2001年6月27日トーベ・ヤンソン没

2001年6月27日トーベ・ヤンソン没
 トーベ・ヤンソンは1914年8月9日、フィンランドのヘルシンキで生まれました。父は彫刻家、母は画家という芸術一家で、幼いころから絵を描いたり詩や物語を作ったりと、芸術に親しんで育ちました。下に弟が二人いて、12歳年下の弟ラルスは後にコミック版ムーミンの共同執筆者になっています。
 トーベは15歳では早くも雑誌の挿し絵画家としてデビューし、その後もいろいろな雑誌に絵を描いたり美術展に作品を出したりと活躍し始めます。『小さなトロールと大きな洪水』のもとになるお話は1935年、25歳のときに書き始められましたが、このころフィンランドではソ連による空爆が始まり、世界は暗い戦争へと入っていきました。トーベはスターリンやヒトラーの風刺画を実名で書いたそうです。この時代に相当勇気のいることでした。反戦・平和を貫く姿勢は、単なる芸術家ではありませんね。
 第二次世界大戦が終わった1945年、ムーミンシリーズの1作目『小さなトロールと大きな洪水』が出版され、その後26年の間にシリーズは9作書かれました。1954年からはイギリスの新聞「イブニング・ニューズ」にマンガ『ムーミントロール』の連載が始まります。トーベは6年間執筆し、あとの15年間は弟ラルスが引き継ぎ、コミックスは約60の言語に翻訳されて親しまれました。トーベはムーミンシリーズだけでなく絵本、大人向けの小説、絵などたくさんの作品を次々に生み出し、国際アンデルセン賞をはじめとして多くの賞を受けています。
 2001年6月27日、86歳でトーベは息をひきとりました。生涯独身でしたが、周りにはいつも家族やいい友人たちがいました。恋人や家族や友人の何人かはムーミンの物語のキャラクターのモデルとなっています。ヘルシンキのはるか沖にある「電気も水道もない、歩いて8分で1周できる」小さな島の小屋で夏を過ごすのがトーベのお気に入りでした。数々のムーミン作品が生まれたこの小屋は、今はムーミンを愛する人々が訪れる場所となっています。
 約5年前、日本でもムーミンの物語の世界を再現した施設ができました。
メッツァ(フィンランド語: Metsä)という、埼玉県飯能市にある郊外型レジャー施設です。ムーミンテーマパーク「ムーミンバレーパーク※」と、北欧の生活をテーマにした複合施設「メッツァビレッジ」から構成されます。(メッツァビレッジは2018年11月9日先行開業)ムーミンテーマパークは、本拠地であるフィンランド国外では初進出となります。正式名称はテーマパークとパブリックゾーンを含めた「メッツァ」ですが、マスメディアや飯能駅の副駅名標などの案内には「ムーミンバレーパーク」の名称が使用されることが多いようです。私も家族とオープンの約1年後に行ってきました。高速道路を使うと約1時間なので、意外と近いですね。トーベ・ヤンソンとムーミンを身近に感じることができました。#今日は何の日 2024.6.27

※ムーミンバレーパーク(2019年3月16日開業)ムーミンの物語を追体験出来るテーマパーク。「はじまりの入り江エリア」「ムーミン谷エリア」「コケムスエリア」「おさびし山エリア」の4つのエリアで構成されており、ムーミンをテーマにしたアトラクションやショップなどが配置されています。

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