感情という波に
感情や気持ちというのは、それを素直に感じる感性がなくなってしまうととても厄介なものだと最近とても思う。
感情の波が、とか、感情が昂ぶって、という表現があるが、あれが自分の中で起こっている時というのは言わば大時化で荒れ狂った海に小舟で放り出されるようなものだ。少なくとも私にとっては。
本当に大事な感情の波は実はとても小さくて、そこに地形や風が影響していく。 それは本来ゆっくりと受け止められるべき感情を必要以上に大きくして、そして私を飲み込んでしまうのだ。
その風や地形は何でできているのだろうと考える。
それはおそらく今までの経験や常識、環境、周囲の影響だろう。
それらは私の感情に良い影響を与える時もあったはずなのだが、今はただただ厄介でしかない。
防波堤を作れば良いのだろうか。
地形を埋め立てれば良いのだろうか。
それとも感情の海が遠浅になった一瞬に、その堆積物を少しずつ取り除けば良いのだろうか。
何が堆積しているのか。
匂いはあるのか。
おぞましいのか。
美しいのか。
どのような方法でも良いのだが、とりあえず私は波を鎮めるべく奮闘する。
大きくなりすぎた波で、大切な人を傷つけないために。
大事な言葉や気持ちまで、岩で砕いてしまわないように。
美しかった思い出を、遠く波がさらっていかないように。
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