梅雨の夜に
落ち込むと、とことん落ち込む傾向があります。
春であれば桜を愛で梅雨頃には紫陽花を楽しみ、鶯の鳴く声に耳を傾け、湿気の多い日には少しの風に心安らぎ、帰り道には空を見上げて月を探すのに、どうして気分がこうも落ちるのかと不安が更に不安を煽るのです。きっかけは些細なことで、他人なら気にもとめないような、いつもそんなものです。嫌なこと、辛いことを心の奥底に留めておくようにしたのはいつの頃からでしょうか。赤ん坊の時分であれば泣き喚いても、何故泣いているの、と周りの人間が考えてくれるものですが、言葉が話せるようになってからは基本的にバーバルコミニュケーションを好まれます。verbal…つまり言語です。人間の感情や行動、感覚には言葉にし難いものや、相手の動作の機微からわかるものもあるとはおもいますが、やはり人間は言葉の生き物なんでしょうね。
たとえば…共有したい景色や世の中の美しいもの、「今朝は雨がぱらつき曇り空だったけど、夕方には晴れていて、夕日が赤く空も美しかった。今晩は星空かな?」とか。感情やからだの状態の伝言、「今週はすごく疲れたみたい。土曜の朝は身体が動かしにくくて、風邪でもひいたのかと思ったくらいに全身に倦怠感があったよ。今晩はよく寝ようと思う。」とか。行動の理由の説明、「今日は飲み会はやめとくよ。ちょっと今月は飲みすぎてしまって…今日は遠慮するね。うん、今週はちょっと疲れたのもある。また誘って。」と誘いを断ったり。五感、直感、感覚の説明、「お腹を冷やしちゃったみたいで、差し込むような痛みがある。お昼には温かいうどんを食べよう…」
たぶん、わたしは言語のみのコミュニケーションがあまり得意ではないのだと思います。そこに相手の表情や視線、足を組んだり腕を組んだりの仕草などのノンバーバル(非言語的)コミュニケーションがあって、少し気楽になる気がするのです。そこに対面とテキストメッセージのやり取りとの違いを感じるのです。
今回の落ち込みはこの日本語があまり得意ではないところからきているのかなぁ…と考えては、自分の改善すべき点を列挙してしまい…他のもやもやを呼び起こしてしまい…落ち込みの傾向が強まります。それでも明日はやってくるので、少し仕事をして、少し現実逃避して、現実を見つめます。