アタシの妹が、「まい」という。
真心の「真」に、衣類の「衣」で真衣。
いつもとびきり、運がいい。
スカッとした青空な性格に、なんてことない、愛嬌がある。
覚えている光景は、妹が小学生の時
宿題の算数がまったくできず、
「分数」がわからないし、「なによりこいつら半分半分でキモイ」と言った。
もう教えてもダメだと思った父親は、妹に電卓を与え、電卓の使い方を教えた。そこからは電卓をパチパチして、すざまじい速さで答えを叩きだす妹に、
「やったね、まいちゃん✨」
とアタシがいうと、
「やったよねー!」と言った。
また、高校受験の時には、一度も勉強しなかった。
そのときにはもう東京にいるアタシに、
受験前に、
「スラムダンクにハマっている」とメールがきた。
受験前に妹は、漫画のスラムダンクにハマっていたのだ。
14巻まで読んだ妹は、
この先どうなってるんだろう??と
それ以降が見たくなり、
最後の31巻だけチラッと見たとき、
まったく知らない最強の坊主たち(敵の山王高校の選手たち)がいたことで、
「何だこいつら!?」
と、ショックをうけて、読むのをやめた。
スラムダンクを断ち切り、これでようやく勉強してくれると思った両親だったが、
ショックを受けて、受けて、受けて、受けきったまま、
そのままショックのまま、受験になった。
そんな中受験して、受かるわけないと落胆していた両親だったが、
妹は
「まだまだ、あきらめるなっての。
受かる気してきた!」
といい、その年。
受け先の、高校の定員が、なんと割れに割れ、割れ割れに割れて、ほんとに、そんなに割れるかというほど割れ、割れに割れて、なんでそんなに割れたの?割れに割れ、奇跡的に合格した。
とびきりに運がいい。
そんな妹が
最近。保育園の保母さんになった。
保母さんは、歌いながらピアノを弾けなきゃいけないらしく、ピアノ自体、実はあんまり弾けたことがないと教えてくれた。
なんと、妹はピアノが弾けないのだ。
毎日どうやってるの?と聞くと、
「簡単簡単!
ピアノをほんの弾けるとこまでひいて、
弾けなくなってきたら、
ピアノをバーン!!て思い切り鳴らして、
立ち上がって、
イスに登って、仁王立ちして、
大声で子どもたちと歌うんだよねー!」
って笑った。
愛嬌がある。
スゲー!!
とびきり運がいい。
サイコー!!
青空みたいな性格。
マジ。ギャル!!!