでなく、様々な観点から競技かるた上達の方法を僕なりに書いていこうと思います。

はじめに断っておきたいのですが、各項目はあくまでも上達のヒント、コツですから、読めばはい今日から即上達という風にはいきません。なかには、実践することで調子を少し落としたりすることもあるでしょう。本書で解説したノウハウを実践し、自分の感覚に合ったものを取り入れてみてください。(もちろん、中には万人におすすめできるノウハウもたくさんあると自負しています!)

【かるた上達に必要な3つの意識】

まず、かるた上達のために僕が不可欠だと思う「3つの意識」についてお話します。僕が15年以上かるたをしてきて、「強くなる」とはどういうことか考えつづけた結果、特に大事だと思ったものです。以下述べることを意識して練習するだけで、これまでの練習よりも効率良く上達できるはず。ぜひ意識をしてみてください。

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