無知が無恥となるとき

恥:世の人に対し面目・名誉を失うこと。

面目:世間の人に合わせる顔。体面。

何も知らなければ(無知)、面目も知らないわけで、恥とはならないので、無恥となります。

これが、あたらしい社会像となるのでしょう。

なぜなら、知っていることや正しいと思ったことは、ビッグデータの中でつねに覆される可能性があるから。だから、世間が存在しても合わせることに躊躇します。よいことがわるいことに変わるかもしれないので、合わせていればいつかはワルモノになってしまう。

だとすれば、慎重な言動になるかと思いきや、そうとはならない。日常の満足・不満足をあるがままに盛りに盛って「超超・・・」の表現の止まることを知らぬ会話が飛び交います。そこに善悪の判断はありません。

正しいことは人工知能が行い、その判断にゆだねた人間はとりとめのない情報をやり取りする・・・。「知っていること」を重要視する時代は終わり、感情でモノ・コト・トキを費やす文明となります。

知っていることの情報源は人工知能にありますから、敢えて自身の記憶力をひけらかす必要は無くなるのです。知らなければ聞けばいい、その文明社会となります。

モラル違反は人工知能が指摘するモノ・コトであって、モラルに沿う言動に自動変換され ”世間” に出回ります。ですが、そのモラルはビッグデータの中で度々基準が変わります。ですから、発言がどんなモラルを着て世の中に飛び出すのか、当の本人にはわからないのです。自身の発言がどんなモラルで世の中で認知されているのか。不明なまま、いつとはなしに善悪の中で翻弄されていく・・・。

戦争と世間。これが、これからの時代、どんなモラルの中で語られ、どんな発現(発言)となるのか。世間体の悪い無知を人工知能に指摘され、逆ギレした不満満載の言葉は、丁寧な戦争賛美の言葉に自動変換される時代なのかもしれません。そんな、日本になっていく ”怖さ” がありました。


モラル:倫理。道徳。習俗。また、生き方に対する真剣な反省。


「日本人はどこへ行く 平成から次代へ(5) 」日経新聞 下記リンク参照


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