昔から現在までのホラー論
【ホラーとの出会い】
初めてホラーを観たのは小学校3年生の頃で「チャイルドプレイ」でした。
レンタルビデオ屋さんでパッケージを観て
「怖そうなビデオだな、借りてみよう」
と怖いもの見たさで友人と借りて帰宅し、家のビデオデッキにセットして鑑賞。
チャイルドプレイの殺人鬼であるチャッキーの電池が入っていないのにトーキング機能が作動している事に気付いた瞬間、チャッキーが襲ってくるシーンがあり、それと同時に部屋を飛び出して逃げました。怖かったからです。
ビデオの停止を母にお願いし、続きを観ないまま返却。これがホラー映画との出会いですね。
【ホラーへの目覚め】
小学校5年生になり、再びリベンジとしてチャイルドプレイを借りました。
友人には「めちゃくちゃ怖い映画があるから覚悟してね」と言い、レンタルしたのを覚えています。しかし、映画を観てみると僅か2年の月日で『怖い』という感情から『面白い』という感情に切り替わっていました。
そこからは、恐怖心を持っていた「13日の金曜日」や「エルム街の悪夢」や「ハロウィン」など所謂王道洋ホラーを観るようになりました。
小学校から帰宅するとレンタルビデオ店へ行き、ホラー映画をレンタル。そして、ホラー映画鑑賞、カートゥーンネットワーク鑑賞、スーファミのどれかというルーティンが出来上がりました。オタク気質なKの誕生です。
両親はとても心配していました(笑)
【周りに理解されないのがホラー】
小学生でホラーの世界に魅了され、中学、高校、そしてそれ以降もたくさんのホラー映画を観てきました。
皆さんも経験はあると思いますが、ホラー映画が好きという人には滅多に出会いません。ホラー好きを隠している人すらいます。
なぜなら、ホラー映画が好きと言うと
「悪趣味」「ヤバい奴」「人殺しそう」「変わり者」
など偏見の目で見られ、勝手に変人のレッテルを貼られるからです。
でも、僕はホラー好きを公言していたし、それを恥じたことも一度もないし、それにより劣等感を感じた事もありません。
なぜならホラー映画が一番のエンターテインメントだと思うからです。
もちろん、他ジャンルの映画もとても面白いと思うし、素晴らしい作品は多いと思っています。ただ、『僕自身』が一番楽しめるジャンルが『ホラー』なのです。
誰の心の中にも強く存在している絶対的感情は何か?それは…
『絶対に人を殺してはいけない』
だと思っています。つまり、ホラーやスプラッターの要素にある殺人描写やグロテスクな描写は絶対的非日常であり、何度観ても自分自身とは結び付かない事から最大のエンタメだと感じているのです。
恋愛映画は『ありそうでない』キュンが売りでしょう。
ヒーローものは『少年心』をくすぐるカッコ良さでしょう。
そういう『売り』となる部分はどのジャンルにもあるが心霊やスプラッター、宇宙人の侵略系、ゾンビ映画やモンスターパニックなどを一括りにホラーと称してこれらホラーは限りなく『非日常』を味わえる最高のエンタメと僕の中では思っています。
そういう感情は周りには理解されないし、そもそも怖いものをわざわざ見たくないという人もたくさんいます。それはその人の考え方なので良いと思います。無理にホラーを好きになる必要性はゼロです。
だけど、ホラーが好きな人を偏見の目で見てくるような人は自分の人生においてどうでもいい関わる必要のない人間と判断し、連絡も取らなければ連絡が来ても出ません。
自分の好きなものを押し付けてくるのは良いですが、相手の好きなものを否定するのはおかしいと思うので。
こういう人生を歩み、友達のあまりいない生活を過ごしています(笑)
【個人的なこだわり】
映画を観る際のこだわりについてお話します。
映画を観るときは必ず部屋を暗くしてイヤホン或いはヘッドホンをして観ます。なぜなら、その映画の怖さを最大限に体験出来るからです。
洋画の場合は必ず字幕で本人の演技を楽しみます。吹替は声優の演技であり、役者の演技ではないので吹替版は観ないですね。ただ、目が悪い方や字幕に集中してしまい映画が入ってこない方の為の吹替ですので否定的な意見は一切ありません。
そして、俗に言う『B級映画』という作品も観ません。映像クオリティー、演技力、ストーリーなど全てを総合評価して恐怖を感じた点数が決まるのでB級映画はどうしても苦手で観ることが出来ません。
映画は観すぎてしまっているので作品のタイトルと内容が一致しなかったり、一度借りた映画を再び借りてしまい、観始めてから気付くという事が結構多いです。
基本的には洋画がメインで、邦画に関しては有名な作品や全国上映されるホラー映画を中心に観てきましたが、高校時代に『ノロイ』という作品を観て、内容の意味が理解出来ず「つまらない」と感じてしまいそこから観る事のなくなったジャンル、それが『心霊モキュメンタリー』でした。
所謂フェイクドキュメンタリーですね。もちろん「呪いのビデオ」など投稿系の作品は観てるのですが、素人の撮った様な映像で繰り広げられていくチープさが苦手でした。
【ホラー人生に新たな風を吹き込んだモキュメンタリー】
先程モキュメンタリーは苦手だと言いましたが、実際にチキンボールチャンネルを開始してつい先日までは苦手なままでした。
しかし、『心霊マスターテープ2』の出演オファーを頂き、続編の出演なので1作目である『心霊マスターテープ』を観たんです。苦手意識のあったモキュメンタリーを。そしたらね、まさかの面白すぎるんですよ。
これは宣伝とかそういう意図ではなく、本当にホラーを長年観続けてきた僕が自信を持って面白いと言える作品だったんです。
ストーリーも出演者も全てが素晴らしく、本当にリアルを描いていてすごく引き込まれていきました。苦手意識というものは自分が成長するにつれて変化していくのだと思いましたね。心霊マスターテープに出会ってから、モキュメンタリー作品を幾つか観たのですが、今では好きなジャンルと言えるくらい苦手だったモキュメンタリーにハマっています。
こうして新たな発見をする事でホラー好きとしての新しい楽しみ方が生まれるので、本当に嬉しい限りです。
【幽霊はいるのか?】
これは、チキンボールチャンネルを始めるまでは
「いるかもしれないし、いないかもしれない。信じてるかと言われれば20%くらいかな」
という感じでした。今現在では85%くらいで幽霊はいると思っています。残りの15%を埋めて100%いると断言するには僕らはカメラに幽霊のハッキリした姿を映す必要があります!
