1月14日という休日を思う存分味わうために。

これは、久しぶりの休日を謳歌したい眼鏡の話である。

朝。目が覚めた時間は確か8時。昨夜2時には意識を手放していたと思うので6時間は眠れたはず。久しぶりに両手で数えるほどの睡眠が取れたので嬉しさ満点だ。

8時なんて普段では遅い方だが、今日は久しぶりの休日。誰にも怒られない。何をしようかと、心弾ませる。

予定では慣れないバイクの運転。写真を撮り、映画を観に行くはずだった。
そう、生憎今日は雨。しかも寒い。こんな日にバイクに乗ったら瞬間冷凍されてしまう。

じゃあどうするか。それを考えるのが午前中だった。久しぶりにwritoneを開きながら、掃除をしながら、考える。

休みの日の時間の使い方は考えるだけで、とても心がワクワクする。

Twitterを開いた。
「創作のテーマを決めッター」という診断メーカーをやってみる。

ちはやふるを始め、百人一首の興味は割と昔からあって、でも全てを覚えているかといえばそうでもなく。ふむ、図書館へ行くか。

午後の予定が決まった。

以降は本を読みながら、改めて好きだったなぁと思ったものをいくつかあげてみる。

かくとだに えやはいぶきの さしも草
さしも知らじな 燃ゆる思ひを

私も奥手なので、このいじらしさはとても分かるなぁと。あと、「かくとだに」の響きが好き。

久方の 光のどけき 春の日に
しづころなく 花の散るらむ

穏やかな春の日。情景が凄く好きで、あっという間に散る桜を見て感じる心は時が経てども変わらないのかと思うと嬉しくなる。

八重むぐら 茂れる宿の 寂しきに
人こそ見えね 秋は来にけり

私の生家も同じようなもので、家は寂れども春には八重桜、夏にはカエルの大合唱、秋は玄関にある金木犀が香り、冬は山茶花が手入れもせずとも咲き乱れる。これは共感の一首だ。

まぁそんな感じで十首ほど。好きな百人一首をノートに書きあげて、Twitterに１つ投稿したところで夕方になっていた。こりゃはやい。

図書館から出ると外は寒く身震いがした。
これはイカン。ということで近くのうどん屋さんに寄ることに。ものの5分で月見うどんを食べ終え出ると寒くても歩けるようになった。

実はまだ予定がある。

ズンズンとケーキ屋さんへ入った。

今日は長年の夢だったケーキのホール食いを叶える日にしようという計画をたてていたのだ。

ショーケースの下の段にはお目当のショートケーキ(ホール)がある。ケーキって何でこんなに輝いているんだろう。何を買うかは決めているのに見惚れてしまう。

意を決して「これください！」と言うと

「無料でプレートをお付けすることが可能ですがどうされますか？」「ロウソクはお付け致しましょうか？」と質問攻め。

思わず大丈夫ですと断るも、プレートは欲しくなったので、「やっぱりください！」とお願いした。プレートを食べることなんてそうそうないからこんな日ぐらいはね。

「文字はどうされますか？」

「………おめでとう！おめでとうでお願いします！」

※企画の祝いとホールケーキ1人食いおめでとうの意味ではあるが、ここは誰かの誕生日ケーキであるような顔をしていた。

それがこのケーキだ。

「おめでとう」というだけのプレートも中々シュールである。ここのイチゴは本当においしい。タルトもおいしい。ホールケーキを買ったおかげでポイントカードがたんまりたまった！

最高か〜！！

そういや大人になれば生クリームで胃がもたれることがあるって誰かが言ってたよなぁ…。

あれ？

このケーキ、30分で食べ終えてしまった。
長年の夢が30分で消えたのだ。
割とショックに近い。

誕生日でも記念日でも何でもない日にケーキを買ったけれど、こういうのもたまにはいいかもなぁ。

幸せを噛み締めるような大人の余裕はなく、貪り食ってしまった私だが、今日という日はとてつもなく幸せだった。しあわせな休日だ。思う存分味わった。ごちそうさまでした。