元気の秘訣
会社に着くと、駐車場の隣に住んでいるおじいちゃんにときどき話しかけられる。
おじいちゃんは今年86歳らしい。そんな年齢を感じさせないぐらい、おじいちゃんは若々しいし、話す内容も面白く元気をくれる。
奥さんが20年前に他界されてから、平屋のこじんまりとした家に一人で住まわれているがおじいちゃんはいつも朗らか。
驚いたことに、20年前に奥さんが亡くなってから一度も外食をした事がないらしい。本当に驚いた!
かましんで買った食材を使って毎日自炊をしているそう。元気の秘訣の一つはここにあったのか、と思う。
おじいちゃんは園芸も得意だ。
家の前の花壇には季節ごとに違った花々が咲いていて、家の前を通る人を飽きさせない。現に私もその1人。
3日前くらいのムシムシと暑い日、花壇を見ると見たこともない綺麗な花が咲いていて、なんだこれ!と眺めているとおじいちゃんが家から出てきて説明をしてくれた。
見れば見るほど本当に不思議な花である。
この花は、パッションフルーツの花らしい。
最近は花粉を運んでくれる虫がいないから、筆を使って受粉の手助けをすることも大切な自分の役目なんだと嬉しそうに話していた。
おじいちゃんがパッションフルーツを育てていることにもびっくりしたが、こんな花壇の一角で育てられるような植物でもないだろう。
おじいちゃんのこまめで丁寧なお世話のおかげできっと花を咲かせてくれたんだなあと感じる。
花が咲く日を待ちわびていたのか、花を見る姿がすごく嬉しそうで、元気をもらった。
パッションフルーツの実が成ったら、あげるからね。
おじいちゃんはそう言ってくれて、その日がすごく待ち遠しい。
きっと甘くて美味しいはず。
おじいちゃんが作ったパッションフルーツ、早く食べたいなあ。
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