しかし、撮影を始めてから本当に不思議なものが撮れました。正直、廃墟で聞こえてくる物音(俗にいうラップ音)はその場では怖いですが、古くなった木の軋み、家鳴り、虫、風で何かが落ちたなど想像をするとどれかに当てはまるような気がしてしまいます。もちろん、解明はしていないので霊障という可能性も大ですし、そこはわかりません。
では、何故85%まで信じるようになったかというとそれは僕らしかいないはずの場所で「声」が録れるからです。僕の使用機材はSONYのCX560Vという古い型のビデオカメラでありiPhoneや最新のカメラや一眼カメラのような電波を発する機能が一切備わっていません。つまり、電波を通じて声が混線している可能性がゼロなのです。更に、カメラの集音性能はDolby5.1サラウンドという最高の集音性を誇るビデオカメラで、距離感がしっかりと集音されるのです。
だからこそ、編集中に「声」が入っていたりすると絶対に解明出来ない何かが僕らのいた空間にいた事になります。これが何なのかを考えると辿り着く答えは「幽霊」しかないのです。
ただ、ハッキリと頭の先から足の先までの人間が消えていく、壁をすり抜けるなどそういったものを見るまでは100%にはなりません。
すかいらぶや事故物件では顔が出てきたり人影のようなものが撮れていたという事はありましたが、ハッキリしたものではないため、なんなのかわからないものが撮れてしまったという感情でしかないのです。
これを読んでくれている方はチキンボールチャンネルの動画も観ていただいた方だと思いますが、僕の編集はReplayが少なく、物音や声にテロップこそ入っているものの、風にも声にも聞こえるあやふやな音や微かな音には一切テロップは入れません。もちろん、光の加減で点が3つになりそれを「顔」として認識もしません。理由としては先程言った集音性の良さから考えて「これは明らかにおかしい」と感じるもののみに焦点を当てているからです。そして、点3つで「顔」というのは葉っぱや光の当たり方で無数にそう見えてしまうので、ある程度の「姿」として捉えなければ全て気のせいで片付けてしまいます。
僕の編集は皆様に楽しんでもらいたい、怖がってもらいたいというものは当然のコンセプトとしてありますが、それとは別に「自分にはこれが何なのか一切わからないから視聴者様からのご意見を聞きたい」というもう1つのコンセプトがあります。リアルを追求したいと同時に僕にはわからないものを視聴者の方と一緒に考えて解明したいという気持ちがあるのです。
本当に申し訳ないといつも思っている事ではあるのですが、僕らの動画にはかなり怖さに「ムラ」があります。イチ視聴者として考えると「前回は怖かったけど今回は怖くなかった」などが、かなり発生しやすいチャンネルだと思っています。それは、怖さに関して「完全に運任せ」の撮影だからです。物音は廃墟に行くとほぼ100%に近い形で聞こえますが、声に関してはその場で聞こえてカメラにも入っているパターン、その場で聞こえたがカメラには入っていないパターン、その場では聞こえていないがカメラには入っていたパターンなど様々で、これが「撮れ高」というものになるため、本当に「幽霊さん任せ」という他力本願なチャンネルなのかもしれません。
だから僕らは、なるべくどんなスポットへ来ているのかを正確に伝える「廃墟探索動画」としての撮影をして、そこに何かしらの現象が起こった場合は配信!何も起こらずただの廃墟探索で終わってしまった場合はボツ!という形で動画の配信を行なっています。これが不定期更新になってしまう理由でもありますね。
霊感というものがない(あったとしても使い方もわからないし自覚もない)ので、視聴者の皆さんと同じく僕も幽霊が何なのか、いるのかいないのかというところを知りたいと思っております。
科学で証明出来ない物は信じないのではなく、カメラで証明出来ない限り100%信じることは出来ないという考え方です。
そして、ここまで読んでいただいた方は薄々気付いているかもしれませんが、「ホラー論」について語るはずが、いつのまにか「幽霊がいるのかいないのか」というところに論点がズレているというこの事実こそ最大の恐怖かもしれません。
それが「K」なのです。
ありがとうございました。
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