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ヤズーのオンリーユー:エレクトリック・ソウル・バラード

音楽人生が100倍豊かになる80年代の100曲 <その12>

Yazoo  / Only You (1982)

ヤズー(Yazoo)は、元デペッシュ・モード(Depeche Mode)のヴィンス・クラーク(Vince Clarke)とアリソン・モイエ(Alison Moyet)で結成されたグループ。

その特徴は何といってもポップなエレクトロニックの音に乗ったアリソン・モイエのソウルフルなヴォーカルです。

エレポップやテクノポップのはじめの頃って、モゴモゴ歌ったり、ボソボソ歌ったり、ヴォコーダーで声をゆがませたり、あまりヴォーカルが重視されない曲が多かったのですが、ファンキーな歌声がエレポップに乗るって新鮮でした。

アフリカ・バンバータ(Afrika Bambaataa)がプラネットロック(Planet Rock)でクラフトワーク(Kraftwerk)をサンププリングするなど(横文字ばっか並べてすみません)、元々テクノとファンクの相性っていいんだとは思うのですよ。

でも、なにせテクノポップが登場した当初はYMOにしろ、ゲイリー・ニューマン(Gary Numan)とかヒューマン・リーグ(The Human League)にしろ汗をかかないクールさが魅力だったので、まさか汗かきまくりのファンクとくっつくとは思ってもみませんでした。

今って、例えばCGでもCGとはわからないように使うなんてのが主流ですが、当時はいかにテクノっぽいかがかっこよかったんですね。ディズニーのトロンなんていうCG感120%の映画もヒットしましたし。
クラフトワークのテクノポップ(Techno Pop)はワイヤーフレームのヴィジュアルでしたし。

音楽も、今はシンセで自然な音を作るのが主流ですが、いかにもシンセサイザーな音とか、ヴォコーダーでコンピュータ音声っぽくしたヴォーカルが新鮮で、楽しんでいたんです。

だからアリソン・モイエのソウルフルな生声がテクノポップと組み合わさっているのが新鮮でした。

いまではYOASOBIみたいに、エレポップに歌のうまい女性歌手の組み合わせって当たり前ですが、ヤズーが元祖だった気がします。

ノーバディーズ・ダイヤリー(Nobody's Diary)も名曲なので、ぜひ機会があったら聴いてください。

ヤズーは残念ながらアルバム2枚で解散してしまいましたが、その後ヴィンス・クラークはイレイジャー(Erasure)で、アリソン・モイエはソロでそれぞれヒットを出してイギリスでは誰もが知る存在になっています。



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