見出し画像

ヌン活

10年程前によく訪れたホテルがある。

なんとなく懐かしくなって再びそのホテルを訪れたのはそれから5年後。
今からだと5年前のことになる。
訪れたのが日曜日とあってたくさんの人。
ホテルのラウンジには入れず、仕方なく周りを散策したが、あの頃のわたしは孤独感と胸も張り裂けるような寂しさの感情を来る日も来る日も24時間まとい、本当に辛い毎日を過ごしていた。

昭和レトロな雰囲気を模した建物の中に入ったが、暗く、狭く、人もまばら。
気分を盛り上げてくれるBGMも無く、孤独だったわたしは寂しさで過呼吸になりそうになりながら外へ出たのを覚えている。

近くにほんのちょっとした森のような場所があったのでそこに逃げ込み、緑の木々や流れる水に心を癒やしてもらいながら歩いていると、満員で入れなかった例のホテルのラウンジ横のレストランに出くわし、そこで食事やお茶を楽しんでいる人たちを見ていた。

あれから5年後の今日、ホテル近くに用があったので予め予約を入れ、そこでアフタヌーンティーを楽しんだ。

ホテル到着前、5年前に過呼吸を起こしそうで逃げる様にして出た昭和のビルにも入り、当時を懐かしく思いながら歩くわたしの心は浮き足立っていた。 
あれから立ち直った自分が嬉しかった。

そしてホテルのレストランにて椅子に深々と腰を下ろしたわたしは、当然5年前のことを再び回顧していた。

あの頃は年甲斐もなく可愛いものが好きだったが、着るものの趣味や香水の香りも今はずっと落ち着いたものになった。

寂しさから自分を消耗させるだけの人間関係にピリオドも打てず、いつも不安に揺れていた自分。あの頃の自分が今目の前にあらわれようものなら、思いっきりスリッパで頭をぶん殴ってやりたい!

そんなことを考えながら窓の外に目をやると、すぐそばを流れる水の中にたくさんの鯉が泳いでいる。

はからずしも5年前のわたしが外からお茶を楽しむ人たちを見ていた視線の先に…今自分が座っていた。

そして思った。
人生ってよく出来てるなー。

本当に本当に、今日でやっと一区切りついた気がして、これから人生が変わっていくような夢を描いた。

とても有り難い1日だった。



我が家のトイレの壁には、5年前にわたしが書いたメモが今も貼ってある。

「本当に物事というのは良い流れにしかならない」

そう書いて5年も経つのに、今日もまだ、幸せになると決めずに、人生が変わっていくような夢を描いている。

今日はじめてそこに向き合ってみて、はたと気づいたことがある。
自分は100%、幸せになることに罪悪感を抱いていると。

自分が幸せになる事を抜けがけのように思っていたのだ。
まわりを見渡してみれば私なんかよりずっとずっと幸せで、ずっとずっと豊かな人はたくさんいるのに。

抜けがけ…そうか、これは傲慢な思いだったんだ。

もういちいちややこしく考えないで、思考をストップさせてみたい。
なにも考えないでいたい。

「右脳さん左脳さん」というタイトルの本を出版されたネドじゅんさんが好きだ。


「…………引き寄せでも意識変容でも。

あなたの身体の形。
その内側には社会や他社への遠慮なんか1ミリも入れないこと。

その形の内側は、濃度の高いあなたで100%埋めときましょう。

入りこませてしまってたら、いますぐ押し返して自分感覚で埋める。
これが存在責任。

理屈も過去も関係ない。
いま!すぐ!」

ネドじゅんさんの言葉です。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?