新米EMに足りなかった決断力
こんにちは、カミナシでエンジニアリングマネージャーをやっている倉澤です!
この記事は Engineering Manager Advent Calendar 2023 の13日目の記事です。
はじめに
私は今年の4月からアソシエイトマネージャー(※)になり、3か月後の7月から正式にマネージャーになりました。
それまでは、ずっと IC (Individual Contributor) ロールとして働いてきて、マネージャーに挑戦するのは初めてだったので、ずっと試行錯誤しております。
もう年の瀬ということもあり、そんなEM活動をカミナシのバリュー「全開オープン」に従って、振り返ってみました!
これからEMに挑戦してみたい人や、何かを決めるって難しいよねと思っている人の何か参考になると嬉しいです。
不安
実はEMになる前から、これまで何かを決める経験をあまりしてこなかったなーというふんわりとした不安がありました。
一定の正解がある「判断」ではなく、手持ちの情報では正解を決められないような「決断」は特に経験が少ないと思っていました。
そんな中、実際にEM になると、やはり何かを決めることが増えました。
そして、案の定、うまく行かなかったなーと思うことがありました。
どううまく行かなかったか
一つ例をあげます。
現在、私が所属しているチームは2つのチームで一つのシステムを触っています。
詳細を省いてざっくり言うと、その 2つのチームの担当範囲を明確にしようという話を進めました。
それをチームのみんなに伝えた時に、チーム全体でよしやろうという雰囲気にすることができませんでした。
一つ大きな問題として、「なんでやるの?」 というところが全く共有できてなかったことがありました。
どうしたか
そこで、どういう課題があって、何を解決したいのか、何を目指しているのかといったことをドキュメントにまとめて共有し、まず非同期で意見を求めました。
ドキュメントを書いて共有したこと自体は好意的に捉えてもらいましたが、端的に言うと以下のような意見が出ました。
PM、 EM が感じている課題って本当に解くべき課題なのか?
課題が正しいとして、対応策 (ここでは担当範囲を明確にすること) が有効か?
対応策が有効だとして、もっと有効な他の策はないのか?
対応策に対するトレードオフが心配
このような意見を出してもらったことを元に同期的なミーティングを開催しました。
最終的にはこの決定は最終決定じゃなく、どんどん改善していくべきもの。β版マインド(※)でやってみましょうと話し、納得してもらえました。
学び
それまで、同じチームだし課題感とかはそこまでズレてないだろうと勝手に思っていました。しかし、考えてることはみんな違うんだよという、当たり前のことをめちゃくちゃ学びました。
それからちょっと悩んで、どうやったらこの決断はうまくいったんだろうと考え色々本を読んだりしました。
その中の一つに「決断の本質」という本があります。
この本では、「正しい結論」を出すことよりも「正しいプロセス」が大事ということが書いてあり、まさに自分に足りていなかった視点だなと思いました。
そして、「正しいプロセス」によって決定したことを「実行」に移していくことが何よりも大事なんだと思います。
実行できない決定には意味はなく、プロセス、決定、実行を合わせて、「決断力」なんだと理解しました。
今回あげた例でいうと、もっと早く IC のみんなも巻き込んで、意思決定のプロセスに参加してもらうべきでした。
ただ、意思決定のプロセスに参加する人数が増えるほど、意思決定のスピードが落ちると思うので、意思決定のスピードと、チーム全体の納得感のバランスをとるというのもマネージャーのスキルなんだろうなと思っています。
そのためにも、日頃から対話して課題認識をすり合わせておくこと、小まめに情報共有をしておくことが大事だと思いました。
最後に
こういった対策の一つに EM チームでスクラムを初めてみた話をEM のよっしーさんが記事を書いてくれています。
今後、メンバーもどんどん増えていき、決断の難易度も上がってくると思いますが、一緒に頭を悩ませながらチームを導いてくれる EMやエンジニアを大募集中です!
よろしくお願いします!