画太郎先生、だぁ〜い好き♡
あたくしは、
小学校四年生の時、すこぶるに頭が悪かった。
成績は、ゲボ吐くくらい悪かったのだろう。
担任の先生が、家庭訪問の時に
本当に褒める所がなかったのだろう。
「明るい。元気、明るい。いい子！」
その話題だけで1時間、しのいでみせた。
母親はそれを察知して、
「このままでは息子はとんでもないバカになる」
と思い、僕を本屋に連れて行った。
そして、なにか教養にいい本がないかと探していた。
母親と2人で漫画コーナーを見ていた。
母親が困るのが、僕が漫画しか読まなかったことだ。
そもそも文字がそんな好きじゃなくて、長い文章とかはご勘弁派だった。
長々と書かれた文章より、
「晴れ！」
「曇り！」
「雨！」
くらい、スパッとわかりやすい、
絵柄がパッと見でわかる漫画のが、絶対いい。
とにかく文字を読むのが、面倒くさかった。
そして、その日
母親が見つけたのが「世界の偉人伝」の本で、
僕が見つけたのが、
漫画太郎先生の、
「道徳戦士 超獣ギーガー」だった。
見つけて、なんか一発で惹かれた。
「これが欲しい！」
母親に言った。
母親は悩んだ。どちらか一冊を買うのだが、息子が持ってきた本を見る。
『道徳漫画』
表紙に、そうデカデカ書いてあるのだ。
そして、母親はその表紙に騙されて、
『道徳漫画、、。そうね、まずは息子のモラル、道徳を高めないと、、！』
と、
「世界偉人伝」ではなく、
「道徳戦士超獣ギーガー」を、僕に買い与えた。
これが、大失敗だった。
絶対に、「世界偉人伝」だった。
家に帰って、「ギーガー」を開いた。
衝撃が走った。
思っていた以上に、
本当にひどい漫画だった。
犬の主人公ギーガーが、道でガムを吐き捨てる若者に注意すると、若者がギーガーをぶん殴った。するとギーガーが大激怒。ギーガーの背中がバリバリ破れ、犬の着ぐるみからバリバリと巨大な怪物が出てきて、その若者をガムのように口に放り込んで、バリボリ噛んで、道に吐き捨てる！
一話目終了！
という内容だった。
本当に、本当に、ひっどい漫画だったのだ。
予感は当たった！！
道徳漫画なんかじゃなかった✨
特大の、大スパーク💩ビチグソ漫画だった✨✨
これだこれだ！これなんだ！！！
あたしゃの求めていたものはこれだ！！！！！
作者は誰だ？！
漫☆画太郎！！！！！
漫☆画太郎 先生！！！！
それからは毎日、夢中で「ギーガー」を読んだ。
成績は下がる一方だった。
さらに『地獄甲子園』という漫画も買った。
成績はさらに下がる一方だった。
学校から帰って、宿題もやらずに読みふけった。
成績は、下がる一方だった。
自分の成績を、これでもかと下げてくれた。
それから二十年、
自分は芸人になって
「ランジャタイのキャハハのハ」というDVDを出したとき、自分達のサンプルDVDを、いろいろな著名な方々に送れるらしいので、芸能人、歌手、文化人、漫画家、あたりかまわず送ってみた。
そして、
それから1ヶ月くらいがたったとき
事務所に一通だけ、返信の手紙が届いた。
漫☆画太郎 先生からだった。
子どもの頃の匂いが、家庭訪問の匂いがした。
「DVD拝見しました。ありがとう、全部面白かったです！特に〇〇の漫才が、喉から血がでるくらい笑いました！！国ちゃん幸ちゃんにヨロシク！」
ギーガーの匂いがした。
先生は、誰かもわからない芸人のDVDを見て、更に粋な手紙まで書いてくれた。
なんて人なんだろうか。
ギーガーを読んでよかった。
あの頃の自分に伝えたい。
ギーガーを読んで、大正解だった。
あの日々の延長線上に、この手紙があるのだ。
一巻で終わったギーガーには、まだ続きがあったのだ。
さて、
漫☆画太郎先生。
最近、
風の噂で、先生の漫画が
「有害図書」になるとの噂を聞きました。
今なら、声を大にして言える。
先生の漫画は、「有害図書」ではありません！
大変、素晴らしい漫画です。
僕は読みました。
僕は知っています、先生の素晴らしい漫画の数々を！
どれもこれも、素晴らしい漫画です！
有害図書ではありません！
後世に伝えたい
上質図書の数々でございます。
全PTAに言いたい。
安心して下さい、
決して、有害図書ではありません。
お子さまに是非。
一家に一冊。
漫☆画太郎を。
先生、
新作読みました。
チン棒から血がでるくらい笑いました！
また、新しいビチグソ打ち切り漫画、
楽しみにしています💩！！
いつまでも、素晴らしい、面白い漫画を描き続けてくだされば幸いです。
それでは、失礼致します。
画太郎先生、だぁ〜い好き♡