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家族でも親戚でもない、おじいちゃん・おばあちゃんと交流のすすめ

大学に進学してから、おじいちゃん・おばあちゃんと会うのは年に1回程度になりました。さらに、コロナ禍でなかなか会えず。久しぶりに会った祖父母は、弱々しく、小学生の時にたくさん遊んでもらった姿ではありません。そして、変わっていく姿に怖さや不安を感じるようになりました。「家族」という関係の中では、素直にさみしさを言葉にできず、頻繁に会いに行くこともなかなかありません。

きらくサロン

きらく荘では、谷地頭町にある老人福祉センターで月に1回「きらくサロン」という活動を行っています。

谷地頭老人福祉センターは、函館市内に住所を有する満60歳以上の方が利用できる施設です。老人福祉センター内では,医師・保健師による健康・保健相談,教養を高めるための趣味・娯楽の教室や各種講座を開催しています。(函館市HPよりhttps://www.city.hakodate.hokkaido.jp/docs/2014032800260/)

 この活動を行うようになった背景には、「高齢者にとって、目的を持ち自分の足で家を出ることは、健康への一歩」という考えがあります。センターを運営している方から、「利用者の方が大学生と話した時、いきいきしていたので、きらく荘の大学生とも関わりを持ってほしい」というお話しを頂き、きらくサロンが始まりました。

きらくサロンが終わると、毎回「楽しかったよ、ありがとねー」と言って頂いています。ただの世間話会ですが、私たちも函館の歴史や方言を教えてもらうことができ、とても楽しいです。

おしゃべりするだけ?と思いますよね。

はい、おしゃべりするだけです。きらくサロンでは1時間、世間話をしています。孫世代である私たちと何をしたら楽しんでもらえるんだろう?と考え、まずはゆるくゲームをしながらおしゃべりしてみよう。と始まったこの企画。気づいたらもう3回目でした。おしゃべりに夢中で、ゲームはいまだに一度もしたことありませんが・・・

老人福祉センタ―では、ヨガ教室や健康体操、囲碁教室などが行われています。そんな中、お話しをして仲を深めていくきらくサロンにはどんな価値があるんでしょうか?

まちの顔見知りが増える、きらく荘の認知をしてもらえる、などなど良いところはいくつかありますが、その中でも一番の魅力は「普段交わることのない世代が関わりを持てること」だと思います。

「核家族」や「孤独死」という言葉をよく目にします。これらは「家族」という小さなコミュニティで解決できるものではありません。これからさらに、多世代の新しい関わり方を模索していく中で、きらくサロンの価値が生まれていると思います。「家族」や「近所」という枠組みにとらわれない交流は今後も必要とされます。私は、どこに暮らしていても、積極的に地域に出ていきたいと思います。

雪だるまのおじいちゃん

もう一つ。谷地頭町の表参道には雪だるまが4つあります。

顔もついてて、かわいい・・・(ちなみに4つともお手製の表情がつけられています。)

この雪だるまを作っているのは、谷地頭町に住むおじいちゃん。たまたま雪だるま整備中にお会いして、立ち話もしました。小さな交流が生まれ、年賀状を送ると、こんなツイートが届きました。

これは、雪だるまを作るおじいちゃんのお孫さんから届いたメッセージです。

色んな交流の仕方がある中で、SNSでのつながりは希薄に思われたり、時には鬱陶しく感じるつながりかもしれません。しかし、SNSだからこそ離れた人ともつながれる。家族以外からも、故郷やおじいちゃんの様子が入ってくる。「つながり」「交流」の形はこれからも変わっていくと実感しました。

小さいけれど、きっと必要なつながり

きらくサロンの利用者も雪だるまのおじいちゃんも、家族でも親戚でもありません。高齢化や核家族化が進む現代だからこそ、一人ひとりが多世代と、ささやかな交流を持って生活することが必要です。普段の小さな関わりは、時に誰かを救うことになるかもしれません。

ぜひ、家族じゃないおじいちゃん、おばあちゃんと関わりを作ってみてください。心地よい距離感で新しいつながりが生まれていきます。

遠く離れた家族になかなか会いに行くことができなくなってきました。山形・青森にいる祖父母も、地域の誰かにそっと見守られ、社会との関わりの中で暮らしていることを願っています。私も、誰かのおじいちゃんやおばあちゃんをそっと見守りたいと思います。

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