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リスク・コミュニケーションⅡ

緊急事態宣言に関するニュースですが、宣言には触れず、今日は「リスクコミュニケーション」についてコメントします。

1.
「リスク」とは、将来何か悪いことが起こる可能性のことです。起こるかも知れない、ということは、まだ起きていないこと。ニュースは目の前に見えている世間の反応や起こった結果を伝えますが、見えていないこと、「リスク」は伝えてくれません。

「コミュニケーション」って何でしょうか。情報を「伝えること」ではありません。情報が「伝わること」です。伝える側、伝えられる側の双方で、共通認識が持てる状態が「コミュニケーション」です。

従って「リスクコミュニケーション」とは、「見えない脅威に対する共通認識」のことです。


2.
菅総理、小池都知事、尾身会長。この方々が何を脅威として捉えているのか。ニュースでは伝えられません。この方々と認識を合わせるためには、発せられる本人の言葉に注目しないといけません。

ただ、記者会見は要注意です。
質問する記者は情報伝達のプロ。どんな質問をすれば、どんな答えが返ってくるのか、分かった上で質問の仕方を工夫しています。

そのため、質疑応答ではなく、まず本人の発する言葉に注目すべきかと思います。カンペを読んでいると揶揄されますが、誤った伝え方は誤解を招くため、何度も推敲されたメッセージを伝えるという目的の上で、原稿は事前準備されています。

私は、同じ認識を持つためには、同じ資料を眺めることが有効かと思っています。会議資料を眺めていると、政治家や専門家がどんなことをリスクと捉えているのか、一年続ければ色々と見えてきます。


3.
「リスクコミュニケーション」に関する記事をいくつかNPにピックしました。感染拡大の波を防ぐための鍵の一つが、この「リスクコミュニケーション」だと思っています。

★リスクコミュニケーションで皆が望む社会をめざす
https://www.igaku-shoin.co.jp/paper/archive/y2021/3417_01

★ ワクチンの副反応を報じる時は… 過去の失敗を繰り返さないため、尾身会長がメディアにお願いしたいこと
https://www.buzzfeed.com/jp/yutochiba/omi-vaccination-2

★ リスク対策の鍵・科学コミュニケーションの体制整備を急げ
https://news.yahoo.co.jp/articles/e1492d447c5dd500ffca05d34ac816aad359ef4c


[2021.04.22投稿]いいね:15


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